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第17章 ドランの領地視察旅

第692話 救国作物は5種類が確認されています。

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 結局素材が足りないという事で学校の設立は見送り、今ある学習所を継続させることにした。ついでにモアレたちと鳥海に頼んで、ドランと同じ形式の”百科事典作成”に国が動くことになった。これに金貨一枚を出し、情報を募るのだ。まあ、これもギルドも同じことをしており、向こうはもう簡易版ながら”植物辞典”を完成させていた。こうなるとこういう地味な事に差を付けられたのが悔しい。これはギルドが来る前に調査しないと不味い。
「ふむ、確かに容易いが…。」
「たのむ。」
「食べれないのもか?」
「まず狩人たちに先遣部隊となって食べれる物、および草木をすべて一種類ずつ取ってきてもらう、そこから先は飯垣メモを見ながら…成分を確認していこう。
「いいのか?」
「お姉ちゃん、バイト、バイト―。」 
 ポアンは陽気でいいな。
「うむ、仕方ない、そうでもしないとダンジョンに薬草を生やすとかできない。」
「軍務大臣の鳥海殿にもだが…国で?」
「ああ、そのつもりだ、昆布はあるが、米と昆布だけでは困る上に実は鳥海も悩んでいるのだよ。」
「どういう事?」
「ああ、ここの国には運がいい事に”救国穀物”が三つある。」
「なにそれ?」
 ポアンたちの疑問もわかる。
「俗にいう国を飢餓から救った伝説のある”重要資源”と呼ばれる食べ物だ。ここでは小麦、ジャガイモ。米がそれに値する。ただ、私たちが小麦と呼ぶそれが別の麦の可能性もあるが麦系はよくわからん。」
 私は実際小麦を聞いたことがあるが、大麦や様々な麦の差が分からない。
「という事はほかにもあるのか?」
「有名なのが、ヤシ、トウモロコシなどだな。後はリンゴとか、アロエ、セージ、パセリ、お茶。シイタケ、オリーブの実など特に効能の高い物もある、塩は当然入る、そして、昆布は微妙ラインだな。」
「そんなにあるのか?」
「いっぱいあるね。」
「ああ、そのいずれも食べ方さえ間違えないなら、最高の食べ物だ。そう言えばこれ。ドランから送ってもらった、飼料用の麦粥だ。」
「麦粥?」
「向こうでは練ってパンにせず。湯に入れて一煮立ちさせた麦粥が小麦の主な食べ方だが…。」
 ついでにこっちのパンはナンに近い形状だった。ダンジョンで買うのは俗にいう中世の硬いパンだ。色々さがある、ついでにこっちのコメは楽園米と違いジャポニカ米と、タイ米の中間みたいな粒の細さがある、ただこれ…どう見ても”オートミール”なのである、
「うーん。」
 早速食べて盛るが、腹は膨れると思う、思う。
「これは…。」
 徐々にモアレたちの声のトーンが落ちていく。うん、これ、味がないぞ。しかも口に広がる草の匂い。脱穀の失敗が多いんだ。
「こんなものを?」
「ああ、ドランも泣いていたらしい、ほら、冒険者カードの”冒険者セット”の購入常連者らしいからな。」
 あれは現代のお弁当と変わらないで木で、どうも知ら飢餓聞き込みを行ったところ、ダンジョン総出で弁当を手作りして、店頭販売しているらしい。…あのスーパーでだ。
「でもこれ…。」
「そうだ、これを放置して、置いておくと、酵母が発生する、そして、それに分解させれば酒ができるが、どうも向こうには”酒”がないみたいなんだ。」
 これも驚いた。どうも向こうは小麦はホワルカナン中央と呼ばれる場所に売るのがメインでほとんど小麦は輸送に使ってしまい、余った小麦をコソボ外食べていた。しかも薪が販売で火種がないらしく、その為、火を大量に使う”パン”まで行かない。
「なんか、かわいそうだね。お姉ちゃん」
「そうだな、向こうはもっとひどいみたいだからな。」
「私たちは気を引き締め。頑張ろうな。」
 なんか、一番の向こうとの差が、このモアレたちのような、人のために働いている人がいる…って事だと思えてきたな。
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