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第14章 下部組織は基本押し付け

第577話 味方は味方であるために監視される(ナオ視点)

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「さて、今回の議案は…。千鳥万花からの支援するという意見についてだ。」
 南が提案を持ち帰った後、魔王軍メンバーは集まって。会議室に来ていた。メンバーはナオ、ハーリス、お姉ちゃん。リューネさん。教授、ネル。ドルカスたちはダンジョンの調整で忙しいので来れていない。
「私はここにきて手伝うとかいうのはともかく…改心したのね。」
「うーん。分からないけど…。この鳥さん、いい人なのかもね。」
「…そう思う、手伝うだけでいいとか、善良。」
 いつものメンバーはやっぱりその意見だったけど僕からすると怪しい。僕の直感がビンビン来る、危ないと。但しどこがどう危ないかわからない。
「クックック…改心はしていないと思うぞ。ただ、確かにパーティ案は納得する、この懸念はもっともだ。」
「お姉ちゃん、お願いできる?」
「いいよ、部下にやらせておくけどさ。でも肌色どうしよう。」
「敵っぽいものでいいから、幻覚で青でも色を付けておけばいいと思うよ。」
「…パーティは南に言っておくし、準備もしている子だろう、楽園が喜ぶな。」
「だね。でも、この案はどうするの?」
 あの鳥頭が示すのは、どれか一個のプロジェクトの委任だが…。
「確かにでも事実上一個しかできないよね、これ。」
 そう、プロジェクト案のうち、最初の武器防具政策はもうドルカスに頼んであり、その仕込みで手いっぱいだ。聖剣の為にエルシュウッドに行くのは当然ネルが担当しており、ボスも選んであるので、それを変えるのは、かなりぎくしゃくする。ダンジョンコアはもっとだ。ダンジョンを彼女たちに設置させるのは非常にまずい。そのままこっちの中枢に入られかねない。
「開いてるのは、サバイバル襲撃のポイントしかない。」
「…確かに楽にはなるけどさ。でも危うくない?」
 そう、鳥海がこの隙に攫う可能性があるのだ。危険性を指摘されたのはつらいが…が、なしにするのは、狼を野に放つのと一緒で地下に潜られる可能性がある。
「無しはもっと危うい、ドルカスの話もあるし、SNSとかあるからうかつに動けない。そうなると、どれか一個はって事。」
「でも森林って…。」
「地味に手間なうえに本来散発的に敵出すだけだったからね、」
 元の計画だとゴブリンをスポナーで放つだけで問題ないが…。
「一応長峰君とか、そのあたりに声をかけて、従者選抜やっておいて。」
「クックック。保険って事かね。」
「後手に回るけど今回はこの手がベターだと思うよ。攫いに来るならそれを妨害する、流石にぼろを出したとは本人も思わないだろうね。」
 自慢げに僕は言うが…少し不安もある、相手に策略を練りにくいようにシンプルにしてみたけどもしかしたら本当にもう敵意がないかもしれない、あの手で手を打ってもらったかもしれない。けど…。それでもここまで仕掛けて来るとは…。
「でもまあ、少年…。考えてもわからない者は分からない、ならば悠然に構えておくべきだ。ただし…」
「分かっています、いつでも動けるようにしておきます。」
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