上 下
801 / 1,264
第19章 VS飛鳥

第793話 時代の潮流に乗り遅れないためには本人を殺して奪えばいい。

しおりを挟む
 次の朝、名残惜しそうにタミさんと鳥海さんが去り、私一人となった。ただ、ミラージェ側から聞いた感じ向こうではどうも豚骨スープへの企業スパイも横行しているらしく、その警備、一応乗合馬車は空いていれば、その場でも運賃を払うなら、載せるとの事だが…盗賊の襲撃をもう計10回は受けているそうだ。当然護衛は馬車の中で椅子に座らないと魔力補充にならないので、御者に矢が打たれる打たれる…。只装備からして貴族の疑いがあり、襲撃が濃厚どころか・・・処罰者が日に日に増える。というのもゴーレム+シルキーだと、まず矢が効かない。魔法はある程度持っているうえに例えシルキーの領域守護で能力値が低かろうが憑依したゴーレム側の能力は下がらない、だから5人から10人程度なら、土魔法の土の矢などで対処可能で、抑え込むことが可能だ…。その為、そこで倒した盗賊を捕縛して回収に応援を呼ばれるのだが、それがもう、ギルドや王宮の留置場のキャパを超えるまでになったらしい…どうも貴族に頼まれた魔法使い捕縛隊とか…そう言う…冒険者や剣闘士崩れが襲い掛かって来るらしい。ただ、腕利きとなると、クラムブラッドでないと対処できないのだが。向こうは向こうで頭を抱えている、というの、多すぎるのでダンジョンに突っ込んでいるらしいのだが…そうすると、見てわかるくらいスラムから人がいなくなったのだ。
まあ、御者がメイド服着たか弱い女なので、女一人、護衛がいても三人である。しかも、どうもさらにゴーレム車は危ないと喧伝しているらしく…なんとなく相手の策略…こっちを失墜させてレンタルゴーレム車で乗り合いバスをして、客を奪うという…無茶苦茶な戦法をやってきたらしい。
 こうなるとレンタルも危うい。運営一週間以内に、日本とは違う意味で商売の危機が起きるとは思わなかった。そっちの解決法はないというより…これに関しては法整備待ちだ。当然ギルドも被害者となるので…まあここで弱いイーハ商会は仕方ないみたいだが、…水木さんからの連絡によると、これでギルド側がパニックに。というのも我が千鳥万花は4大ダンジョンマスター勢力にのし上がった大手ダンマス(自称)だ。条約の締結も行い、しかも今回の件ではギルド側に優遇して目の前で不正を”許容した”と言われてもいいレベルの譲歩を勝ち取った。が。ギルドごと敵に回す馬鹿貴族や馬鹿商人が多すぎて…処断しきれ
ないというのが今回の判断となった。がこれに納得するほど千鳥万花は甘くない(実体験)というのがギルドの見解らしい。ここで鳥海をキレさせれば、最悪昔の亜人VSその他の同盟という状態になりかねない、なぜかこれを亜人が嫌っている、だからこそ…今回の件は…自分たちで幕引きできるようなら幕引きしたい。
 だがこの国、地味に代官制なのだ。貴族がいくら馬鹿でも、切ればそれだけ”税収”が遅れる、どうも、この事が”法律”に書かれているらしく代官を交代して挨拶に行っていない都市は又は、交代した都市は”免税”となる。という法律だ。これは腕力第一主義のこの国ならではなのだが…村々の戦力も地味に大きく徴税菅を腕力で追い払い…来なかったことにする”納税阻止”という慣習があるのだそうだ。腕力又は軍隊で制圧するくらいの兵力を持ち込み納税させる、村長は抵抗しきれなかったと、そこで村人に謝罪して…面目を保つという事らしい。がそのためには一回調査して、戦力を連れてこないといけない。低い戦力で行って徴税の為に回る村の初手で負けると、かえって立て直す間に…納税分を食われる恐れもある、実際こういうことをやられたこともある総税金は”その時村にある分の決められた農作物の6割”であるからだ。全部換金してしまえば問題ない。ただ、納税が一定以下の村は金でも納税させられるが…これは人数による人頭税となっている、
 そんな事もあり、この国の徴税菅は戦力を整えて村に乗り込む必要がある、ただしこれに”冒険者”などの村以外の者の徴税阻止の参加は違法となるらしい。なので、徴税が成功している貴族の首を切るというのは国にとって今後数年の税収を失うに等しい。それもあって、貴族の首切りに消極的だ。ただギルドも被害に遭っているので、資金提供や闘技場建築の件など。様々な恩義があるザガートンは法整備…しかないのだが…それが難航している。儲かりそうなら全てを奪いたいのだ。その為上客の危険を考えて馬車の往復と停留所はしばらく停止。向こうの法整備次第となった。なので、後は一日毎の旅篭が大丈夫なので、飲食店付きの普通の宿屋として細々と経営することになった。
流石に実力主義の国・・・。まさかこういう手で経営が妨害されるとか…。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

新人神様のまったり天界生活

源 玄輝
ファンタジー
死後、異世界の神に召喚された主人公、長田 壮一郎。 「異世界で勇者をやってほしい」 「お断りします」 「じゃあ代わりに神様やって。これ決定事項」 「・・・え?」 神に頼まれ異世界の勇者として生まれ変わるはずが、どういうわけか異世界の神になることに!? 新人神様ソウとして右も左もわからない神様生活が今始まる! ソウより前に異世界転生した人達のおかげで大きな戦争が無い比較的平和な下界にはなったものの信仰が薄れてしまい、実はピンチな状態。 果たしてソウは新人神様として消滅せずに済むのでしょうか。 一方で異世界の人なので人らしい生活を望み、天使達の住む空間で住民達と交流しながら料理をしたり風呂に入ったり、時にはイチャイチャしたりそんなまったりとした天界生活を満喫します。 まったりゆるい、異世界天界スローライフ神様生活開始です!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

そんなにホイホイ転生させんじゃねえ!転生者達のチートスキルを奪う旅〜好き勝手する転生者に四苦八苦する私〜

Open
ファンタジー
就活浪人生に片足を突っ込みかけている大学生、本田望結のもとに怪しげなスカウトメールが届く。やけになっていた望結は指定された教会に行ってみると・・・ 神様の世界でも異世界転生が流行っていて沢山問題が発生しているから解決するために異世界に行って転生者の体の一部を回収してこい?しかも給料も発生する? 月給30万円、昇給あり。衣食住、必要経費は全負担、残業代は別途支給。etc...etc... 新卒の私にとって魅力的な待遇に即決したけど・・・ とにかくやりたい放題の転生者。 何度も聞いた「俺なんかやっちゃいました?」       「俺は静かに暮らしたいのに・・・」       「まさか・・・手加減でもしているのか・・・?」       「これぐらい出来て普通じゃないのか・・・」 そんな転生者を担ぎ上げる異世界の住民達。 そして転生者に秒で惚れていく異世界の女性達によって形成されるハーレムの数々。 もういい加減にしてくれ!!! 小説家になろうでも掲載しております

異世界なんて救ってやらねぇ

千三屋きつね
ファンタジー
勇者として招喚されたおっさんが、折角強くなれたんだから思うまま自由に生きる第二の人生譚(第一部) 想定とは違う形だが、野望を実現しつつある元勇者イタミ・ヒデオ。 結構強くなったし、油断したつもりも無いのだが、ある日……。 色んな意味で変わって行く、元おっさんの異世界人生(第二部) 期せずして、世界を救った元勇者イタミ・ヒデオ。 平和な生活に戻ったものの、魔導士としての知的好奇心に終わりは無く、新たなる未踏の世界、高圧の海の底へと潜る事に。 果たして、そこには意外な存在が待ち受けていて……。 その後、運命の刻を迎えて本当に変わってしまう元おっさんの、ついに終わる異世界人生(第三部) 【小説家になろうへ投稿したものを、アルファポリスとカクヨムに転載。】 【第五巻第三章より、アルファポリスに投稿したものを、小説家になろうとカクヨムに転載。】

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

幼少期に溜め込んだ魔力で、一生のんびり暮らしたいと思います。~こう見えて、迷宮育ちの村人です~

月並 瑠花
ファンタジー
※ファンタジー大賞に微力ながら参加させていただいております。応援のほど、よろしくお願いします。 「出て行けっ! この家にお前の居場所はない!」――父にそう告げられ、家を追い出された澪は、一人途方に暮れていた。 そんな時、幻聴が頭の中に聞こえてくる。 『秋篠澪。お前は人生をリセットしたいか?』。澪は迷いを一切見せることなく、答えてしまった――「やり直したい」と。 その瞬間、トラックに引かれた澪は異世界へと飛ばされることになった。 スキル『倉庫(アイテムボックス)』を与えられた澪は、一人でのんびり二度目の人生を過ごすことにした。だが転生直後、レイは騎士によって迷宮へ落とされる。 ※2018.10.31 hotランキング一位をいただきました。(11/1と11/2、続けて一位でした。ありがとうございます。) ※2018.11.12 ブクマ3800達成。ありがとうございます。

処理中です...