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第18章 水木さんは地味に大幹部さん

第710話 衣食足りて礼節を知るが住は関係ない。

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 鳥海はしばらく考える事となり、会議はしばらく後に行う事になった。その間にドランに今の調子を聞くべく、どうも彼らの出先機関である”開拓村”に来ていた。
「これは、お初ー。」
 なんか舌っ足らずにしゃべるエルフの子。それがドランの腹心の一人。エルミンだ。
「一応、イーハ商会の看板を使いたいって事で面接に来たんだけど。」
 今回の立場は”イーハ商会会長”なので、ミラージェの姿で来ている、ついでにダンジョンにいる”バラン”はちゃんとドランのコアの監視下にある、なので位置と情報は分かっている、
「はー。」
 本当に聞き取りにくい語尾だ。
「一応許可は出すけど、うちのサービスのうちどれが欲しいの?」
「それが―。こっちば看板と商品をDPで買うんですけど、安すぎて困るくらいですー。」
 一応、商品とか物品の多くはダンジョンからこっちで買い上げ、ストックから身内向けには販売している、そうでなくとも、タミさんたち”メイド部隊”が生産の管理を行っている、最悪は魔法で短縮ができるが、できるだけローコストにダンジョンの環境だけで作る話をしている。例えば乾燥をさせる際にはダンジョン内の湿度を下げて乾燥地域で行うころで、自然に乾燥速度を上げたりする。そうすることで、管理DPから加工コストをねん出できる、…結構考えているのだよ、最近は金属加工用にあのクラウドドラゴンのダンジョンからちょっと借りてきた景色用”溶岩”や、金を火魔法で溶かして保存した”溶解金”という熱源を使ったダンジョン用金属加工炉にしてみたりしていた。鉄は前に買ってきたものがあるのだが。あれでは漁が足りないが、あれは政治的配慮で鉱脈化していない。するの鉄の用具をDPリアル召喚し、かためて10tにするだけで簡単なんだが。
「後は向こうのの商会かー、ゴーレム車の融通の話が来てま―。主に材木運搬―。」
 確か報告書にあった材木問屋と呼ばれる一段だが、まだ”屋号”まで至っていないらしい。これは鳥海が言うには”昔の命名法則”って奴らしく村に一軒の”材木問屋”だと、材木問屋と及ばれていて、名前が”○○・材木問屋”となるらしい、なので、材木問屋と呼べばいいと言われている、
「そうだな、でも材木運ぶのはつらくないか?」
「今までは、木の枝を並べて転がして引いたり、7人でかついていたらしいでー。」
 結構原始的だが、それって…。
「かなりヤバい。細い木しか運べない。」
 そう、その方法で運べるのは相当若い木か。相当弱った木だけだ。それだと木がいい建材になるまで育ち切ることはない。その上この辺は薪を煮炊きに使う。これはまあ、ルーティでもマルワール帝国でも一緒だ、これに枯れ木が加わるのがマルワール流である。ただ、結構近い場所に林が多いので、みんなそこに行き枯れ枝や枯葉を拾って燃料にしていた。最近ようやく枝打ちを覚えてまっすぐ伸びるのに悪い枝などを切り落として燃料にしている、まあ、それでも野菜の食べれない場所などを燃やす方が多いが、最近”堆肥”や”腐葉土”の作成をするようになり、これが不足し始めてきたところだ。
「そうなので―。開拓が遅いそうー。」
「それで、私の出番?。」
「そういう事―。私たちの商会の大本という事ー。できればー。」
「それだと根本解決にならないわ。」
「そうなのでー。」
 確かに今の段階は民に力を付けさせるべしというが。その為にも立派な家が…という事もないか、そこで重要なのが食事だ。衣食足りて礼節を覚える、が、そこに住という文字はない(自虐)。
「だからこそ、どうするか悩んでいるのよ。」
 現在産業都市ルーティの周辺でしか材木生産をしていない。その場で全部消費するから地産地消だ。だがこのホワルカナン北部ではどうも開拓のために切り出した木を売るという行為そのものが開拓村の資金源となっている、その為に材木問屋は体のいい”ATM”となっている、これを加工して、すでに開けた開拓村や男爵などに高額で”材木”を売るのであるが、当然山賊の危険もある、その為、毎回侯爵軍を率いて運送していた。だが、これでは貴族との縁は断ち切れない。そこで依頼は”ゴーレム車”の量産により、運送コストを安くしたいのだ、ギルドに人を派遣することも考えたが、この時代の旅行は常にさせる側かられば”成功率”が存在している、最悪は寝ている間に盗賊に襲われ死亡してしまうが、相手の数は旅行中不明なうえに旅行期間が一年から3年だ。帰ってくれば更に倍、気の長い話となる、それ位なら、ゴーレムを量産して見せたドランに依頼するしか…確実な手はない。
「ドランは?」
「はい、各都市の状況に合わー、現在貰った資料の精査中でー。」
 ドランはようやく先日貰った資料を基に物品を回収に向かっている、これをダンジョンに登録することでやっと飲食の改善が見込める、が、その為にはまずこれも大変だが、”異世界人”が乗り込んで確認しないと、すり合わせ出来ないのだ、これも重要な行為だ。
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