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第14章 下部組織は基本押し付け

第553話 ゴーレムボールという、既視感

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「おう、井原、待っておったぞ。」
 あれだけ思わせぶりなアナウンスをした直後に…ゴーレム車の関連で、私はドランの元を訪れていた。頼んでいた”ゴーレム関連の開発”の件だ。
「ゴーレム回路を改良してゴーレムボールを開発したのじゃ。」
「なにそれ?」
 つい本音が出てしまった。
「ゴーレム作成を付与することに成功したのじゃよ。」
 近くのテーブルの上に置いたのは大きめの宝石と、それにつながる配線みたいなものだ。
「これが?」
「そうじゃ。しかも誰でも使えるのじゃ。」
「本当か?」
「ふむ、ゴーレム付与側にプログラム付与を入れておいたからの。そこの条件に入れておいたのじゃ。」
「とりあえず図解解説してくれ、理解できん。」

「まずここに、この形に成形したマナバッテリーを作るのじゃ。」
 ドランが図で示したのは休憩に、プラモのニッパの切り忘れ見たいなチョロっと出た髭だ。
「で、この周りをこう覆ってこの覆った素材に付与を入れるのじゃ。」
 そして、その髭を中心として覆うように円が書かれていく。
「この覆った球体側に付与を書ければ完成なのじゃ。」
「これ大丈夫なのか?付与が。」
 実はこの実験勇者側でも何回も実験して失敗している。
「うむ、これは二つ要点が欲しいのじゃ。一つはゴーレム作成で作ったコア自体を付与したいと思ってゴーレム作成を唱える事じゃ。」
 実際詠唱もないが、声を出すと何となく成功しやすいのでスキル名程度は詠唱することがある。
「付与を思って?」
「素体も欲しいのじゃ。お主の大切にしておった”タングステン鋼”を使わせてもらった。ファクターコインもじゃ。あと、魔石も結構じゃな。」
「中々に豪快だな。」
「被覆はこの形状に線を守るイメージを入れて形成したのじゃ。」
「というかそれ、本当にできるのか?」
「…実験してみるのじゃ。」

 実験はたまたまいたミギールさんに頼んだ。この人は鳥海さんのダンジョンの部下で主に人間の将軍職をしている
「…旨く行かん、思い浮かばん。」
「うわ…頭悪すぎなのじゃ。」
 これ、どうもステータスのINTが関係しているっぽい。後でオウルで実験したいが…。ミギールさんに説明してやってもらったところ、途中で頭がパンクした。どうも項目数が多すぎて、思い浮かべきれないらしい。
「吾輩…。これは大臣殿に顔向けできん。」
 地味に吾輩キャラなんだよな、この人。
「これは困ったのじゃ。」
「…責任取れ。」
「どういう事じゃ。」
「お前が責任持って…作るんだよ、中抜きでゴーレムを。」
「え?」
「お前しか作れないんだ、当然だろ?できればプレゼン用に三つ。一つは検証用、一つは献上用。あと一つは登録用だ。」
「ぐぬぬぬ…というより流石に儂でもな、最近はレベリングし直しで、もう少しかかるのじゃ。」
 実は竜の成長スキルの関係で、レベルを一度1に戻して再レベルアップが必要なので、…私と経験値を交換したのだ。ドランのレベル分迄。これは魔素栄養の仕様で自分の体から取り出した魔石化経験値は自分に使用できない。この交換先に多頭の首も指定できない。なのでドランと交換した。レベルは同じになったわけでもなく
1のままだ。どうも”表記上のミス”らしく、内部数値的には”ウルフのレベル1”まで戻された後、そこから再レベルアップをしているらしい。ステータスは上がるがこの表記は”ケロべロスのレベル1”に必要な分まで、変更されない。但しステータスは下がるって事らしい。ついでに急成長込・・・。なのだが、これは後日だ。その関係でステータスは前の1/3程度であり、レベルは元々龍族は上がりにくいらしい。なので…半分程度になっている。非常に成長の天井は高いがレベルアップの期待が薄い。
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