魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第１４章 下部組織は基本押し付け

第５０７話 地域別で、産物が違って出店不可になった海外支店は数多い

「とりあえず、ギルドに言った報告書だ。が…。」
　ジャンの顔も微妙だ。
「これは本当か？」
「ああ、これが事実だ。」
　ジャンにはこの邸宅の管理、および革防具屋による商売に寄る革消費のアップ意外に勇者や冒険者でこのリンシュメルトにいる者に対して、調査を行っていた。音無の件もあるがまず勇者の経験もなければ、いろいろ不具合もあった。その確認だ。
「まず、ここでは皮の仕入れは不可能だ。」
「…そう書いてあるな。」
　まずジャンが行ったのは、偽装工作のために”パークボア”と”ウルフ”の革の買取だった。だが、そこで問題が起きた。このリンシュメルトにあるダンジョンは魔石以外基本放置される。また、目線を放すと”ドロップ品”という物に化けるので、その為に魔石だけ抜くか、ガチャの要領で死体変換待ちするのが普通で、…肉も回収しない、ついでにパークボアは事故が多いためにリンシュメルトのダンジョンにはおらず、ウルフもいない。一応初心者ダンジョンがるパルミダークでは出るが、初心者以外ボスが出ない仕様であり、パークボアも取れる数が少数だ。そうなると、当然皮をはぐという概念はない。そうなると野外なのだが…昨今の”魔石フィーバー”のため、むしろ冒険者の狩りの依頼は無視されがちで、しかも開拓より都会に来てダンジョン魔石で稼ぐ”出稼ぎ”が横行し…その為、冒険者の依頼も”護衛”と”発掘品買い取り”がメインとなっている、どうも確立だが、モンスターを倒したドロップに”宝箱”が混ざる可能性があり、そこから”完全ランダム”に応じたお宝が出る、そこからさまざまな革や宝石が出るらしく、そこ経由なら、依頼が達成される可能性があると、ギルド員に説明された。
「きついな。」
「ああ、こんなんでは恒常的革の供給は無理だ。」
　しかも革は”なめした”状態で出現するという。手間はないが…。それはまあダンジョンに傾倒する理由が分かる。しかも商人が投資して”独自傭兵団”を形成し、ダンジョンのお宝を狙うという商売まで出ている、これらの宝は無論、貴族が名誉のために買い上げ、それは売り買いの投資や”商人ギルド”経由で様々な販売を行われている。その中でこのリンシュメルトにいる勇者は学生が多く、ザガートンとかの”護衛盗賊討伐”に忌避感があり、春ダンジョンの”ゴブリン”も苦手で、秋ダンジョンに籠るという。その為、獣系が多くて、足元の防具に金をかける事が多い、その為、レッグレガースの販売を行ったという。
「…ひどくないか？」
「魔石はどうも魔道具生産の際に”圧縮”が欲しいらしくてその為に魔石１㎏で高純度魔石が２００gらしい。さらに上の高圧縮が０．５ｇぐらいらしい…。そこまで来てようやく魔道具素材になるらしくてな。」
　確かにそれ…より私がやる場合はもっと圧縮比率が悪かった記憶がある。色々あるかもしれん。
「でだ、その光る魔道具とか、魔石だけを使うタイプう以外の奴が半月前に販売決定かな”チャージ式魔石ライター”だっけ？その関係で、魔石は今高騰している、ダンマスもそれに乗じてって言いたいが…。」
「そうでもないのか？」
「魔石のライターの効果が発火だけだろ？そこでダンマスが、乗り気でないらしい、市場は順調に高騰しているからな。」
「…もしかして魔素栄養を育てているダンマスが少ないかもしれん。亜人同盟から”魔石生成禁止令”も聞いたことが無い。」
「売るか？」
「…やめておく、例のオルゴールをこっち向けに改修して，煽る方がいいだろ、」
　ミヨちゃん達の初回ライブで使った”魔石の蓄音機”である。
「あれの？」
「ただ、こっちの歌手で使いたい。が…。」
「そいつは難関だな。」
　そう、その相手こそ、鳥海が愛してやまない衣装職人”ミーア”である。旧魔王軍らしく、依頼も一軒２０億からとなっているらしい…。それ位でないと釣り合わず、作られた物の良さがぶっちぎりだそうだ。まあ、ガチャの”トップ”張る物作る人だ。当然だろうな。が、その相手に歌声の披露・・・と言われると、いくら要求されるかわからん。保留だ。
「歌手とかいるのか？他に？」
「いねぇ。だからこそ、これも保留だ。」
「これ以上の拡張は…。」
「無理だな。これ以上大幅に強化だと、仕入れ先はともかく…後地味に革鎧手入れ用の”油”のほうが売れてるぐらいなんだ。」
「ほう？」
　革鎧は地味に局面を作った作りになっており、内部に”木”を張ることにより衝撃を和らげる作りだ。だが、これだけだと地味に”管理費用”を鉄鎧と違ってとることができない。それが地味に鉄鎧に比べて、地味なんだ。ついでにここでは素材用の革も売っており、鎧の内側に張って、耐衝撃性向上のために使うのも多いらしい。普通の鉄鎧のままだと冷たくて、長時間の仕事に対して使えないかららしい。…その地味に安い革鎧、手入れが全くいらないかと言えばそうではない。光らないなどの不満も多い、特に貴族系と先ほど言った”商社系傭兵団”だ。連中は先行投資をうける為に、立派な外観が欲しいが、革鎧ぐらいしか買えない。という傭兵団は数多い。そこで出てきたのが”オイルコーティング”だオイルを塗っててからせることにより、立派にみせ、ついでに防御力もアップするという、時々だが、刃物を滑らせる効果あるらしく、特にゴブリン相手には有効だ。ついでに商社系傭兵団の多くは”張るダンジョン”を根城としている。なぜなら人間用での最適な相手は”人間”であり、人間型の”ゴブリン”は対人間用のノウハウが流用でき、魔石も一番うまく、数が安定するからだ。なんかすみ分けてるな、この辺。