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第21章 薔薇と白い月(ダークファンタジー)

第978話 薔薇と白い月(2) 道路がショボいと暇も多くなる。

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 三日目にもなると、流石に、旅行は暇だ、一応ゴーレムはこっちが命令を変更し、かなりスピードは出ているが、路面が悪い。なので時速30kmが限界だった。この辺も建築家の誇りだが、日本を支えたのは…物流でもあるが…道路でもある、立派な道路は田舎であっても産業の芽を呼び、ド田舎でスローライフができるのだ。実は中世において基本”スローライフ”はかなり難易度が高い。出来ないとは言わない。それが実感した事だ。その主な原因が”道路”である。道路がないせいで交通が不便で、交通に余分な時間、宿泊、食事がかかる。そのロスは当然売値にも引っかかる。普通に健全な捨て値で売ってさえ…日本とは金額がけた違いに上がるのだ、そこに盗賊や獣の危険があるならもっと当然だ。いくらダークボックスがあっても車なし…いや人間が歩く以外の移動方法無しではどうにもならないのは…身に染みてわかっているんだ。が、この道路は…揺れる。これがいくら衝撃を吸収しようがある問題を生む。
「暇!」
「…暇。」
 リューネさんは外を見ても飽きっぽく呟き、ネルさんは私が出した”香草漬け干し肉”を噛んで舐めている。何せ暇つぶしの将棋もリバーシも揺れでずれるなら…やることができず、地味に揺れで…盤面見てると酔う。そんな状況ではゲームも出来ず、テレビゲームとかの暇つぶしもない。そうなる当然…雨とか食べ物舐めるとかしかやることがない。
「クックック、修行が足りんぞ。」
「…教授は何もない虚空を見ておるが、何をしておるんじゃ?」
「ん?ゲームのシュミレートだ。常に戦闘やゲーム、その知見に応じたシュミレートをする。そうする事で動きを覚える。」
「ふむ…珍しいな、そう言うタイプは。」
 一応扱いは呉越同舟だが…この場で文句を言うあれはない。載らないと帰れないからだ。
「でものぉ…やることはないのじゃ。」
「…いや、あるぞ、神様についての説明と…後、魔法について教えて欲しい。できる範囲で構わない、説明でもすれば暇が潰れるだろう。」
「確かに、信徒を増やすのは神様のお仕事よ。特に私にはね。」
「どういう事じゃ?」
「神様のシステムについてよ。」
 説明されたのは非常に世知辛い、ダンマス限定システム…ともいえるシステムで。なんと信じた人間の数に応じだDPが得られ…そして信徒を集める事で奇跡を起こし、神様として格をつんでいくという。そう言う物だ。但し神様になるのは条件があり…その神格となりたい神様に応じた知識が必須で、テストも行われる。そしてそれに応じた偉業も欲しい。だからこそ…神格は貴重視され…そして聖女教はその”神様になった存在の象”が勝手に表れるという。
「という事か、あのリューネ像が…神様になった暁なのじゃ?」
「そう言う事になるわね。一応は私達は神殿施設のある聖女教の神様って事。一応聖女という名前があるけど神格試験を超える事で、力は手に入るの。そして人も引き付けるはずなんだけど・・私は元々人づきあいが苦手なのよ。」
「…私も。」
 リューネもネルも頷くが、あんたら神様なんだけど…。
「…でも私、信仰地域が領地。だから必要ない。」
「だから私が問題なのよ、魔術神リューネとしては、信仰地域が欲しいんだけど、勇者大陸は基本南の信仰が多いの。特にあの信仰はすっごい簡単にまとめられた宗教だから、私は御利益が多い分戒律も多いのよ。」
「ふむ、そう言うのは面白いな。でも神殿か…。建築家の腕が鳴るが、好きな建物ではないな。」
「なんでじゃ?」
 私も呆れている顔になっていた。
「威厳を保つ間、空間、そして採光効果。その全てを員や数字、あらゆるものに関連付けた建物が欲しいんだ。例えば魔術なら魔術に関連した配置、施設、施し。それらが欲しい。そして順位付けもだ。」
「お主、そう言うのを知っておるのかのぉ?」
「建築の…特に難易度が高いのが葬儀場と宗教施設だ。相手の設定を聞きそれに合わせた最高の建築をしないと…こっちが恨まれストーカーに会う。その設定を生かしつつ、住居の利便性を兼ねるとなると設計難易度は跳ね上がる。」
「…??」
「なにそれ?」
「ああ、これはこいつの病気みたいなものじゃ。設計や建築に関しての知識は飛びぬけておるんじゃが、建築馬鹿じゃの。」
「何を言う、そんな事無いが依頼が来るかもしれんだろうが。当然設計はこういう時から考えて練っておくことでいざという時に役に立つ。」
「…一つ言っていい?」
「なんだ?」
「…これと同類。」
 ネルさんは教授を指さしていた。分かるが…やめてほしい。
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