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第18章 水木さんは地味に大幹部さん

第714話 無茶を言うから、発展するブレイクスルーがある。

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「では乗るかの。」
 ドランが車のドア…後ろの両開きのドアを開けると、電車の座席と一緒の壁に設置された座席があり、下には荷箱が置かれている、
「こいつは都市間を結ぶ大人数運搬用ゴーレムだ。荷物用は別で考える。まずは乗ってくれ、」
「…これすげえな。」
 二人が仲に入ると、それぞれ、自由な席に座る。但し私は御者席だ。正確には運転席だ。運転は現地の人でもできるようにレバーとアクセル式操縦桿を設置した。足でペダルを踏んでいるときだけ前進。右左はレバーを倒す。緊急用にスイッチを設置し、そこでは音声式入力が可能になるようにした。
「じゃろ、こいつは天才じゃろ?」
「いや、軍隊とかですげー使えねえか?」
「まずは夜なんだ、出るぞ。」
 ガタ、ガタガタガタガタ…。少し大きめの揺れと共にゴーレム車が進む。二人は
「椅子以外は全部幌になっている、一週間程度の食糧まで計算に入っているが、食料も念の為3人分搭載されている、後魔石充電も自動で行う。」
 ただ、全部銅製にすると非常にコストが高い。というより現地の人が修理できない。ゴーレムの本体と駆動部、車輪はこっちで自作するが、上の”屋根”部分はパークボアの革(撥水材添付)を用いた幌が設置してあり、貴族用の”木製”との差分を出すつもりだ。後、座席を外しての荷台としての活用も可能だ。
「魔石充電?」
「ああ、こいつは次世代型”ゴーレム回路仕様”のゴーレム車だ。椅子に付与による魔法陣を設置。魔力を運転手から自動で吸い上げる、かなり緩いスピードでだ。」
「そんな仕組みまであるのかの。」
「ああ、我が商会に入りたい”人間”が多くてな。その仕事も作るのを兼ねての運用となっている、」
 マルワール帝国のイーハ商会は飛ぶ鳥を落とす”運輸商会”である、飲食とかもあるが、現在は控えめ。これは飲食の技術は地方発展のほうがいいというのもあるがそう言うのが好きな奥原たち”風切り亭”の面々がいなくなったので…その前からもそうだが…基本撤退した。そして、その代わりに注力したのがシルキー宿場による”ゴーレム車配達サービス”だ。シルキーたちが店に持ってきた運搬して欲しい物を載せてゴーレム車運用の専用シルキーたちがゴーレム便を運用し、運送する。これには商業用の大型を含む。現在これには”幻ダンマス仕様の運送倉庫”も数台運用している、これにより物流革命が起き…てはないない。貴族の村や、貴族お抱え商人達は独自のゴーレム車を運用しているので、都市間の緊急事案用が多い。が、その貴族商人たちにある動きが出始めてきた。一つは俗にいう”農家の次男坊”という余り始めた人員だ。それがイーハ商会に入りたいと来るようになった事。わが商会は最低でも土魔法3レベルが無いと入れない、ある意味エリート以外お断りだ。現在そうでないなら、ダンジョン村に行き狩人に混ざる”ダンジョン狩人”になるルートだ。おっと・・・それる。そして、もう一つが困窮した貴族商人達にイーハ商会の傘下に入り資金供与を受けたいという、そう言う連中が増えた。主に土魔法使いがいなくなった商会でだ。土魔法使いと言えど人間で。しかも確保は貴族のほか難しい。その上現在魔法使いは規制気味。そうなると昔の背負子行商となるが…効率荷余りの差ができて、有無の差が絶対的な差になるのだ。そうなると、もう成り立たない商売も多い、そこで出てくるゴーレム作成可能な人材(シルキー)がいるイーハ商会だ。最初の内はシルキーレンタルで賄ったがだが考えて欲しい、この人たちを使うにしても我が商会に利点はない。が、ここは皇帝命で援助して欲しいという事になった。村間の差がひどすぎる場合…貴族内戦に発展するからだ。土魔法がダメなのに使える危険性のないゴーレムを作れ。無茶だが、その草案として作ったのが、この車型ゴーレムだ。こうして、操作を単純ながら作ることで安全装置を付けつつ運用できる。
「大変じゃのぉ。」
「これの利点は魔法使いがいらない点。但し、運用を行い、データを取らないと、欠点の洗い出しができない。それにはこうした人を載せた運用が野しいのよ。」
「で、この妙に奥が広い座席か。」
「一応、そこにくぼみがあるでしょ。そこにこの座席をはめて、自由に組み替え可能にしてあるの。金属が使えるから、ねじを作ってあるからね。」
 取り付け、取り外しには”六角ねじ”を用いている。工具も搭載済みで、必要な箇所にはもう、ほぞ穴をあけてある。組み替え可能にすることでこのスペースをアレンジ可能にしてある、前のキッチンカーとかの発展系でもある、幌にしてあるのはそこを外して、”商店化”させることも考えているからだ。
「流石じゃのぉ。」
 …このアイディア、実は電車の設計で新幹線とかで使われているもので、私が初ではない。こういう細かい配慮が、利便性を上げるのだが…この細かいタイプは自作できるか不明だ。
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