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第15章 オペレーション:ハッピードライブ
第587話 やろうと思えば帰れるが、帰ればクライマックスが見れない
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案の定というか、帰ってきたダンマスたちはほくほく顔である、そして、そのしばらく後に騒乱になる、当然、帰る手段がないからだ。地味に一時間だけチケットの時間は残っていた。だがここで帰れば、このイベントを逃す、簡単な伝達と留守番を残して、全ダンマスがここに残ることになった。
「一往変える方法はある、ただし、契約に応じた物のみだ。」
帰る方法は、一応書面で全員に渡した。本来ランキング戦の商品でしか来ない魔界一日チケットはそんな多く集められない。帰る方法は二つ。
1,勇者を取り込み、勇者のギルドカード購入権で2枚(1200万DP)で買い自分のダンジョンと、
こっちで二つの階段を出現させる、
2、千鳥万花と契約をし領域を貸し出して、千鳥万花が同盟ゲートと同盟員を使いダンジョンをつなげる、
の二つである、これに言ってはいないが。
3,亜人同盟側と契約して、こっちで領域を貸してもらう
4,自分が死亡して、ダンジョンにDPを払ってもらって、蘇生する。但し、ダンマスは基本超高額。部下は魔石改修しないと蘇生できないので不可能。
但しこれは…亜人と距離を置くダンマスたちが多い30名のダンマスには苦渋の選択に近い内容だ。ただ、千鳥万花との契約は当然彼らに首物にナイフを突きつけられる内容になる、一番いいのは1番の勇者を雇い、資金を稼ぎ独力で帰る事だ。ここからある意味ダンマスたちの勇者大陸サバイバルが始まった。
「で!なんであんなことを!」
「ん?行っただわさ。商会員をパーティに向かわせると、当日雇用かもしれないだわさ、そこは確認してなかっただわさ、失態だっただわさ。」
ゆっくりとあいさつをし、時差を利用し、仕事が終わるまで鳥海は南を待たせたうえで、ダンジョンバトルでも会合からの叱責を受けていた。
「…あのね!」
ハーリスが、連中がダンマスであり、一日チケットを用いた横断法を用いたと分かったのが16時間後。そしてその頃には”勇者応援親衛隊”掲示板と”雑魚魔王ぶっ飛ばす”タグによるSNS汚染を済ませた後であった。そしてアップされた、攫う瞬間の雑魚魔王(仮)の姿と、メッセージ。そしてリンシュメルトレポート。こうなってくると、秘密裏に住ませるはずの予定は公開され…。参加しなかったダンマスからの非難の声が上がるようになっていた。
「条件を飲んだのはそっちだわさ。それに勇者独占でダンマスが不満があったのは分かっている事だわさ。」
「…ぐぬぬ。」
「それに連中はちゃんと、勇者応援をしてくれているようだわさ。便乗持ち逃げができなくてよかっただわさ。」
のらりくらりと話す鳥海に、南はイラついていたが…公開されてしまった以上、そしてミッションがある以上はもう、止められなかった。南は魔王が”ダンマス支援”で動いていることを知っている。となると…。ここでダンマスを殺せばむしろ・・・コアのある拠点陥落させないといけない事になる。そうした場合、被害は甚大、しかも戦後に何も残らない結果となる。
「ここまでやらかした結果は分かっているわよね!」
「一応、シナリオ進行とやらには一切手を出していないだわさ。」
南も生徒会長として様々な交渉などを行ってきたが、鳥海という海千山千の交渉と誤魔化しと悪意蔓延る政界の端にいる政治家の秘書相手には通じる気配も無かった。相手をなじれるギリギリ上を通され…怒鳴るものの、致命的でなさ過ぎて”致命的だが対策しなくていい”という絶妙なラインに話を落とされてしまった。今回の案件は他のダンマスが一緒にいるだけで。むしろ勇者という客寄せパンダにつられてやってきた観光客がいるだけ、と言われればそうなのだ。
「わ、分かったわよ。言っていいわよ。でもね、もう独断では…。」
「その地の事後承諾よりましだわさ。アチシ達はちゃんと許可も取っただわさ。後は頑張って処理するだわさ。アチシは明日の仕事があるから、カエルだわさ。」
手を振り…ダンジョンバトルを終え、帰っていく鳥海の背中に地味に、恐怖を感じてしまったのは…きついと…その時思った。
「一往変える方法はある、ただし、契約に応じた物のみだ。」
帰る方法は、一応書面で全員に渡した。本来ランキング戦の商品でしか来ない魔界一日チケットはそんな多く集められない。帰る方法は二つ。
1,勇者を取り込み、勇者のギルドカード購入権で2枚(1200万DP)で買い自分のダンジョンと、
こっちで二つの階段を出現させる、
2、千鳥万花と契約をし領域を貸し出して、千鳥万花が同盟ゲートと同盟員を使いダンジョンをつなげる、
の二つである、これに言ってはいないが。
3,亜人同盟側と契約して、こっちで領域を貸してもらう
4,自分が死亡して、ダンジョンにDPを払ってもらって、蘇生する。但し、ダンマスは基本超高額。部下は魔石改修しないと蘇生できないので不可能。
但しこれは…亜人と距離を置くダンマスたちが多い30名のダンマスには苦渋の選択に近い内容だ。ただ、千鳥万花との契約は当然彼らに首物にナイフを突きつけられる内容になる、一番いいのは1番の勇者を雇い、資金を稼ぎ独力で帰る事だ。ここからある意味ダンマスたちの勇者大陸サバイバルが始まった。
「で!なんであんなことを!」
「ん?行っただわさ。商会員をパーティに向かわせると、当日雇用かもしれないだわさ、そこは確認してなかっただわさ、失態だっただわさ。」
ゆっくりとあいさつをし、時差を利用し、仕事が終わるまで鳥海は南を待たせたうえで、ダンジョンバトルでも会合からの叱責を受けていた。
「…あのね!」
ハーリスが、連中がダンマスであり、一日チケットを用いた横断法を用いたと分かったのが16時間後。そしてその頃には”勇者応援親衛隊”掲示板と”雑魚魔王ぶっ飛ばす”タグによるSNS汚染を済ませた後であった。そしてアップされた、攫う瞬間の雑魚魔王(仮)の姿と、メッセージ。そしてリンシュメルトレポート。こうなってくると、秘密裏に住ませるはずの予定は公開され…。参加しなかったダンマスからの非難の声が上がるようになっていた。
「条件を飲んだのはそっちだわさ。それに勇者独占でダンマスが不満があったのは分かっている事だわさ。」
「…ぐぬぬ。」
「それに連中はちゃんと、勇者応援をしてくれているようだわさ。便乗持ち逃げができなくてよかっただわさ。」
のらりくらりと話す鳥海に、南はイラついていたが…公開されてしまった以上、そしてミッションがある以上はもう、止められなかった。南は魔王が”ダンマス支援”で動いていることを知っている。となると…。ここでダンマスを殺せばむしろ・・・コアのある拠点陥落させないといけない事になる。そうした場合、被害は甚大、しかも戦後に何も残らない結果となる。
「ここまでやらかした結果は分かっているわよね!」
「一応、シナリオ進行とやらには一切手を出していないだわさ。」
南も生徒会長として様々な交渉などを行ってきたが、鳥海という海千山千の交渉と誤魔化しと悪意蔓延る政界の端にいる政治家の秘書相手には通じる気配も無かった。相手をなじれるギリギリ上を通され…怒鳴るものの、致命的でなさ過ぎて”致命的だが対策しなくていい”という絶妙なラインに話を落とされてしまった。今回の案件は他のダンマスが一緒にいるだけで。むしろ勇者という客寄せパンダにつられてやってきた観光客がいるだけ、と言われればそうなのだ。
「わ、分かったわよ。言っていいわよ。でもね、もう独断では…。」
「その地の事後承諾よりましだわさ。アチシ達はちゃんと許可も取っただわさ。後は頑張って処理するだわさ。アチシは明日の仕事があるから、カエルだわさ。」
手を振り…ダンジョンバトルを終え、帰っていく鳥海の背中に地味に、恐怖を感じてしまったのは…きついと…その時思った。
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