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第16章 途中退社は残された者がつらい

第639話 同じ口調が重なるカオス事象も現実では結構ある。 

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 帰って来ると、ムーア村は私のダンジョン領域化していた。そして、そのまま鳥海に会議を提案、王都に向かい、風切り亭に向かう。そこは確かにシルキーたちの経営だが確認してみると…やはり地下はインスタンスダンジョン化していた。そして風切り亭全体がダンジョン化している感じだった。それを確認すると、実はインスタンスダンジョンにはレベリングという使い方がある、ダンジョン内で自分のスポナーでモンスターを出していると、そのモンスターが殺された時、適当な言い訳を流布していない場合普通に、している場合は微弱にダンジョンモンスターの忠誠度が下がるという報告があった。やはりあった元々はダンジョンモンスターをダンジョンモンスターで殺させると忠誠度が下がり、目に見えて反乱率が上がるのが報告されて以来、柳田が検証していたらしい、そうした所。聞き取り調査で、忠誠度が下がっている事、不満な事が発覚した。但し、ダンジョンの為になるという旨の講義や理論が施行内に存在しているなら軽減される(0にはならない)という事らしい。それと給料等の上昇でかみ合って…そう見えないだけらしい。なのでダンジョンモンスターのレベリングという課題が残った。その為に”ダンジョンバトル屋”という商売が亜人で出来ていたほどだった。原理は簡単。ダンジョンバトルを挑み戦闘する。その勝敗条件を必ず相手の勝利にして、こちらはその分費用を貰う、戦闘をすることによりお互いレベルが上昇。相手は金を払っても経験値が稼げ、レベルが得られ、商売側は負けてやる代わりに敗北リスク0で戦闘が行えるという物だ。が、これに引っかかる人数は少ない。というのも同盟内戦闘可能で戦闘を行えばもっとリスクなしにレベルを稼げるからだ。
「とりあえず報告書書くか…。これ、最悪緊急事態だ。相当ひどい事が起こる、」

「全員集まっただわさ。アチシは一週間後の”桜を見る会”に行くのに忙しいのに…。」
 今回はダンジョンマスター5名を招集、全員が囲炉裏端で白壁に写したプロジェクター越しに…一応資料も配っておいた。
「とりあえず緊急事態だ。まずこの画面を見て欲しい。」
 私が見せたのはあの時消えたダンジョンマスター30数名のダンジョンの位置だ。」
「私は今回のムーア村ダンジョンはシロウのダンジョンが”マスター不在につきインスタンス化した”と思っている、」
「は?」
「一応風切り亭地下にもインスタンスダンジョンを確認。現在警戒状態でタミさんの部下を配置してある、最悪は一斉攻撃で潰す予定だ。が今回の案件で世界はある意味変わった。と見ている。」
 死霊を全員がめくり読み始める、ただ、顔はどんどん青ざめていく。
「一番の激動はこれから調べに行く草原諸国。そこは4名のダンマスと、下部組織”正々堂々”の拠点だ。計8つのインスタンスが急に発生した形となる、また、
ザガートン国も最低でも二つのインスタンスダンジョンだ。ザガートン南部も相当今度はモンスターで滅びる国も生まれるとみている、」
 今回の問題は二つある、一つは急にインスタンスダンジョン、しかも大型が大量発生した可能性がある。その為、ミヨちゃん達には追加の偵察任務が加わった。インスタンスダンジョンはじつは領域とダンジョンそれぞれダンジョンコアによる”目視”しないと判別できない。それが厄介なのだ。いつの間にか近い位置に新規のダンジョンマスターができているって話はダンマスあるあるに入るレベルの内容なのもこのインスタンスダンジョンの隠蔽能力にあるが、性質上インスタンスタンジョンは先に自分のダンジョンの整備から始め、領域に投資することは稀だ。よっぽどDPが余らない限り。
「二つ目は…認識阻害でそこと戦闘をしていたことになったことによる”レベルアップ”によるダンジョンの能力アップによる侵攻だ。」
 今回はダンマスにも”認識変更”が行われた。これにより友好的な味方のダンジョンが、”抗争状態”だったとみなされ、戦闘したというつじつま合わせに経験付きで戦闘能力をアップさせている恐れだ。特に事情を知らないならパンダ・・・亜人も上層部は例のマッチポンプの関係で認識しているはずだ。が下っ端は違う、そして他の
スキュラなども違う筈だ。そうなると…。後願い事による補強もあるので、全体的に敵はパワーアップしたとみて間違いない。
「厄介だわさ、黒川も方針変更がある…だわさ?」
「その可能性は薄い、と見ている。向こうは恩義を大事にする、食糧支援や難民受け入れなどは当然国で残るはずだ。だから、向こうが友好的な隣国を潰す…事はないだろう、そうでなくとも…。」
「常に裏切られる可能性は考慮に入れているだわさ。」
「こう聞かされると、儂も帰りたいのぉ。」
「儂もじゃな。」
 紛らわしいが、ノジャロリのドランと、本当のおじいちゃんの俊三さんが並ぶとどっちがどっちかわからん。が…。
「だから、頼みたいのは領地の確認だ。近隣のダンジョンがインスタンス化してモンスターをばらまく可能性がある、また相手の状況、こっちへの人間の認識も確認して欲しい。場合によっては補填を行う必要がある、」
「私は?」
「水木は特に学園内の状況と亜人の動きへの偵察を密に。後…亜人には当然他の間者もいるはずだ。妙な動きのダンマスは注意してくれ。」
「はい!」
「アチシに流行り事があるだわさ。だから、向こうを頼んだだわさ。」
「”正々堂々”か?」
「そういう事だわさ。」
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