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第20章 それは柴崎エナリシア

第894話 エナリシアの旅 お持ち帰り

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「という事は、ここは狩りし放題か…。」
「そう言う事。但しウサギの血抜きとか…いろいろしないといけないの。後大型も出ればッて…そう言えば…パークボアも?」
「…この辺で出る。但し森の奥。探しに行くに辛いけど高い。だから狩人はそれ狙いで森に潜る。お金になるから。」
「それはいいですわ。確かに…実家にパークボアを送れば喜ばれますわ。」
「…そうなの?」
 レイロードの意見にパオメイが首をかしげる、
「私の領地で時々、秋にごちそうとして並びますわ。ここで帰るのも異常ですけど。」
「ここは逞しくも肉が多いです。」
「でもなんでここの存在が明かされなかったの?」
 それぞれ言いながら歩くことにした、狩りをする必要が無ければ、しゃべりながら歩けば自動でウサギとかは去ってくれる。なので、わざと話題を見つけては喋っていた。
 ただ、その喋りを聞きながらも大下とエナリシアは周囲を警戒している。
「それは私が言うわ。」
「田中さん、分かるの?」
「…まずイーハ商会がダンジョンを持っているって知らないでしょ?まずイーハ商会からの信頼が欲しいのよ。それにここはギルド未開地よ。」
「でもそれだとおかしいですわ。リラシルトの”黄泉の大穴”は承知していらしたのでしょう?」
「確かに、欺瞞はよくありません。神は言っていました。」
「もしかして…この存在を知らせていない?」
「そう言う事です。ここは地元の人でにぎわっていますし、勇者とかの需要もないんです。」
「そう言う事ね。ここでは当然ダンジョンを潰すのは悪だろ?」
 全員で歩く様は自由気ままだった。
「当然ですわ。王都第二位の商会の原資を潰したとあらば問題が噴出いたしますわ。当然それは…。」
「神が許さないと思います。」
「ただ、このダンジョンの事を知らないギルドの人は多いと思うわ。但し、アイテムボックスとダークボックス持ち以外…そう言えばそうだ。エナリシアちゃん。」
「…ちゃんは嫌いだけど…何?」
「地元の人は獲物をどうしているの?」
「…持って帰る。」
「いや、どうやって持って帰るのですの?」
「…手で。」
「いや!そうじゃなくて!」
「…よくわからない。獲物捕まえる、狩りをしている人たちは獲物もって帰る、普通。」
「よくわかりませんが?」
「あ…そう言う事ですね、神の天啓が下りました。」
「どういう事なの?」
「一匹狩ったら帰るんだよ。だからボックスはいらない。」
「あ、そう言う事ね。」
 エナリシアは訂正しようと思ったが、面倒になると思ったし、第一こんな少数で狩りはしない方が普通だから。狩ってもウサギをその日の夕食にすることしか考えて
ないから。誤解の意味は理解できなかった。
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