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第21章 薔薇と白い月(ダークファンタジー)

第950話 薔薇と白い月(2) 錬かね術師

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「錬金術師とぱ、金《きん》を作る術師である。ではないんだ。」
「は?賢者の石とか有名じゃろ?」
「それも何だが、それは研究者が見齧った者が伝播するうちに代わったもので、賢者の石には諸説ある。柔らかい石、物質を禁に変えるものなど何だが、もう一つ。あるのが”哲学”であるという
説だ。」
「はい?」
「賢者の石って翻訳する前は”知識あるものの硬い物”だったらしいんだ。向こうではしゃれた言い方の符丁って奴があって訳すと”鉄板ネタ”でも成立しちゃうんだ。例えば水が100度で沸騰とかな。」
「そんなの当り前じゃろ?」
「だか、この頃はその百度、零℃という単位さえないんだぞ。」
「あ・・・!」
「だからこそ、賢者の石とは儲けることができる知識とかを指す言葉だ。それで皮肉的に錬金術師は”錬金《かね》術師”という。という皮肉があるんだ。金になる技術があればいいって事だ。」
「なんか急に下らんくなるのぉ、」
「これがまとまっていくうちに学問が生まれ、自然学、科学の元となるんだ。だからこそ…金になる技術と道具は全部その中に突っ込んでおいた。」
「このポシェット?」
「そうだ、武器防具の作成から、素材を使った道具の強化。そして道具の作成の1通り、そして料理あらゆる”レシピ”が必要な物は全部突っ込んだ。」
「お主鬼じゃろ。」
 ドランは呆れてしまった。
「一応記憶があるから、リンゴを買って突っ込めばシードルもできるぞ。」
「…クックック。確かに確かに。頭おかしいが確かに”錬金術師の大釜”じゃ。金になる技術の全てを入れた坩堝じゃやからのぉ。」
 あまりのおかしさに…ドランの笑いが止まらないようだ。
「後はスラムに帰ってそいつにアイテムぶち込めば、ある程度の物が作れるはずだ。売るのは…後は自分で考えろ、私もあと一か月でこっちから学校に帰る。後屋敷にはエージェントがいる。そいつらを頼れ。」
「ふむ。…。」
「売り子の役には立つはずだ。考えて動けよ。この世界は商人の力が弱いらしいからな。」
「分かったのじゃ。すまないの。早速出たほうがいいかの?」
「そうだな、数日は休憩して行け、英気を養わねば困るだろうからな。」
「ホッホッホ。では早速栄養分の高い食事と行きますのぉ。」
 オウルは意気揚々と、台所に向かっていった。
「その間に…王都に戻ってからの・・・方針を計画するぞ。教授は必ず接触してくる。」
「分かったのじゃ。でも動きなんかあったのかのぉ?」
「ああ、かなりな…」
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