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第17章 ドランの領地視察旅

第663話 隣町に向かうのじゃ

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 村ではエルミンの別れに、村総出で結局酒宴となり、その次の日に商品を全部おいて、その分の店に溜まった毛皮を持って行った。肉に関しては塩漬け方法を伝授して血抜きの方法も村長以下数人に伝授、肉の塩漬けには”血抜き”の技術と解体技術が必須だったからだ。そして、朝方にはエルミンとドランはひっそりと村を出て行った。報告はないが、いつバランについた幽霊が気が付いてこっちを追い始めるか、不明だったからだ。コアには監視してもらっているが、それでも不安は尽きない。
「でも、マスター、どうしー。」
「うむ、会長から。いろいろ教わって来ての。」
 もともと鳥海は当初は”千鳥万花”であることを隠しつつ、ドラン達と交友を持っていた。巧妙な話術などもあるが、そんな鳥海をダンジョンでは”(ダンマス女子会)会長”と呼んでいた。
「これもですー?」
 前を歩くゴーレムの馬である、が、馬という生き物はこの地域にはいない、
「うむ、これも向こうで色々研究して負っての、その技術の一つ”ゴーレムコア”技術じゃ。これがあればだれでもゴーレムを使えるようになるのじゃ、」
 村長には、別れ際、少し大きめの宝石を手渡していた。それがドランの作った”アースゴーレムコア”である。あれから文章を制裁、土しか集めない魔力のみで動く高知能ゴーレム。当然貴族にばれれば村が襲撃されかねない。
「でも貴族にはいずればれる―。」
「分かっているのじゃ、でもあの村は人通りが少ないのじゃ。村長にはしばらくしたら戻るとは伝えてあるし、今回の件でどこまで網を張っているのか儂が調べたいのじゃ。」
「見つかるの覚悟ですかー。」
「最悪は逃げる。じゃろ。」
「ですー。」
「後、噂の町を見てみたいのじゃ、儂の領地だからの。」
「…いいんですー?」
「正確にはこの馬車、”イーハ商会”の商品が扱えるようになったんじゃが、何処までの商品か調べたいんじゃ。」
 今回の旅でというより千鳥万花での立場は、食客以上にはなりえないことに潜在的恐怖を持っていた。鳥海も井原も実際強い。その上油断もなく、色んなことに開発をしていた。今後だらけていればいずれ自分が厄介者になるだろう、戦闘的経験を買われてはいったはいいが…発言権という意味では一番劣勢だと思っていた。しかも千鳥万花と今は公言出来ない。いや、今後もできないだろう。いつ切られてもおかしくないのだ。ならせめて市場に商会という介入ができるようにしておき、利益だけでも出しておきたい。運がいい事にスタンピードのこけおどしのおかげで21個の町うち三つから4つは大都市みたいな感じ、のかなり多い領土が手元にある、パンダの方も大きいが徳永とは喧嘩しないで利益を上げるなら、もう、手持ちの町の利益を上げる=幸福度を上げる、感情の起伏を高める。という事を行いたい、
「あれが、ポーシャル町でー。」
 俗にいう隣町という奴だが移動は一日前に場所までは同盟ゲート、そこから先はわざと偽装も込めて、ゴーレム車で移動していた。これも鳥海の助言だった。この世界は当然暇つぶしもない。そうなるとおしゃべりか、夜の営みくらいしか暇つぶしもない。当然噂話の一つを酒のつまみに見たこと全部話すのは普通だそうで、これは貴族でも一緒で、その為に”機密管理”が非常につらい事になったと聞いている、当然”何もない空間から出てきた女性”とかという物は見られたら最後。町中にうわさが広がり、それがパンダ同好会の耳に、そしてバランにも伝わりかねない。
「では改めて設定を確認するのじゃ。」
「は、はいー。」
「お主がこの”エルミン商会”の商会長じゃ。儂はその丁稚じゃ。下働きと答えればよい。又必ず恩人の娘で、大切にしておるとか話しておくのじゃぞ。でないと、べたべたくっつくのが、怪しまれるからのぉ。後、東部から旅して、珍しい物を売りに来た…という話も忘れるでないぞ。」
 ドランもいつものゴスロリ衣装ではなく、少しぼろぼろの”皮の服”である、これはこの辺の地域の村長とかも着ていた。
 「は、はいー。でもー。」
「それにちゃんとシュミレートしたのじゃ、」
「緊張するですー。」
 ダンマスにとっていつでもこの門番との攻防は緊張を強いられるものだった。だからこそ、今まで都市を手に入れても、一切手を付けてこなかったのだ。
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