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第16章 途中退社は残された者がつらい

第626話 緊急事態は一瞬で、その補填は数年も。

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 当然集まったのはドラン、鳥海、水木、そして私の4名だ。会議所は寂しいものだ。
「良く集まっただわさ。緊急事態だわさ。」
「なにが?」
「まずは、うちらのダンマスの多くは…消えただわさ。」
「それは確認しています、現在亜人同盟は再編成中だそうで、学校も緊急休業しました。」
 水木も勇者たちと一緒に討伐に参加した組だ。ついでにアラン王子と一緒に貴族の立場を用いて勇者を金で雇い、それで従者になったそうだ。
「ほう、それは凄いのぉ。」
「私も調査したところ問題は二つ・・・。説明させてもらおう。」

 まず、今受け継がれし遺志となっているファクターは使用不可能となっている事。これは継承者を選ばない限りこのままであるが、当然ファクター持ちのダンマスはこの対象にならない。そして勇者がほぼ全滅した事。5名の内教授を除く勇者は4名であり、うち2人は”48人の勇者”の内亜人同盟とつながった2名であること。大下は不明だが、これも48人のうち一人であり、下村含め、亜人が抱え込む公算が高い。
「という事はダンマスもかなり数が減り…領地戦争の可能性が、ある可能性が出てきたのぉ。」
「フリー4名の内できれば中央山地の俊三さんは確保したい。彼はどうも魔王討伐に参加してない可能性が高い。あと2名はザガートン大陸の南部で緩やかに拡大していると思われる、が不明だ。後一名は旧商業連合のダンマスだろう、但しこれはもう…魔人がどうにかするだろう、一人で一国持ちのダンマスを相手に勝てる公算無し。」
「ですね。ダンマスが減ったという事は、我々の価値も増した…んですかね?」
 水木はこう見えて亜人と責を同じくしている、形上は亜人所属だ。そしてドランは裏では千鳥万花の支援を受けるが。表はフリーのダンマスだ。事実上私と鳥海しかの千鳥万花(表)に名を連ねていない。これがまずい。これは他組織からしても数が少なく、位置も仮とは言え公開中。戦力はどうにかなるとはいえ、二人と侮れは当然攻めて来るだろう。本当はフェルミィもミラージェもダンマスなので、数はどうにかなる。
「儂は賛成じゃ。確かに…。もうフリーランスが少ないなら…狙うべきじゃろ。」
「そう思います。ただ魔人は…。」
「しばらく動かないはずだわさ。こっちを狙うにしては戦力が少ないだわさ。」
 そうダンマスの数の減少で大体38名前後となった。ただし、これはランキングで把握できる数だ。それ以外の”レベル3以下”のダンマスはランキングに乗らないので、そこは不明だ。後”秘密同盟”などで隠された”隷属されたダンマス”などは不明だ。がこれは相当数減ったとみていい。そして、国土はそれに対して広すぎる。ただ、魔人の敵対のもう一方”商業連合国を持つダンマス”が一人になったことで動きが不明瞭なのと、ザガートン南部がこれでほぼダンマスのいないエリアとなった。という事だ。北部の草原同盟エリアはほぼ動けないからな。ただ…。
「問題はあるな、旧正々堂々のエリアが我ら千鳥万花の私の所有エリアとなっている。」
「は?」
「幻の影響で隠れてはいるが、それでも…潜在的な敵対であることは認めないといけない。そして…。」
「嫌な事だわさ。」
 そう、神様に聞いたところ。これ以上勇者はしばらく増えない。という事はダンマスも増えない。勇者5名に対してダンジョン38個以上。勇者よりダンマスが怖い昔に逆戻りだ。ただ教授は怖い。あれは旧魔王軍を知っているうえにあの大軍だろうが瞬殺という相手だ。 
「ただ…。」
「そうだわさ、受け継がれし遺志を持っていない。ダンジョンマスターからしたら。これは普通だわさ。そして魔王討伐イベントも誰もいなかったと言われるかもしれないだわさ。」
 そう、ダンマスSNS側の記事は全て魔王討伐イベントに関しては消去されていた。勇者側は残っていた。かなり巧妙な隠し方かもしれん。
「魔人連合とは不可侵などがあるからいいだわさ。でも…。いくつかスキルとか変動もあるだわさ。確認取って欲しいだわさ。」
「勧誘は?」
「…頼んだだわさ、井原。今動けるダンマスはあんた一人だわさ。」
 確かに水木はまだ学校。そして、ドランはこの地域に身を隠している、そして鳥海はこの国の大臣であり、私しか確かに空いてない。
「ある程度スキにして構わないのだな?」
「任せただわさ。アチシも情報で動くだわさ。ただ、現状確認と国境線確認のため…。後亜人とはこっちで交渉しておくだわさ。」
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