魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第１７章 ドランの領地視察旅

第６７１話 地味に最新技術で来ちゃったのじゃ。

「というわけじゃ、」
「ゴーレム車がそんな事になっていた何ー。」
　ちょうどメールの返答が来て、あの鳥野郎が動くという事で…。深夜の火の番を行っていた。この世の中の平和…しかも腐敗進むこの、ホワルカナン北部では盗賊が横行していた。特にゴーレム車は有名でかつ、見た事のないものだ。出発してから一週間、バルアリの目を盗んでメールを送り、報告書を作っていた。
「でも、ゴーレム車ってお高い―。」
「それが各国はいろんな方法を考えたのじゃ。亜人は勇者、貴族に売りさばいて土魔法の使い手を増やしたんじゃ、本場ではシルキーを量産してそいつに土魔法を覚えさせ、障害が運営しておる、こっちは…今は王妃の徳永の独占じゃろ。」
「ふむ―。そんな大事なんですー。」
「どうも、この世界ではまだ”荷車”がないのじゃ。その為、大量輸送がなく、商隊は所為篭で、数十人多いんいで運ぶんじゃ。」
「フーム…。」
「…その話、詳しく。」
　三人目の声にした方向を見ると、バルアリが上半身を起こしていた。
「いつの間に気が付いていたのじゃ？」
「いや、最初からですよ。この都市含め北部では盗賊が多い、特に２０人から３０人ぐらいがね。そうなると当然…二人でゴーレム車なんてたとえゴーレムを戦闘させても…寝たところを殺せばいい。だから、普通に考えて…ゴーレム車なんて…。」
「ふむ…疑っておったのか。」
「後、エルミンがトップなら、反応がワンテンポ全部遅れていたところ、そして、あんたに遠慮していたこと…そのすべてが怪しかったんだ。」
「何で…今更？」
　ドランからすればそこまで警戒する気もなかった。
「私達も情報を聞いてはいる、が…その情報をあんたの知識が上回っている、さっきのゴーレム車の話が本当なら。」
「ふむ…。」
　どうも…。
「ちゃんと聞かせて欲しいのじゃ。なんで、誘い出したのかを。」
「…ゴーレム車のさっきの話がないなら部族だ、あんたらは。と思っていたが、魔法使いのお嬢ちゃんはどの部族かわからんからな、それに部族と取引ができたら当然南部とも…対抗できると思ったが…あんたら、何者だ？それに王妃らしい…。」
「…お主は儂らをどうするつもりじゃ？」
「どうもしない…むしろ部族と渡りがつくならって感じだ。」
「やはりあんた…何者な―？」
　エルミンが警戒しているな…。
「…材木問屋の支店長だぞ。まあ…材木問屋自体がこの辺では大産業なのを知らんかったみたいだがな。」
「ふむ、お主。」
　私はダークボックスから、ギルド金貨一枚を投げわたす、
「…。」
「その辺の話を聞かせてたたもれ。」
　しばらくバルアリは金貨を見つめた後、そのコインを萎えて帰す、
「あんたら舐めるなよ、こう見えて支店長はうちら問屋にとって最大幹部なんだ。この程度ではな…。」
　ドランは帰された金貨を見ると、２枚になっていた。
「そっちの話からだ、そのゴーレム車についてだ。」
「ふむ、面白い人間じゃ、演技しなくていいかと思うと楽なのじゃ。」
　わざと、その金貨を懐にしまう、こういう…素直な感じが…。