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第20章 それは柴崎エナリシア

第901話 エナリシアの旅 凱旋

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「あれが…バンガルスカーデ。」
 エナリシアとパオメイと、田中とゴーレムの手で引きずり出したバンガルスカーデの全長は18mあった。そして、こいつにはワニみたいな下腹部の柔らかい所がない。全身が
硬い鱗とも呼べない厚い皮膚で覆われ、それは口に至るまで続いた。
「これ竜じゃねえか。」
「…よくわからない。その辺は、ただこの肉は淡白で食いやすいし、かなり多い。」
「一つ聞いていいですの?本来の倒し方はご存じですの?」
「…こんな少数は勇者の伝統と聞いたが、そうでないなら…。」
 エナリシアが、ゴーレムを追加で作り、バンデルスカーデの死体をゴーレムに持たせていく、
「30人から40人が総出で掛り、周囲に槍を並べて全員で投げる、囮の一人は逃げ回り、樹とかに隠れる、それをあいつが引き上げるまで繰り返す。そして徐々に傷を付けて…大体7時間はかかる、あの大きさだと。流石勇者。」
「それは大物でござるな。」。
「…この辺にはそれが100体近くいる」
 その言葉に全員の背筋が凍る
「…2体目に会えば、30人いようが全滅は免れない。」
「帰りましょう。」
「そうです、ちょっとパオメイが…わき腹を強く打って歩けないので、魔法を掛けます。」
ラクリッエチェがパオメイに駆け寄り、回復魔法をかけていく。先ほどの弾き飛ばされた…落下ダメージでかなりの怪我らしい。
「…全員ゴーレムに乗る。帰る。」

 エナリシアたちが、ゴーレムに乗り…バンガルスカーデの死体を持ち帰ると、第2の町全員が歓声を上げる、
「おおー!戦士の仇を取ってくれた!」
「エナリシア様!」
 そして、村に着いた一行は、買取所にバンガルスカーデを運び入れる。
「これをいかがしますか?」
「…今回は革だけ欲しい。それで防具を作りたいでござる。」
「何名様分でしょうか、余りはずべ手買い取らせていただきます。欲しい部分をおっしゃってください。」
 そこにはメイドたちが20名ほど並んでいた。そしてシルキーたちはバンデルスカーデを囲んでいる。
「解体するのですの?」
「それに近い内容です。後の部分は査定の上で、金を払わせてもらいます。特に今回はかなり状態がいいので、歴代最高価格で買い取ります。」
「そうでござるか…。なら肉は全部とは言わないが。何割か貰うでござる。後の肉は一割は全員におごるでござる。後は…革を除いて全部売るでござる。」
「…みんな離れる、」
 ゴーレムが解除され地面に置かれたバンガルスカーデをシルキーたちが土壁で取り囲む。そして、少し経ち、解除すると、バンガルスカーデの姿はなかった。
「な!」
「…現在解体中です。お待ちください。」
「そう言えばここはダンジョンだわ。ね?」
「はい。ちゃんと攻勢に皆様に分配いたします。」
 そう言う間もなく、シルキーたちは買取所に去っていく。
「ひとつきいていいー?」
「はい、何でしょうパオメイ様。」
「…あれ本体は解体にどれくらいかかるの?」
「・・・・職人の数にもよりますが…大体3か月です。肉は腐るでしょうし、あの方法以外ではもっと解体に時間がかかります。」
 確かに18mの怪獣みたいな体の蛇相手に解体となれば普通はそれくらいかかる、
「ですので、解体専用ルームに送り、手作業で仕分けしております。肉はすぐにでも。」
「解体費用は?と神は言っております。」「
「それは売買価格に詳細を付けたうえで、記述させていただきます。ですので、皆様は先にお帰り下さい。肉の仕分けも明日にならないと全ては無理です。皆様。」
「すまないでござる、今は…休ませてほしいでござる。」
「お、おう!」
「…じゃあ来る、診療所に。」
 ゴーレムに勇者パーティ全員を載せると…ゆっくりと移動を開始した。
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