魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第１４章 下部組織は基本押し付け

第５７０話 魔族と食事と欠陥と、

「でもまあ、井原さんも忙しいというか。」
「ついてきたのね。」
「私は調査がメインでね。執筆も、報告も苦手なのだよ。」
　少し偉がってみたが。堂島姉弟と来たのが…パルマキア公国の北部森林地帯だ、この辺はこの国で唯一使える工業資産としてゴーレム車の作成を行うための土地の選定に来ていた。…材質の吟味は行わない。荷車が作られればいいだけで、ここが高地であることは…地味に荷車の欠点なのだが、そこは理解できなかったらしい。そこで、軽い荷車だけ作って後は誤魔化すことにした。後…折り畳み一人より大八車も作るか。
「…正確には場所と木材だ。場合によっては床材に最適な木材が出る可能性がある。」
「どういう…。」　
　現在は土魔法を覚えてもらった堂島弟に御者をしてもらいつつ私たちはその荷車に載せられて移動している。床材を求めると言っても理解できないだろうから説明すると、木材はその生態によって用途が違う。木の呼吸とか、木独特の何とかという伝説的大工の格言を除けは建築家は常に”建材”となる木材の産地と特製を知らないといけない。飯垣レポートによると大森林南部の巨大な木々は”レバノン杉”の可能性が高いとの報告を受けていた。ただ思ったのはある伝説が存在し、レバノン杉の巨木が太古の昔にあり、その巨木はあらゆる産業で用いられたという、杉と一緒ではあるが、殺虫成分が凄い事が有名だ。が太すぎて硬い。表皮ならかなり柔らかいが、奥は硬すぎて使い物にならない。なので、建材には向かないという結論になった。山に関しては…調査してない。いつか調査したい。というのも、材料を知っていても私は山師ではない。地質学者ではない。なので、どれがどの符丁が全然わからん。
「私は近隣の村の聞き込みを行い…材質の特定を行う、こうして繁栄を築いてきた。覚えておくといい。現場の聞き込みは時として偉大な発見をもたらす。」
「はぁ。」
「あと、この道路は整備する必要があるな。このままだと完成した荷車か木材はだめになる。」
　ちらほらだが見かけるくぼみや医師・・にしては大きいな、これらはのけるのに手間がかかるがこれをすることにより道路が財産になる。ついでに我が帝国では当然道路は整備した。ダンジョン化する際にだ。
「でも、小鳥とか…フクロウとか、本当に千鳥万花は動物愛好家が多いっていうけど。」
「…言っていないか？」
「なに？」
「この二羽はうちの最大戦力の一角だぞ。」
　今回休みに指定した時間という事もあり、ミヨちゃんとオウルは私の傍でボーっとしている、警戒もしているがこうしているのが気持ちいいんだそうだ。変身も一日中できるＭPはあるが、それでも日ごろは小鳥でありフクロウであり、こうした姿でいる事が気持ちいいのだそうだ。
「す、すいません。」
　慌てて、堂島弟が謝る。一緒に姉も頭を下げている。
「気をつけて欲しい。今は寝ているが、一応…そうだな、…ダンジョンの戦力を全部壊滅できる程度の実力はあるぞ。護衛という事もあるが、調査員でもある。」
「は、はい。」
「でも、見えませんね。」
「動物主体が多いからな。まあ、それで無駄な争いを嫌う風潮にある。」
　意外と最近、こうした半分平和手記な場所が、もしかして本体の”ウルフ”の部分に引きずられている可能性がると思っている。ケロべロスの部分もあり、肉と農耕豚骨スープと。最近はアップルパイが好きだ。そして何より…腹が減らない限り、動く気もないし…じっと考え事をしているのが好きだ。
「そう言うものですか？」
「一応、柳田論文もある。それによると、自分の性格とモンスターの種族的特性を受け継ぐ傾向にある。混ぜた感じだな。時間が長いほどその影響を受ける。」
「ふむ…。」
「魔人は好戦的ではなく、食べた物の影響をひたすら受ける。ダンジョンモンスターは寝た時にコアが浄化するそうだが、それ以外は食べた物の影響を体意外にも正確に設けるそうだ。だから…魔人の食事は非常に難しいらしい。」
「どういう意味？」
「人間のままでいたいなら、人間を食わないといけない。」
「「はぁ！？」」
「食人を強要するわけではないが、そうでないなら、食べ物は常に同じ分配で食わないと、その特徴を大きく受ける。」
「何か…。」
「理性的にある為には、均等な食事か、非情な食事が求められる。」
　特に黒川が言うにはその影響は空外れるのは”一定工程以上加工された食事”である必要があり、小麦がこれに値するが、米は太った腹になりやすく、水飴は直接舐めると、ジャガイモと一緒。加工食品は効果なしとなる。だから水飴と小麦の食事の輸入を急いだそうだ。そしてこれにはもう一個あり、例えばモンスターの肉を１００％食事を続けると…そのモンスターになってしまうらしい。種族も変更してしまうらしい。魔人はその特性を生かしたキメラになるには得体部位をひたすら焼いただけで食べるとか、そう言う苦行が欲しいらしい。その上変身が無いと、食事次第では見ただけで商機を失い姿になるとか…。ついでに気性も荒くなりやすく犯罪率も多いらしい。その為、人間の人口増加を考えているらしい。
「だから…。非常に魔人国家は経営が難しいらしい。モンスター国家が多くて魔族が少ない理由が分かった…だそうだ。」
　よくアニメとかで魔人が少なく、他の魔物の国家になった理由が”食べ物で枝分かれした魔族”の可能性が生まれてきたのだ。
「じゃあ、私も？」
「そうだな、モンスター食を取れば、その特性を発現する可能性がある。」
「考えた事無かったわ。」
「魔族は上位種族と呼ばれることだけはある。」