495 / 1,264
第13章 新入社員と改革のススメ
第492話 魔法を自分が使わないなら使える人間を用意すればいい
しおりを挟む
「こーれはどういう意味デースか?」
リラシルト側の建築を任されたのはモアレ、ポアン、ミヨちゃんとコンちゃん。水木の5名だった。
「…どうとは?」
「…こんなことして…。」
「彼らは私達が雇った…勇者たちでございます。」
「だよな!おっちゃん、よくわからん言い訳はやめてくれ。」
「赤木様。」
女性に囲まれつつも護衛したついでに建築を頼んだのは。勇者にだった。この規約では”千鳥万花のメンバーは魔法を使って建築してはいけない”という規則がある。だがこれはメンバー外なら関係なく、リラシルト国内でも魔法が使えるのは勇者たちの証だと…ギルドでも喧伝中の為、使える事は市民にとっても有名であり…。
「ぐ…。」
「では、こちらに頼むぞ。」
「線、引きますねー。」
ポアンたちが地面に棒で線を引くと、勇者赤木の従者であるチーレムメンバーの一人がが魔法を使い建築を始める。土魔法のゴーレムは勇者の間でも有名な”手に職が作魔法”の一角として知られており、勇者による買い付けが多い魔法でもある。実際ゴーレム車を動かせるというだけで商人間では引く手あまたなので、
「俺はここで。」
「はい、ここからみんなで漆喰を塗るので、光魔法の熱で程よくあっためてください。」
「おう!」
そう言うと、赤木が手をかざす。その手から漏れた光で、漆喰から蒸気が上がり、水分が抜かれていく。急に乾かし過ぎると化学反応が起きないのだが。今回は…周りの建築様式に合わせ、劣化した”貼り付けた漆喰”を用いて壁を白く、美しく仕上げていく。
「で、でも。」
「何だ?お前…悪人か?」
「ぐ!」
スキュラの経理担当のリチャードがうなる。ここで勇者に手をあげると亜人との敵対が決定的になる。そして何よりこの様子を市民が見ている。こんなところで襲撃すれば変身はできないわ。本体になれば…当然今まで築いたリラシルトのコネが消滅する。
「ね?こちらもお願いできませんか?」
「お、おう!」
「赤木様。」
「皆様頑張ってください―!」
モアレ、ポアンは工事と手作業で手伝い、ミヨちゃんとコンちゃんは幼い子供のふりをして、リチャードの手勢が襲わないように警備体制を作っていた。
「ぐぐぐぐ…撤退デース。」
去っていくリチャードを見ながら…。赤木は胡乱な物を見る目で去っていく男を見つめた。
「何だありゃ?」
「大方…なんか嫌がらせをするつもりでは?」
「…やっぱり異世界の連中はくそだな。」
あれは依頼者だぞっと水木も顔をしかめるが、これが実際に現在多い勇者でもある。実際いやらしい目付きで水木を見てもいた。がそこまでだったために、あまり強く言い出せなかった。
「ささ、ああいう手合いの事を思い出すだけで…作業に悪影響が出るかもしれません。」
「流石シスター。」
彼女は一応聖女教のシスターの地位もあるので。依頼を出すのは容易かった。井原の作戦がこれだった。勇者に魔法部分を任せ…。建築を一気に加速する。土作成はできないので。土を運ぶ必要があり、その為にゴーレム車を走らせたが…捕まった勇者は彼だけだった。結構な頻度で勇者に警備を依頼しつつ…勇者を取り込もうというリラシルトの商人が多く、その依頼だけで結構な量があった。その為都合のいい魔法使いや勇者のチームは、彼らしかなかった。その中でこういう手軽な依頼は少なかった。護衛して本部に寄せて依頼するのが”ダンジョン産のお宝”
立ったりするため…。そう言う依頼を毛嫌いしたのだ。ダンジョンの宝箱は不確実性が高い上に勇者的には価値のある物が現在出てきていない。なので…。答えるのが難しいの現状だった。その中で建築系とはいえ、可愛い女性チームの依頼と…ギルドからの信頼あるシスターの依頼となれば勇者たちの警戒も緩んだ。
「もう少しでお昼なので、ゴールデンブルの”生ハムサンドイッチ”お出ししますね。」
「さすが!」
そう…こういう勇者たちにとって贅沢な食事というものは、強力な武器になっていた。依頼は魔法を使ったこともあり…リラシルトの建築は12日で完成した。
リラシルト側の建築を任されたのはモアレ、ポアン、ミヨちゃんとコンちゃん。水木の5名だった。
「…どうとは?」
「…こんなことして…。」
「彼らは私達が雇った…勇者たちでございます。」
「だよな!おっちゃん、よくわからん言い訳はやめてくれ。」
「赤木様。」
女性に囲まれつつも護衛したついでに建築を頼んだのは。勇者にだった。この規約では”千鳥万花のメンバーは魔法を使って建築してはいけない”という規則がある。だがこれはメンバー外なら関係なく、リラシルト国内でも魔法が使えるのは勇者たちの証だと…ギルドでも喧伝中の為、使える事は市民にとっても有名であり…。
「ぐ…。」
「では、こちらに頼むぞ。」
「線、引きますねー。」
ポアンたちが地面に棒で線を引くと、勇者赤木の従者であるチーレムメンバーの一人がが魔法を使い建築を始める。土魔法のゴーレムは勇者の間でも有名な”手に職が作魔法”の一角として知られており、勇者による買い付けが多い魔法でもある。実際ゴーレム車を動かせるというだけで商人間では引く手あまたなので、
「俺はここで。」
「はい、ここからみんなで漆喰を塗るので、光魔法の熱で程よくあっためてください。」
「おう!」
そう言うと、赤木が手をかざす。その手から漏れた光で、漆喰から蒸気が上がり、水分が抜かれていく。急に乾かし過ぎると化学反応が起きないのだが。今回は…周りの建築様式に合わせ、劣化した”貼り付けた漆喰”を用いて壁を白く、美しく仕上げていく。
「で、でも。」
「何だ?お前…悪人か?」
「ぐ!」
スキュラの経理担当のリチャードがうなる。ここで勇者に手をあげると亜人との敵対が決定的になる。そして何よりこの様子を市民が見ている。こんなところで襲撃すれば変身はできないわ。本体になれば…当然今まで築いたリラシルトのコネが消滅する。
「ね?こちらもお願いできませんか?」
「お、おう!」
「赤木様。」
「皆様頑張ってください―!」
モアレ、ポアンは工事と手作業で手伝い、ミヨちゃんとコンちゃんは幼い子供のふりをして、リチャードの手勢が襲わないように警備体制を作っていた。
「ぐぐぐぐ…撤退デース。」
去っていくリチャードを見ながら…。赤木は胡乱な物を見る目で去っていく男を見つめた。
「何だありゃ?」
「大方…なんか嫌がらせをするつもりでは?」
「…やっぱり異世界の連中はくそだな。」
あれは依頼者だぞっと水木も顔をしかめるが、これが実際に現在多い勇者でもある。実際いやらしい目付きで水木を見てもいた。がそこまでだったために、あまり強く言い出せなかった。
「ささ、ああいう手合いの事を思い出すだけで…作業に悪影響が出るかもしれません。」
「流石シスター。」
彼女は一応聖女教のシスターの地位もあるので。依頼を出すのは容易かった。井原の作戦がこれだった。勇者に魔法部分を任せ…。建築を一気に加速する。土作成はできないので。土を運ぶ必要があり、その為にゴーレム車を走らせたが…捕まった勇者は彼だけだった。結構な頻度で勇者に警備を依頼しつつ…勇者を取り込もうというリラシルトの商人が多く、その依頼だけで結構な量があった。その為都合のいい魔法使いや勇者のチームは、彼らしかなかった。その中でこういう手軽な依頼は少なかった。護衛して本部に寄せて依頼するのが”ダンジョン産のお宝”
立ったりするため…。そう言う依頼を毛嫌いしたのだ。ダンジョンの宝箱は不確実性が高い上に勇者的には価値のある物が現在出てきていない。なので…。答えるのが難しいの現状だった。その中で建築系とはいえ、可愛い女性チームの依頼と…ギルドからの信頼あるシスターの依頼となれば勇者たちの警戒も緩んだ。
「もう少しでお昼なので、ゴールデンブルの”生ハムサンドイッチ”お出ししますね。」
「さすが!」
そう…こういう勇者たちにとって贅沢な食事というものは、強力な武器になっていた。依頼は魔法を使ったこともあり…リラシルトの建築は12日で完成した。
0
お気に入りに追加
44
あなたにおすすめの小説
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
【完結】ヒトリぼっちの陰キャなEランク冒険者
コル
ファンタジー
人間、亜人、獣人、魔物といった様々な種族が生きる大陸『リトーレス』。
中央付近には、この大地を統べる国王デイヴィッド・ルノシラ六世が住む大きくて立派な城がたたずんでいる『ルノシラ王国』があり、王国は城を中心に城下町が広がっている。
その城下町の一角には冒険者ギルドの建物が建っていた。
ある者は名をあげようと、ある者は人助けの為、ある者は宝を求め……様々な想いを胸に冒険者達が日々ギルドを行き交っている。
そんなギルドの建物の一番奥、日が全くあたらず明かりは吊るされた蝋燭の火のみでかなり薄暗く人が寄りつかない席に、笑みを浮かべながらナイフを磨いている1人の女冒険者の姿があった。
彼女の名前はヒトリ、ひとりぼっちで陰キャでEランク冒険者。
ヒトリは目立たず、静かに、ひっそりとした暮らしを望んでいるが、その意思とは裏腹に時折ギルドの受付嬢ツバメが上位ランクの依頼の話を持ってくる。意志の弱いヒトリは毎回押し切られ依頼を承諾する羽目になる……。
ひとりぼっちで陰キャでEランク冒険者の彼女の秘密とは――。
※この作品は「小説家になろう」さん、「カクヨム」さん、「ノベルアップ+」さん、「ノベリズム」さん、「ネオページ」さんとのマルチ投稿です。
異世界なんて救ってやらねぇ
千三屋きつね
ファンタジー
勇者として招喚されたおっさんが、折角強くなれたんだから思うまま自由に生きる第二の人生譚(第一部)
想定とは違う形だが、野望を実現しつつある元勇者イタミ・ヒデオ。
結構強くなったし、油断したつもりも無いのだが、ある日……。
色んな意味で変わって行く、元おっさんの異世界人生(第二部)
期せずして、世界を救った元勇者イタミ・ヒデオ。
平和な生活に戻ったものの、魔導士としての知的好奇心に終わりは無く、新たなる未踏の世界、高圧の海の底へと潜る事に。
果たして、そこには意外な存在が待ち受けていて……。
その後、運命の刻を迎えて本当に変わってしまう元おっさんの、ついに終わる異世界人生(第三部)
【小説家になろうへ投稿したものを、アルファポリスとカクヨムに転載。】
【第五巻第三章より、アルファポリスに投稿したものを、小説家になろうとカクヨムに転載。】
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
幼少期に溜め込んだ魔力で、一生のんびり暮らしたいと思います。~こう見えて、迷宮育ちの村人です~
月並 瑠花
ファンタジー
※ファンタジー大賞に微力ながら参加させていただいております。応援のほど、よろしくお願いします。
「出て行けっ! この家にお前の居場所はない!」――父にそう告げられ、家を追い出された澪は、一人途方に暮れていた。
そんな時、幻聴が頭の中に聞こえてくる。
『秋篠澪。お前は人生をリセットしたいか?』。澪は迷いを一切見せることなく、答えてしまった――「やり直したい」と。
その瞬間、トラックに引かれた澪は異世界へと飛ばされることになった。
スキル『倉庫(アイテムボックス)』を与えられた澪は、一人でのんびり二度目の人生を過ごすことにした。だが転生直後、レイは騎士によって迷宮へ落とされる。
※2018.10.31 hotランキング一位をいただきました。(11/1と11/2、続けて一位でした。ありがとうございます。)
※2018.11.12 ブクマ3800達成。ありがとうございます。
私はただ、憧れのテントでゴロゴロしたいだけ。
もりのたぬき
ファンタジー
ある日、樹は残業続きでヘロヘロになりながら人通りの少ない真夜中の大通りを歩いていると、足元が突然光だし訳も分からないうちに真っ白な空間にへたりこんでいた。
「ここは何処…」
「ここは世界と世界の狭間じゃよ」
樹のつぶやきに答えた声の方を振り向くと、そこには真っ白な髭をたくわえた老人と、やけにお色気ムンムンの女性が居た。
なんだか知らないけど、異世界に召喚されてしまったらしい主人公、山野 樹(やまの いつき)
とりあえず安全な所に引きこもって、憧れのテントでゴロゴロしたい。ただそれだけの為に、異世界で生活を始める。
どんな物語になるか、作者もわかりません。
※小説家になろうにも投稿しています。
向こうの方がストーリーが先行していますので早く読みたい方はそちらをどうぞ。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる