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第18章 水木さんは地味に大幹部さん
第721話 9割の楽観より一割に悲観に対策を
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こっちが2週間車に揺られている間に鳥海さんは各ダンジョン連合を回っていた。ついで…。
「全く何も思いつかないから、連合して交渉するくらいしか思いつかなかっただわさ。」
「あんたでもそうなんだな。」
「ただし賭けだわさ。これ、相手と実力差がもっと大きかったりすれば全滅もありうるだわさ。でも…9割の確率で交渉は成功すると思っているだわさ。」
「どういう事だ?」
意味が分からない、瞬殺できる実力があって、交渉が成功する理由?
「まあ、最悪は井原、あんたにこの組織をやる手続きだけしておくだわさ。」
「そこまで覚悟があって9割か?」
「施政者の多くは9割の楽観より、一割の悲観の対策をしておくものだわさ。」
確かに、安全対策は念入りというのが建築の安全第一だ。
「でも9割の意味はなんだ?井内割りは傲慢…かもしれんが…。」
「そうだわさ、そこを説明しておくだわさ。」
手招きされ、交渉用ルームに二人で向かった。
「一応ここのほうが説明は早いだわさ。ここでするだわさ。…いいだわさ。とりあえずアチシ達はダンジョン同盟ではあるだわさ。」
私は木椅子に座り鳥海がホワイトボードの前に立つ、
「分かっているのは教授が来たという事は。ここに来るすべが連中にあるはずだわさ。」
「あ…。」
「そして攻めれるはずだわさ。しかも教授はちゃんと本部に帰っているだわさ。という事はこの時点で、相手にこっちを責める気はないだわさ。ただ、これだけだと2割の楽観といった感じだわさ。相手が歯牙にもかけず、何かの拍子で襲ってくることを考えないといけないだわさ。また、いつでも潰せると考えていることを考えないといけないだわさ。」
実際勇者大量疾走が起こる前の草原同盟がそれだ。亜人同盟の初心者ダンマスチームには草原同盟を反目し出て言った連中がいた。そいつらは戦争の援助を願い亜人の門をたたいた。そして一応水木も数回援助で戦場に行って回復を行ったという。ただ、その程度だったが。支援はあった。
「そう言えば水木が言っていたな。支援に行かされた。初心者ダンマスの戦争に巻き込まれた。」
「…それも考えただわさ。でもその時の命令は”旧魔王軍”を動かしていないだわさ。普通、一回は威力誇示の為に動かしてもいいはずだわさ。だけどそれが無かっただわさ。という事は何らかの要因で動かせないとみていいだわさ。」
あ…。
「すなわち動かせない事情があっただわさ。大事だわさ。これがあるからアチシ達は生きている、そうみているだわさ。」
そういう事か。何らかで軍を動かせない何かがあって、相手は方針を変更したと。
「ただ、パンダから聞いた話は…もっとひどかっただわさ。」
「なんだ?」
「ネル…の種族だわさ。徳永が言うには”亜人の始祖”の公算が高いだわさ。始祖モンスターの存在をほのめかしてしていただわさ。」
始祖?あれか、要素の一つだったな。
「どうも、ネルは”亜人始祖”らしいだわさ、そして、彼女の命令を聞いたものはいくら敵対的でも膝を降り、思考もよっぽど強く精神を持たない限り無意識に、忠誠を捧げる事しか考えられなくなるらしいだわさ。ただ柳田は”亜人ではない”からその影響を脱したと言っただわさ。」
始祖はそう言う意味か!始祖を前にして、その派生は全て膝を折る、あえて言うなら”命令権(強)”が存在しているのか。
「だから、交渉に置いてネルは絶対同席させるな。それが徳永が出した交渉の条件だっただわさ。」
交渉になるわけがない。相手が無条件に…あれ?
「そう、ドルカスもドワーフという”亜人”だわさ。この話を聞いた時になぜ旧魔王軍が動かないか分かっただわさ。そりゃあ動くはずないだわさ。半分以上のダンマスの部下には”エルフチャイルド”がいて、またダンマスの種族の半分以上がこの”亜人”に類するだわさ、それは黒川でも一緒だわさ。」
黒川の所属は魔族・・・これは実は亜人系列のダークエルフの上位種族だと分かっている、
「って事は…。」
「そう、徳永は現在、その種族の壁を抜ける方法を視野に入れているだわさ。」
「だが…普通の超え方じゃ無理だ。」
「そう、あちしも”ヨミ”の情報を提供しただわさ。その時の徳永は絶望した顔をしていただわさ。どうもそっちの鑑定はしてなかっただわさ。」
ヨミはこっそりダンジョンで鑑定した時に種族”ゴースト始祖”であることが分かっている、こいつを前にしてゴースト憑依は全て意味をなさない。そして、これが最近タミさんを表に出さない理由だ。今までは運よくドランの家にいたが。今は外に出ている、何らかのゴースト的イベントがあったと思う。これは亜人にはゴースト関連は効果を成さないどころか、カウンターされる恐れがある、
「そして、始祖の能力はダンジョンの従属関連をぶち抜くらしいだわさ。だからいつでも殺せるから放置している。というのが…今の状況らしいのだわさ。」
「最悪だな。」
ダンジョンマスターと出会えさえ吸えばいつでも殺せる切り札”ネル”。そして黒の魔王”ヨミ”
「でもそれだとなおさらアチシ達は攻められていないとおかしいだわさ。アチシ達は唯一そのくびきにいないダンマスだわさ。唯一の目の上のたん瘤程度だわさ。」
「確かに。」
そう言えばそうだ…。
「大方、もう一個…何かがうちらへの侵攻をとどめているだわさ。ただ、相手に敵意はないらしいだわさ。」
「安心していいのか?」
「利益を与えていないのにとどまるというなら、それは不気味だわさ。当然優先順位という考えもあるだわさ。ただ、今回はやぶを突いてこの安定を崩すって事だわさ。」
戦争する気か?こいつ?
「全く何も思いつかないから、連合して交渉するくらいしか思いつかなかっただわさ。」
「あんたでもそうなんだな。」
「ただし賭けだわさ。これ、相手と実力差がもっと大きかったりすれば全滅もありうるだわさ。でも…9割の確率で交渉は成功すると思っているだわさ。」
「どういう事だ?」
意味が分からない、瞬殺できる実力があって、交渉が成功する理由?
「まあ、最悪は井原、あんたにこの組織をやる手続きだけしておくだわさ。」
「そこまで覚悟があって9割か?」
「施政者の多くは9割の楽観より、一割の悲観の対策をしておくものだわさ。」
確かに、安全対策は念入りというのが建築の安全第一だ。
「でも9割の意味はなんだ?井内割りは傲慢…かもしれんが…。」
「そうだわさ、そこを説明しておくだわさ。」
手招きされ、交渉用ルームに二人で向かった。
「一応ここのほうが説明は早いだわさ。ここでするだわさ。…いいだわさ。とりあえずアチシ達はダンジョン同盟ではあるだわさ。」
私は木椅子に座り鳥海がホワイトボードの前に立つ、
「分かっているのは教授が来たという事は。ここに来るすべが連中にあるはずだわさ。」
「あ…。」
「そして攻めれるはずだわさ。しかも教授はちゃんと本部に帰っているだわさ。という事はこの時点で、相手にこっちを責める気はないだわさ。ただ、これだけだと2割の楽観といった感じだわさ。相手が歯牙にもかけず、何かの拍子で襲ってくることを考えないといけないだわさ。また、いつでも潰せると考えていることを考えないといけないだわさ。」
実際勇者大量疾走が起こる前の草原同盟がそれだ。亜人同盟の初心者ダンマスチームには草原同盟を反目し出て言った連中がいた。そいつらは戦争の援助を願い亜人の門をたたいた。そして一応水木も数回援助で戦場に行って回復を行ったという。ただ、その程度だったが。支援はあった。
「そう言えば水木が言っていたな。支援に行かされた。初心者ダンマスの戦争に巻き込まれた。」
「…それも考えただわさ。でもその時の命令は”旧魔王軍”を動かしていないだわさ。普通、一回は威力誇示の為に動かしてもいいはずだわさ。だけどそれが無かっただわさ。という事は何らかの要因で動かせないとみていいだわさ。」
あ…。
「すなわち動かせない事情があっただわさ。大事だわさ。これがあるからアチシ達は生きている、そうみているだわさ。」
そういう事か。何らかで軍を動かせない何かがあって、相手は方針を変更したと。
「ただ、パンダから聞いた話は…もっとひどかっただわさ。」
「なんだ?」
「ネル…の種族だわさ。徳永が言うには”亜人の始祖”の公算が高いだわさ。始祖モンスターの存在をほのめかしてしていただわさ。」
始祖?あれか、要素の一つだったな。
「どうも、ネルは”亜人始祖”らしいだわさ、そして、彼女の命令を聞いたものはいくら敵対的でも膝を降り、思考もよっぽど強く精神を持たない限り無意識に、忠誠を捧げる事しか考えられなくなるらしいだわさ。ただ柳田は”亜人ではない”からその影響を脱したと言っただわさ。」
始祖はそう言う意味か!始祖を前にして、その派生は全て膝を折る、あえて言うなら”命令権(強)”が存在しているのか。
「だから、交渉に置いてネルは絶対同席させるな。それが徳永が出した交渉の条件だっただわさ。」
交渉になるわけがない。相手が無条件に…あれ?
「そう、ドルカスもドワーフという”亜人”だわさ。この話を聞いた時になぜ旧魔王軍が動かないか分かっただわさ。そりゃあ動くはずないだわさ。半分以上のダンマスの部下には”エルフチャイルド”がいて、またダンマスの種族の半分以上がこの”亜人”に類するだわさ、それは黒川でも一緒だわさ。」
黒川の所属は魔族・・・これは実は亜人系列のダークエルフの上位種族だと分かっている、
「って事は…。」
「そう、徳永は現在、その種族の壁を抜ける方法を視野に入れているだわさ。」
「だが…普通の超え方じゃ無理だ。」
「そう、あちしも”ヨミ”の情報を提供しただわさ。その時の徳永は絶望した顔をしていただわさ。どうもそっちの鑑定はしてなかっただわさ。」
ヨミはこっそりダンジョンで鑑定した時に種族”ゴースト始祖”であることが分かっている、こいつを前にしてゴースト憑依は全て意味をなさない。そして、これが最近タミさんを表に出さない理由だ。今までは運よくドランの家にいたが。今は外に出ている、何らかのゴースト的イベントがあったと思う。これは亜人にはゴースト関連は効果を成さないどころか、カウンターされる恐れがある、
「そして、始祖の能力はダンジョンの従属関連をぶち抜くらしいだわさ。だからいつでも殺せるから放置している。というのが…今の状況らしいのだわさ。」
「最悪だな。」
ダンジョンマスターと出会えさえ吸えばいつでも殺せる切り札”ネル”。そして黒の魔王”ヨミ”
「でもそれだとなおさらアチシ達は攻められていないとおかしいだわさ。アチシ達は唯一そのくびきにいないダンマスだわさ。唯一の目の上のたん瘤程度だわさ。」
「確かに。」
そう言えばそうだ…。
「大方、もう一個…何かがうちらへの侵攻をとどめているだわさ。ただ、相手に敵意はないらしいだわさ。」
「安心していいのか?」
「利益を与えていないのにとどまるというなら、それは不気味だわさ。当然優先順位という考えもあるだわさ。ただ、今回はやぶを突いてこの安定を崩すって事だわさ。」
戦争する気か?こいつ?
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