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第14章 下部組織は基本押し付け

第554話 人間の才能はどこか歪んで限界がありそう。

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「これ、何種類いるだわさ?」
 問い詰められているのは私とこの…造形に難のある不格好な…みているだけで不安になる不対称性を持つゴーレムの事だった。当然と言えば当然だが、市販に際し
鳥海単独のお伺いに来たのだ。ドランは、試作品を作ったので、MP枯渇でくたばっている。

おんぼろゴーレムtips:ゴーレムメイカーによってつくられたドラン作のゴーレム。魔力をコアに吹き込みなおすことで再生成が可能。

 そう、このゴーレムメイカーと言われた、ゴーレム作成を付与されたボールは目に見えない最悪の欠点を持っていた。まず付与文章によりこのゴーレムは魔力を込めた人間に従い動くが、”形状”は作成者のセンスによる。そして何故かドランはそう言う”芸術的センス”は皆無だった。その為、一応無理言って持って来てもらったこの試作品は、私の思惑から外れ…鑑定に迄おんぼろと揶揄されるに至った。
「これだけだ、だが、改良は可能だ。」
「いや、これ、何種類作れるだわさ?どういう販売ができるだわさ?」
 そう、こうなるとゴーレム作成者の細かい箇所まで思いつくINTが必須になる。そう、制作者によってこれは無限大の数出来る事になる。このゴーレム作成は昔”ウォールゴーレム”を作成したように形状は思い浮かべただけ。この時にこの形状のまま動く姿を思い浮かべればその通りに動く。但しこれに重力等の他の要因は後で加算され、無理がある場合は動けなくなる。ウォールゴーレムは柱に専用の掴む場所を設けて、移動させているが、この開発に結構時間がかかった。
「これは…。」
「そう、規格統一が難しいだわさ。現場の人間で作るにしては問題だわさ。」
 そう、これを人間の手で作らせる場合、当然”ゴーレムの形状”の問題が出る。貴族たちの多くは最初のゴーレム車”ゴーレム(人型)”を用いているので、
その外見を思い浮かべるので、何とかなっている。中抜きについては貴族に説明した事はない。が、こうなると、当然ばらけも出る。
「後、莫大なMPが欲しいだわさ。」
 そう一個。3億5千万DPという極悪なDPが欲しいのだ。これには。しかも割られれば終わり。
「後、この仕様だとコアの一部だけでも露出しないと補充できないだわさ。」
「確かに。」
 ついでに起動中に補充できるなら、永続起動可能だ。
「そう言う意味で、ちょっと形状の問題があるだわさ。ここまでの効果だと、国家で買うにしては貧弱すぎるし、利用先は限られるだわさ。」
「失敗か?」
「まあ、今のところ、馬型と人型を井原に作って欲しいだわさ。」
「どういう事だ?」
「魔力溜め込んでおいていざとなったら起動することで、切り札に使えそうだわさ。ただ、登録だけでいいだわさ、使い方は考えておくだわさ。」

 言われた通りにというより、ちょっと悪戯をして作り上げたのが…。

ゴーレムコア(大型):中抜き人型高度ゴーレムの作成機能を持ったゴーレムの核。井原作。周囲の素材量に応じた配分設計があり、範囲内の素材量と蓄積魔力量仁応じたゴーレムを作成できる。魔力を最も込めた相手に絶対服従。蓄積魔力0/5万 最大貢献者 現在無し

 一応作成とか細かい文章を付け、ついでに術式を高度ゴーレムに書き換えた物だ。というのも、ここまで高額だともう初期の安い頭脳の普通ゴーレムにする意味はなく。高度ゴーレムならある程度ファジーな命令も受け付けるので、これにしてみた。ついでにマナバッテリーの魔法で魔石を両手で抱える程度まで巨大化した5万バージョンと片手の大きさにした500MPバージョンにした。大きさは何も言わないと、そのMPで一日で維持できる量迄巨大化。言った場合はその大きさになるように設計。これにより日持ちするゴーレムにもできるようにした。で、設計上背中のボッチみたいな箇所を開けておくようにして、一部を露出。ジョークでゴーレムの逸話のセーフティ
を入れようと思ったが文章量が足りず取りやめ。一応そこが装甲の欠点となる。ただ、背中が欠点であることを意識していると文章には書いておいたので、命令以外では自衛する。ついでにゴーレムコア一個小さいので2億7千万DP,大きいので、9億2795万DPだ。なお、通常との差は50DPだ。今後の改造を待たれる。
「儂ははめげるぞ。これはのぉ。」
「…しかたないだと、じゃあ、あれより良くなったか?形は?」
「むむ、確かにそうじゃの。」
 一応、登録を済ませドランと使い方会議をしていた。これはうまくいけばダンジョンバトルで使えると思った。但し周囲に材料が必要な事。本人はMP込めの作業が必要な点が欠点ではある。造形は専門家に任せるほうがいいだろう。
「後頼んだ。」
 そう言うと、そこにメイディオが憑依する。これが後で思いついた方法だった。ダメージを備蓄MPに回せて、戦闘系の幽霊型モンスターに憑依させることで本体を保護しつつ霊の機能で、ゴーレムコアに直接MPを供給できる。
「ただ、このゴーレム、メイディオとやらを付けるにしては無愛想過ぎないかの?」
 まあ、私も外見がのっぺらぼうのほぼデッサン人形だ。ああ…私もこういうところには合理性以外全部はぎたくなる性分だ。芸術が得意でない意識はある。が、大きさがテストの”5万”なので、全長5mはある。かなり大きいのが売りだ。最大は22m。5mだと、後は実証実験でどれくらい持つかだ。
「まあ、一応霊の非常食料だったり、持ち運びさえできればかなりの利点がある。ただな…。」
「分かっておる、ただな…。」
「助手か?」
「ここで儂がダンジョンに行けないのが悔しいのじゃ。部下に任せる手がある。」
「あ…。」
 現在ドランは自分のダンジョンに帰れない。ダンジョンにはヨミという化け物がいる。そして生成されるDPはともかくこっちからタブレットで生産された物は無効で生成される、こちらにいる限り意味をなさないのだ。領域の共通化はしてあるが…ダンジョンと生成物は共通化してない。収益は共通化してあるが。ここを共通化すると
財布迄共通化しているので。それは無駄遣いの多い…主に鳥海をけん制するため、却下した。分配金としたのはそう言う意味だ、無限に金があると無限ガチャしかねない馬鹿がいるのだ。そしてその余りを初心者にばらまく鳥海は…周りの受けもいい。だからこそ、財布は管理する必要がある。これが地味にあいつの欠点だ。ドランも意外
と気前がいいという事は浪費するのだ、こいつも。
「儂はそうやって生きてきた…今も辛いのじゃよ、」
 郷愁にかられる…か。
「そうだな、私も手伝うが、ここでは基本大丈夫だ、手伝える範囲なら手伝うさ。自分のやれる限りでいい、やっていこう。」
「じゃの。」
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