上 下
614 / 1,276
第15章 オペレーション:ハッピードライブ

第608話 仕掛けられて全く手を打たないはずがない(ナオ視点)

しおりを挟む
「でも、方針転換でいいの?」
「僕としては、一挙両得。まあ、公表ではあるが、これで制御可能だよ。」
 ナオは今回の件を聞き…対策をハーリスと検討した。勇者をダンマス全員にばらまく作戦。普通ならこっちの監視体制をすり抜け…こっちへの切り札に勇者を持ち込む作戦だが…。数日考えたうえで結論が出た。

 それが”願いをかなえる”をある程度公表し、巻き込んだ勇者ごと”非戦闘勇者”を魔王討伐に狩りだしあえて”くっつける”。そうすることによりダンマスごと願いをかなえるで…一定数排除する狙いだ。支援はしている。そのうえ担当者にはあえて”願いをかなえて元の世界に帰った勇者”の話をして…。”元の世界に帰れる”ことを宣伝する。こうすることで、勇者を消し去り…一気に連中の思惑を外させる。という物だ。

「でもさ…これ…不味くない?」
 それが、千鳥万花に相乗りしてスキュラカンパニーが仕掛けた”勇者誘拐作戦”という物だ。
「大丈夫だよ。お姉ちゃん。最悪はこっちで何とかする。」
 勇者は魔王討伐をしてもらい、それにここに来たダンマスを巻き込んでもらわないと。攫われる自体は構わないが、それにより魔王討伐を遮られるのがまずい、
「それは大丈夫です、ケイ。今回はあえて…彼らに任せる事で、千鳥万花の戦闘力を計ります。」
「どういう事?」
「千鳥万花のステータスは確かに、四天王球、すなわちお姉ちゃんたちや、ネルにも匹敵する。が、それだけでは宝の持ち腐れ、」
「あ、そういう事ね。」
 魔王軍委はあるステータス論理がある、それが”どんな大きな武器も扱いきれなければただの石”である。ステータスが高かろうが、戦略や戦術で上回れば、ステータス差は覆せる。ステータスに甘えないように教育されていた。そのうえでステータスが四天王球と呼ばれる彼らにおいて当然その実践データがクラウドドラゴン戦しかない。ダンジョンバトルはほとんどしない上に施設での排除の実なので、幹部級及び対象の戦闘方法なとのデータが欠如していた。その為、総合的戦闘ランクを決定するに至らなかった。
「でもさ、一応要請は来ているでしょ?」
「まあね、監視しないように…だってあるけど…。」
「いろんな手を考えておく必要があると思う、今は味方だけどね…。」
 ダンジョンは経営みたいなところもある。それはドルカスを見ても…南さんを見ても思った。ここで中位なのが、そう言う意味でやり手の千鳥万花と敵対組織”草原同盟”だが、そっちはこっちの制作の不満のはけ口として生かしておけばいい。だがやり手の交渉を行う彼女たちはこういう時に脅威だと思う、訳も分からず丸め込まれる恐れがある。実際結構地味に嫌がらせだ。
「最悪はエレノアで潰す。だけどそれは相手が仕掛けて来てからでいいよ、お客様の内は放置する。」
 そう、魔王討伐で消えてくれるなら、そっちでダンマスを処理したほうがいい。イヤイヤ切り札を切る必要はないのだ。
「それなら勇者に宣伝もっとする?」
「これ以上はまずい。だって完全にいなくなればこっちのDPがやばいよ。」
 できれば勇者が半分程度消えてくれればいい。ダンマスもだ。それ以上はこっちの収益が下がり…DP収益が落ちてしまう。やり過ぎはよくないのだ。
「うーん。」
 お姉ちゃんは浮かない顔だが。どういう結果になろう頭も気にしないでおこう。もうやっちゃったんだから。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。 お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない… そんな中、夢の中の本を読むと、、、

魔法のせいだからって許せるわけがない

ユウユウ
ファンタジー
 私は魅了魔法にかけられ、婚約者を裏切って、婚約破棄を宣言してしまった。同じように魔法にかけられても婚約者を強く愛していた者は魔法に抵抗したらしい。  すべてが明るみになり、魅了がとけた私は婚約者に謝罪してやり直そうと懇願したが、彼女はけして私を許さなかった。

(完)聖女様は頑張らない

青空一夏
ファンタジー
私は大聖女様だった。歴史上最強の聖女だった私はそのあまりに強すぎる力から、悪魔? 魔女?と疑われ追放された。 それも命を救ってやったカール王太子の命令により追放されたのだ。あの恩知らずめ! 侯爵令嬢の色香に負けやがって。本物の聖女より偽物美女の侯爵令嬢を選びやがった。 私は逃亡中に足をすべらせ死んだ? と思ったら聖女認定の最初の日に巻き戻っていた!! もう全力でこの国の為になんか働くもんか! 異世界ゆるふわ設定ご都合主義ファンタジー。よくあるパターンの聖女もの。ラブコメ要素ありです。楽しく笑えるお話です。(多分😅)

側妃ですか!? ありがとうございます!!

Ryo-k
ファンタジー
『側妃制度』 それは陛下のためにある制度では決してなかった。 ではだれのためにあるのか…… 「――ありがとうございます!!」

絶対に間違えないから

mahiro
恋愛
あれは事故だった。 けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。 だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。 何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。 どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。 私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

義妹がピンク色の髪をしています

ゆーぞー
ファンタジー
彼女を見て思い出した。私には前世の記憶がある。そしてピンク色の髪の少女が妹としてやって来た。ヤバい、うちは男爵。でも貧乏だから王族も通うような学校には行けないよね。

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

婚約破棄は誰が為の

瀬織董李
ファンタジー
学園の卒業パーティーで起こった婚約破棄。 宣言した王太子は気付いていなかった。 この婚約破棄を誰よりも望んでいたのが、目の前の令嬢であることを…… 10話程度の予定。1話約千文字です 10/9日HOTランキング5位 10/10HOTランキング1位になりました! ありがとうございます!!

処理中です...