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第14章 下部組織は基本押し付け

第513話 交渉にもできないことがある、

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「お初に…ではないわよね、久しぶり。」
「そう…だわさ。」
 いるだけでプレッシャーが体を覆う。そんな威圧感の塊である、なぜかチャイナドレスのすらっとした体の女性。黒のロングが美しいが…。それが…圧倒的強者感を出させる、
「わたくし、メイドのコクヨウと申します、よろしくお願いします。」
 ただ一応ここは会議室である。ダンジョンバトル専用に最近作ったこの部屋はお互いの公平を成すために”魔王回廊”で作られ、設置されている、そうすることで、こっちはデータを向こうは安全を得られる、
「よろしく。」
「今回は…あなた方に…一つ頼みたいことができたから、その為に来たの。」
 言葉の圧力が高いが…。
「頼み事?報酬は?」
「…そんなもの要求するの?」
 ぐ…圧力。
「言っちゃあ悪いが、そんなヤクザみたいなマネするならうちは誰の指図も、受けないだわさ。」
 鳥海さんが胸を張り、リューネを見据える。
「…一筋縄ではいかない様ね、」
 にやりと笑うリューネと、震えながらも睨みつける鳥海さんでは大方…。
「そんな下策。安っぽい三流ヤクザしか使わないだわさ。」
「…すまないわね。やはり、」
「どういう事だ?」
「よくある手だわさ、そしてこれに対してアチシは訓練してある駄わさ。武力で脅して返事を捻じ曲げるって手法だわさ。よく会議場前で、相手の数を制限するのも、対象の安全にかこつけ脅す馬鹿が多いからだわさ。それにここは攻撃禁止。威圧は対象外だわさ。手を出せないと分かっているなら、恐れる必要はないだわさ。」
 まあ実際は鳥海さんは”再構成”までダンジョンと本体に持っているので、双方死んでもDPがあれば蘇る。但しダンジョンは構築したダンジョンの全DPと同額。本体は本体を構成したDPと同額を払う必要がある。が、いくらでも復活できる余地があるのは支えになるだろうが…。
「まあ、あんたの所の、水木ちゃんがね。こっちに関わっていそうって事でね。できればあなたたちを押さえておきたいの。」
 …水木!あいつ!
「…第一分かっているはずだわさ。あれは交換留学生。当然こっちに心があるだわさ。そんなこと瑕疵にもならないだわさ。」
「ちょっと違うのよ。もう一つあってね。コクヨウ。」
「は。」
 コクヨウが交渉のテーブルに置いたには一枚の写真だった。しかも見下ろし図。
「あんたたちが、今公国にパルマキア公国に部隊を派遣しているのは知っているわ。私とあなた方と交戦すると不味いのよ。主に、戦火の意味で。」
 ちょっと待て、この写真!
「フン、確かに…あんたらはどこまで情報を持っているか知らないけど、パルマキアがどうしただわさ?」
「待て!この写真!」
「…ん?」
 余裕を持って語っているが、この写真、あまりに普通な”学校校舎”の写真で驚いた。
「場所は?」
「なんだわさ?」
「これは学校の写真だ。見下ろし図で校舎が書かれている。確かにダンジョンでも作れるが、このトタン屋根とあの水タンクは無理だ。後塗料もだ。」
「気が付いたのね。それはザガートン西部まあ地図で言うと、例の村から北西二日といった場所に昨日できた物よ。」
「それは!」
「どういう意味だわさ!」
 コクヨウが前に出ようとするのを、リューネが止める。
「そう、これはまことに異例なんだけど、学校ごと召喚されたみたいなのよ。」
「「は?」」
「ただ、あんたたちが出てくると、最悪学校一杯のこの数の勇者をを手放すとなれば亜人同盟は価値を失うわ。」
「どんな奴が攻めてこようとも?」
「…私と南はある作戦を思いついたの。まあ、昨日ハーリスから聞いた話からの推測だけどね。」
 …なんか…ヤバい事になってきたぞ。
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