魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第１４章 下部組織は基本押し付け

第５０９話 関係ない二つは時としてつながる。

　後で、気になって解析を見た感じ、どうも、あの鎧騎士を盾に大量にダンジョンバトルを行っている模様だ。確か勇者とかは、死んだらダメ華図だ。なのに、ここまで…。あのダンジョン踏み抜きとか、できるなら、音がい扱いなのだろうが、映像は…月下の工法最多映像を見ると。…やっぱり戦闘して基本攻撃されても受け止めるという絵図以外はない。が、あまりの硬さに音を上げるという事が多い。ただ、実際はこうならない、というのが検証で分かっている。ダンジョンモンスターに限りは戦闘中だろうが、疲労と空腹感は治療される。なので、相手が動いてこない限りは攻撃可能だ。まあ、精神的に値を上げるだろうが。ただ、向こうも動かない、楽観的視点なら。当然攻撃で抑え込んだと見えるはずで。それが…キツイ、実際はどうも聞いた話、直接切をダンジョンのフロア周辺に貼り付けそれ経由で”幻覚”を展開。幻の攻撃映像で、お互い一応立っているだけだそうだ。あの火力の魔法まで来ると…ルール上相手の点数になる。正確には防いで、防御している限りはだ。その為硬い無敵の軍団というのは地味に、防御成功でDP稼ぐという、戦略らしい。盛り上がらないけど。そう言うのを目指す戦法の研修者もいる。ついでに再生で復活した場合は攻撃は成功扱いで、受けた相手は反撃しないと負けるらしい。扱い違うな、この辺。実際再生は万能ではないし、再構成も万能ではない。どうも再生は体の養分が急激になくなるので、体がしぼんだり、福福で、激痛が走るんだそうだ。そこはダンジョンがある限り栄養は注がれるのだが、維持費がありえないほど消費する。…だからこそ、きついのだ。あの会議から２週間たったある日の事だった。
「すいません、緊急事態です。」
　飛び込んできたのは水木だった。
「なんか、新しい勇者が、召喚されたみたいです！」

『警告。ザガートン西の国、バルマギア公国にて勇者召喚の儀式発生。儀式は通常の失敗ではなく、アイテム消失の上何も起きなかった模様。現在召喚勇者総数が19につき召喚は成功したと見込まれる。またこれに伴い調査員を派遣中。詳細は後日連絡。各員各地域の警戒を密にしてほしい。』
　亜人同盟各所に回ったメールの件について、素早く確認用に、コア経由で連絡を取った…。
「どういう意味だわさ！」
「…これは…。」
「…勇者召喚。」
「こういう感じなのか…。」
「………怖い…。」
　集まったのは今回リンシュメルト別宅の５Ｆである。
「これは非常に重要な情報だわさ。」
　鳥海が静かに、それでいて迫力ある声をあげる。
「どういう意味よ？」
「まず、勇者に”召喚定数”があるだわさ、そして召喚術式なるものがあるみたいだわさ。これらは…アチシは全然知らないだわさ。」
「というよりも、私も含め、ダンマス業界のだれも知らないだろう。」
「そして、もう一つ、勇者には上限があった上に召喚で補充可能って事だわさ。」
「…あの連中が？」
　シロウのいらつきもわかる、が…。
「この分の情報はかなり…いや未知だわさ。金星だわさ。その上での会議だわさ。まず勇者が消失した事。そして、もう一つ、アイテムらしいものが必要だわさ。しかも儀式が欲しいだわさ。」
　そう、結構この辺はファンタジーの定番そのものだが・・・。
「問題はほかだわさ。もう一つはこの国。どこ？」
　…。
「知らんのじゃ。」
「私もです。」
　水木さんも知らない…ではないか。
「可能性があるのは現在ザガートン国の西にある国は”草原諸国”と呼ばれる国の連合体だ。そのどこかだろう、」
「…偵察部隊を現在、各地に飛ばしただわさ、。フェルミィもミヨちゃん含め、ザガートン及びザガートン大陸の各地に飛ばしただわさ。」
「でも…。」
　そう、我々からすれば勇者は地味にそこまで欲しい存在ではない、育てる必要があるからだ。即戦力足りえない。が数か月の特訓でも戦力になる下位では欲しいだろう、
「それに関して、少し…違和感のある報告をする。」
　当然リンシュメルトの会議場なので、ジャンもいる、が、かしこまったジャンも珍しいな。
「不思議に思って、久々に鑑定してみたんだ。そうしたら”安定”というスキルが生えていた。」
　ん？
　
安定　ＬＶ１　　（特異系）　

　自身の部位一つが安定する。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　必要ＤＰ　２７００ＤＰ

「聞いたことないスキルだな。」
「でよ、一応確認取ってもらったら、勇者関連で、仲間になったことがあるやつは…全員スキルの特異系が一個増えていた。」
「じゃあ、私も…あったわ。」
　確かに奥原の鑑定結果には…あるスキルがあった。

パッションＬＶ１　（特異系）

　一日一階、解決法が思いつく。但し、知力程度であり、極度の疲労を伴う。　　　必要ＤＰ　２２０００ＤＰ

「…で、陽華ちゃんもあったわ。沈黙。」

　沈黙ＬＶ１　　　（特異系）

　指定したエリア一帯の音声の波及を止める。範囲１０立方センチメートル。　　　必要ＤＰ　７２０００ＤＰ

　なんか、非常に限定的だが、使えるか微妙なスキルだな。でもこれ…。オウルのステータス・・・あ、遠視が生えている、がこれは種族っぽいな、拡大視野もあるしな。フクロウの特性だからな。となると非常に・・・一応オウルには…メールで連絡を取ろう。
「って事は？」
「精査しないといけないが…勇者は、従者にスキルを…しかもチート能力を与える力があるっぽい、」
「…そう言えば、一部のスキルに関してはギルドが一括管理しているスキルオーブがあるとか、それの購入は無理でしたうえに、しっつこいと疑われるのでやめましたが…。」
　これ、もしかして…勇者のスキルを狙う…社会なのか？いや、それが考えられるのか？分からん。
「でもこれだと、不明だわさ、でも可能性があるだわさ。勇者君の傍にいるだけで、スキルが生える？そんな美味しい餌…いや、だからこそ、亜人が勇者を囲い込みたい可能性があるだわさ。」
　そう、聞いた話ギルド商会とは”勇者管理組織”でもあるわけだ、こういう事は当然把握している、勇者の独占…まずいぞ。スキル数だけでも負けが確定する。そして、新たなギルド未管理の勇者か。当然管理したがる。他人の手に渡れば…いや、一応月下が動いて…ただし月光はいない。となると…。
「まずな情報収集だわさ、最悪は軍を動かすつもりで、備えをしておくだわさ。」
　その掛け声で、俺達の会議は終わった。これは…大事になるぞ。