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第14章 下部組織は基本押し付け

第556話 シンプルであることは予測しやすく、観測しやすい

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「三つあるのです。一つは、例のハウス受け取りに来たのです、工賃は?」
「大体、実費が6千万×5ルーム。で3億だ。で、工賃・・・変更可能ルームがかなりおまけで着いて…6億で。」
「じゃあ、これで。」
 さらっと出てきたのは巨大な…魔石だった。6万㎏の魔石だ。おおきさも…あれ?
「高圧縮しておいたです。」
 大隊圧縮の記述が変わるのが1/100だった記憶がある、なので、鋼圧縮は1万分の一だ。それでも6kg。結構大きい。がこれでもマナバッテリーにして6千Mpだ。結構大きい。
「受け取ろう。形状はこれでいいのか?」
「いいのです。」
 形状は数時間前に聞いておいた…チェーン型のブレスレットだ。ミサンガとは編み方が違い、結構緩い。それをテーブルに置くと、いそいそと懐にしまう。胸があれだけ大きいのだから、胸に押し込んでほしかったが、そう言う訳でないのが残念だ。
「次にこれなのです。一応関係者により提言は効くのですが、骨子が固まったのです。」
 出されたのは”魔王討伐作戦・シンプルイズベスト”の文字だ。
「一応内通者の仕込みも終わったので、これが正式版なのです。」
 これは…今度の計画書か。
「ありがたい、後手伝える範囲を手伝わせてほしい。我々もあなた方の成功を祈っている。」
「それは…有り難いのです。」
 鳥海は失敗させる気満々だがな。
「で、最後なのです。魔人連合に通達をお願いしたいのです、この事は流石に”パンダ同好会”に言うわけにいかないので、あなた方でお願いするのです。」
「どういう事だ?」
「社会科見学の件なのです。今回の社会科見学が”ダンジョンバトル”になって、対戦がドルカスが言う”いつもの一番”である。”パンダ同好会と魔人連合”の野のビルドマッチになる予定なのです。」
「なぜにビルド?」
 ビルドマッチは、多くの検証がかけられている割に普及していない…ダンジョンバトルの形式の一個だ。まずだれかがこの改装に使うDPを払って対戦。お互いは決められたDPとフロア数、制限を決めてマッチ。たいていの場合はこの建築DPを総取りする。非常に面倒なバトルなのだ。主にフロア建築の手間がない。なので、大抵は決められたルーム、主に私から買ったダンジョンルームを配置して終わるのだ。人気が無い理由は二つ。一つは初期費用がかなり掛かる。こだわったダンジョンを作った方ノーマルバトルのほうが有利なうえに…。購入ルームの差がバトルの実力と言われると、金が物を言い過ぎる。絵二個目が…地味にお互いメイズを出して終わるので、画面が相手とこっちと大して変わらないが変わらないので思ったよりもショボくなる。なので、映像が非常に不人気で
そしてこうなると、手の内を隠す大手も多く…さらに不人気が加速する。だから…設置はされているものの、下位ダンジョンマスターの嫌がらせ以外でこのバトルを見たことが無い。
「ネルが言うには、ビルドルールをこっち持ちでいいので、…正確には勇者に手の内を明かしてもらうのもちょっと困るです。なので、見学されていい範囲でのバトルをお願いしたいです。」
 確かにスケルトンファクトリーの設計は見たことがあるが、わざとスケルトンの再構成でのゴリゴリの精鋭数押しなのだ。言うなら”強制ボススラッシュ無限大”であり、しかも連携がうまい、なのでまじめにやり合うと馬鹿を見る。非常につらいのだ。そして魔人連合の基本パターンは”暗闇ふいうち”などの初見殺しのダンジョンである。明りで視界を固定しつつの暗闇からの不意打ちなど、非常に不意打ちが多い。ボウガン狙撃も多く、卑怯と言うなかれ。これが攻守にわたり展開される。知っているはずの自分のダンジョンがいつの間にか場末のカラオケバーモドキにされて、唖然としているうちに不意打ちで死んだという防御側の実例もある。攻撃側での奇襲や兵力読みの速さは追随を許さない。が確かにこんなもの魅せられて、心折れるな、普通の少年は。水木の話によると、どうも彼らは普通の少年と同じ思考らしいので、そんなのがこんなダンジョンに入れば…いやそんなガチ目のダンジョンバトルを見れば引退されかねない。そこをカバーするのかここで…。
「分かった伝えておこう。」
「できれば、内容は亜人同盟のダンマスに見せるため…だけでお願いするのです。」
「分かった。変に騒がれても困るからな。」
「よろしく頼むのです。」
「分かった、やっておこう。」
 さあて…忙しくなるな。
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