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第21章 薔薇と白い月(ダークファンタジー)

第965話 薔薇と白い月(2) 暇があると仕事したがるワーカーホリック

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 井原が帰って来ると、ドラン達が出迎えてくれ・・・エージェントたちはいなくなっていた。
「…どういう事だ?」
「連中の占拠に…ダンマスが動かんのでな。それで、鍛えたい連中は南の湖に向かったのじゃ、で、儂らはこれじゃ。」
 食卓に置かれたのは…数冊の本だった。
「わしらで次のイベントエリアの選定じゃ、できるんじゃろ?」
「一応、選定をするが…推薦人制度にするようだ。」
 推薦人制度は、よく政治に用いられる制度で、一定人数を集めて、一人、又は一個の項目を推薦する。これは組織的パワーバランスが欲しく、かつ”票をばらけさせない”為”に必要なものだ。
今回この…鳥海が言うにはもっと共政治力の欲しい制度にしたことに…半分恨んでいる、というのも”推薦人”を集めるのに組織力が欲しいからだ。そして大抵”漏れる”、当然情報が出回れば
票読みが出てくる。そう、のるかそるかって事だ。それ含みで、様々な政治的能力が欲しいのが推薦人制度だ。今回は15名の推薦人が欲しい。これも…鳥海が書類をぶん投げる程度にはきつい。
というのも…この世界のダンジョンマスターは54名と言われている、特にパンダの9名、魔人連合に14名。亜人に19名、草原同盟も4名いる、こうなると単独で意見を出せるのは亜人のみとなる、
が、問題がある、そう、亜人外見を統一すると19+9=28人の表がある、多数決を取れば当然…半数の27より一票多い、向こうも票割れが起きない限り、亜人が勝つ試合なのだ。
「厄介じゃのぉ。」
「いや、それが、微妙なんだ、…不確定票が2票混ざるから…。」
「不確定票じゃと?」
「シオリさん、亜人にスパイ幾るでしょ?:
 井原は当然のように言うが…。シオリの顔は渋い。
「いますよ。それが?」
 ただ、今は、外部がメール上に頼れない上に…今後に必要と感じ…あえて必要分だけ情報を出すことにした。
「で、それが…3票ずれます。すなわち…亜人の票は結果的に完全ではないんです。がここで問題なのが…亜人は今まで他のダンマス同盟などに…アクセスしたことがほとんどないんです。」
「あ…。」
 そう、亜人同盟の組織的問題は外への訴求力の低さだ。しかも大御所以外の…利点が薄いんだ。だからこそ、工作が効く…それが鳥海の出した…面倒な点だ。政治家の多くはこの票読みによる工作がプロではなくてはならない。そして、この為に欲しいのが有力な”提言””政策”だ。ワイロでもいいが。賄賂が怖いのは、相手の積み方と舌先三寸でいつでも寝返るのだ。しかもこういうのが好きかどうかの調査も欲しい。
「で、ありました?いいのは」
そこで鳥海は…短い時間で、取りまとめ。私達…魔人と千鳥万花が組み、一つ候補を出し、それに…浮動票を付けさせて囲い込むことだ。相手の状況次第では取り込みも狙える、それがこっちの役目である…”作品選定”だ。問題は余りに”緩い”選定基準と、そして…その作品を知ってもらうために…最悪”54個”ばらまく必要があるからだ。
「わしが押せるのは二つじゃな。」
 差し出してきたのは…ある意味う有名な2つの作品だった。
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