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第21章 薔薇と白い月(ダークファンタジー)
第1003話 薔薇と白い月(2) ザマァ展開は自分で起こせ
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一週間かけ、この辺の森で狩猟を行い、保存食の備蓄を開始した。鳥海の描いたシナリオの一つが”極度のインフレ”だ。ダンジョンという食糧生産拠点が使えず、公爵以外の下っ端が”侯爵以外いない段階で市民は数百人が程度が限界の数しか住んでいない。がここで問題が王都が破壊され、寄り付かなくなったことで”通商路が破壊された”これにより、交通費の高騰と、王都にいた人間の何割かは移民となり、都市にばらまかれる。当然今までの食糧事情では賄いきれない箇所が生まれる。通商路以外が破壊されない状態だと。田舎では食料が安くなり、自分の村以外の食糧の値段が高騰する。がゲーム的中世なら…NPCはその影響を受けないだろうが、プレイヤーは影響を受ける。そして起こるのが…高級品の特に肉の高騰である。そうなると…NPCは避難だけだろうが・・プレイヤーは山賊化する見込みが高い。飢えた人間は容易く人を殺すのだ。
…確かにファンタジー物でこういうザマァはよくある話だ。が、実際に困るのは周辺の市民であり、そこに住む何の関係もないはずの市民だ。私は確かに謎の言いがかりで追放されたがザマァの被害がこっちに飛び火するザマァは胸がすっきりするなんてことはなく、逆に…問題だけが加速した。私達の村はポーションが特産品であり、これが”ご禁制”の品になってしまったからこの話を聞いて村の全員からポーションを買い取ることにした。こっちが一括で売るためだ。村人が善意でポーションを渡したら、問題が起こること間違いないからな。が、事態は変な方向に発展した。それが、村に行商人の一団が現れたのだが、それが二つの商会だった。一つはギルド商会。すなわちエルフたちが来たのだ。
「商会長のリーフ様に言われて、この地にギルドを建築するように言われました。よろしくお願いします。できれば建築も行いますので…。」
有能そうな男性エルフは、一気にまくしたてた。ただ、言いたいことは分かってきた。王都では王様の命令と公爵の命令でポーションはご禁制となった。が、地方ではその地方の侯爵の法律の方が優先される。そこで矛盾がある場合は”見逃される”ことが慣習法で存在している。その慣例を利用しポーションを無認可のまま回収する事が決定したそうだ。流石にこの混乱は…運営も予想しておらず、不味いと感じたようだ。そしてそのギルド商会に便乗してやってきたのが
「本当にすいませんが、ポーションを分けていただけないでしょうか。」
侯爵令嬢である、パンダ同好会のメンバー”白の旅団”の篠崎カスミ嬢である。こっちでは”シルメリアという名前になっている。鑑定でしか判別できなかったから…こっちと向こうと面識がないのが分かる。
「ふむ、それは分かるが、ご禁制だぞ?」
「侯爵家として恥をしりながらのお願いとなります。」
それがこうして丁寧に頭を下げる。連れてきた馬車は2台。
「いいが…何本欲しいんだ?」
「出来るだけ多く。そして…できれば、販路も。」
「贅沢過ぎじゃあないのか?こいつのは賞味期限もあるんだぞ?」
「これを。」
…書状、家紋がある。正式な文章だろう。
「これは…。」
「我が領でも不満が多く、避難民の流入もあってポーションの販売は死活問題化しています。できれば。」
見なくても手紙の内容は分かるが…開けてみてみると、シルメリア上のいる侯爵家があるのは海岸の町。そしてそこには海岸のダンジョンがある。そこでもポーション禁止の余波と流入した冒険者たちのいさかい。そしてダンジョンに潜る為のポーションの枯渇である。そして、このままで予測される秋の収穫期前の夏までに食料の枯渇がありうる。その為に5000本のポーションの支援要請である。これがあれば冒険者をダンジョンに送り、窮地を脱することができると書いてあった。
「…本来なら断りたいな。」
「どうか!」
というのも5000本×20=1万GP=1000DPのお仕事なんだ。これ。大した儲けにならないんだ。かたや10分の一の数でもポーション(普通)なら2500×500GP=125万Dpのお仕事である。利益率が違うんだ。ただ、こうしてみると異世界物ではポーションが高品質だと持ち上げられ、儲かったー。かっこいいという話があるがまさか劣化版が大量に欲しいという内容のお話になるとは思わなかった。
「が、まあ、パンダには借金がある、その分も含め話し合いの余地があるとみてる。この借り、後できっちり払ってもらうと、盟主に伝えておくといい。」
「げ、ちょっと待って、あんたもプレイヤー!?」
「そうだが?」
「うわ、まっず。それガチでヤバいって。」
急に口が悪くなったな。
「エルフ君、君はまず村に行って場所を決めて来て村長と話し合ってほしい。それが終わり次第私が行って、正式認定する。」
「は、はい!」
「さて、もう少し詰めようじゃないか。ポーションの配送自体は文句はないが、仕事が…な。」
こういう時は…ザマァの基本と行きますか
…確かにファンタジー物でこういうザマァはよくある話だ。が、実際に困るのは周辺の市民であり、そこに住む何の関係もないはずの市民だ。私は確かに謎の言いがかりで追放されたがザマァの被害がこっちに飛び火するザマァは胸がすっきりするなんてことはなく、逆に…問題だけが加速した。私達の村はポーションが特産品であり、これが”ご禁制”の品になってしまったからこの話を聞いて村の全員からポーションを買い取ることにした。こっちが一括で売るためだ。村人が善意でポーションを渡したら、問題が起こること間違いないからな。が、事態は変な方向に発展した。それが、村に行商人の一団が現れたのだが、それが二つの商会だった。一つはギルド商会。すなわちエルフたちが来たのだ。
「商会長のリーフ様に言われて、この地にギルドを建築するように言われました。よろしくお願いします。できれば建築も行いますので…。」
有能そうな男性エルフは、一気にまくしたてた。ただ、言いたいことは分かってきた。王都では王様の命令と公爵の命令でポーションはご禁制となった。が、地方ではその地方の侯爵の法律の方が優先される。そこで矛盾がある場合は”見逃される”ことが慣習法で存在している。その慣例を利用しポーションを無認可のまま回収する事が決定したそうだ。流石にこの混乱は…運営も予想しておらず、不味いと感じたようだ。そしてそのギルド商会に便乗してやってきたのが
「本当にすいませんが、ポーションを分けていただけないでしょうか。」
侯爵令嬢である、パンダ同好会のメンバー”白の旅団”の篠崎カスミ嬢である。こっちでは”シルメリアという名前になっている。鑑定でしか判別できなかったから…こっちと向こうと面識がないのが分かる。
「ふむ、それは分かるが、ご禁制だぞ?」
「侯爵家として恥をしりながらのお願いとなります。」
それがこうして丁寧に頭を下げる。連れてきた馬車は2台。
「いいが…何本欲しいんだ?」
「出来るだけ多く。そして…できれば、販路も。」
「贅沢過ぎじゃあないのか?こいつのは賞味期限もあるんだぞ?」
「これを。」
…書状、家紋がある。正式な文章だろう。
「これは…。」
「我が領でも不満が多く、避難民の流入もあってポーションの販売は死活問題化しています。できれば。」
見なくても手紙の内容は分かるが…開けてみてみると、シルメリア上のいる侯爵家があるのは海岸の町。そしてそこには海岸のダンジョンがある。そこでもポーション禁止の余波と流入した冒険者たちのいさかい。そしてダンジョンに潜る為のポーションの枯渇である。そして、このままで予測される秋の収穫期前の夏までに食料の枯渇がありうる。その為に5000本のポーションの支援要請である。これがあれば冒険者をダンジョンに送り、窮地を脱することができると書いてあった。
「…本来なら断りたいな。」
「どうか!」
というのも5000本×20=1万GP=1000DPのお仕事なんだ。これ。大した儲けにならないんだ。かたや10分の一の数でもポーション(普通)なら2500×500GP=125万Dpのお仕事である。利益率が違うんだ。ただ、こうしてみると異世界物ではポーションが高品質だと持ち上げられ、儲かったー。かっこいいという話があるがまさか劣化版が大量に欲しいという内容のお話になるとは思わなかった。
「が、まあ、パンダには借金がある、その分も含め話し合いの余地があるとみてる。この借り、後できっちり払ってもらうと、盟主に伝えておくといい。」
「げ、ちょっと待って、あんたもプレイヤー!?」
「そうだが?」
「うわ、まっず。それガチでヤバいって。」
急に口が悪くなったな。
「エルフ君、君はまず村に行って場所を決めて来て村長と話し合ってほしい。それが終わり次第私が行って、正式認定する。」
「は、はい!」
「さて、もう少し詰めようじゃないか。ポーションの配送自体は文句はないが、仕事が…な。」
こういう時は…ザマァの基本と行きますか
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