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第13章 新入社員と改革のススメ
第489話 通行許可はごり押しが簡単
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巨大な建築物を載せた馬車はスキュラ率いる公爵派の領地に入っていく。パルミジャの領主命令は伝わっていたようで、巨大な建物のパーツを持った馬車は夜通し走り続けた。盗賊も来ると思ってウルフェも構えていたが…さすがに建物を運ぶ運搬車の30台以上の群れに…襲うのをあきらめた。どこに売っていいのか、どこに使うのか全く理解できない荷物だったからだ。
「結構速いな…」
「このためにゴーレム強化を施した特製品だ。人々の記憶に”運搬した車列がある”と思わせればいい。」
柳田もゴーレム車の御者として乗り込む横のウルフェが、正面だけを見て答える。かなりのスピードで爆走するが…
「これを売っていただけないか?」
「報酬から差し引くがいいか?」
このゴーレム車は当然売り物だ。向こうでは量産もしている。
「…考えさせてくれ。」
板ばねなどの技術はないが…。それでもかなり衝撃は抑えられ…革による衝撃吸収材も入っている。何よりこれだけのゴーレム車の爆走ができれば危機的な陣地への輸送も楽になる。それだけの耐久力が、このゴーレム車にはあった。が、これがDPを払って得るほどかというと悩む。実際はバイラードの革など独自素材も用いられているが。それは理解するに難しかった。それに報酬として提示されたギルド金貨が枯れにとってはギルドマスターの”徳永”的に必須というのもある。彼がこの話を切り出した際に言われたのが。ギルドと同盟を締結した際にリンシュメルトに遊びに行くお金や楽園からの食糧購入等の軍需物資の購入に金がまずほしいのだ。ギルドからの金が入るが、それで万全かというと違う。今回の締結で通貨発行権を維持するためにギルド支援金は相当量減額されている。そうでないと…大森林開拓費用が捻出できないためだ。こうなるとギルドと商売をするための外貨獲得は貴重だったりするそれをふいにしてもゴーレム車を買うというのは…悩ましい判断だった。
「到着までは?」
「そうだな…。数日で着く…。と言っても相当早いから、明日には着くな…。」
「なら…。」
柳田は用意した布を頭にかぶり顔の全体を隠し、泥を顔に塗っていく、こうして…顔ばれを防ぎ、御者に見せかけるためだ。
一気に駆け抜けた30以上の車列になるゴーレム車が、パルミジャの大通りに一気に街中に入ると、流石に、衛兵たちに囲まれる。
「これは?」
「パルミジャ侯からの依頼でここに防衛用の貴人出迎えの建築を依頼された。この旗印の話を知っているだろうが?」
「確かに知っているがここまでとは?」
「…侯の依頼で早く完成しないと我々が殺される。衛兵も侯の命令を邪魔したとあっては処罰されるかもしれんぞ。」
「ただ少し…待っていただきたい。」
「待とう。但し…。」
「分かっている、」
衛兵長が値踏みするように車列の荷物を見るが、どう見ても…変わったキャラバンが来たようにしか見えないかった。
「でも…。」
柳田も含め、全員が息を殺し待機していた。こっそり柳田は目で確認できる情報を得るべく…周囲を見渡していた。
「しばし待て。」
「結構速いな…」
「このためにゴーレム強化を施した特製品だ。人々の記憶に”運搬した車列がある”と思わせればいい。」
柳田もゴーレム車の御者として乗り込む横のウルフェが、正面だけを見て答える。かなりのスピードで爆走するが…
「これを売っていただけないか?」
「報酬から差し引くがいいか?」
このゴーレム車は当然売り物だ。向こうでは量産もしている。
「…考えさせてくれ。」
板ばねなどの技術はないが…。それでもかなり衝撃は抑えられ…革による衝撃吸収材も入っている。何よりこれだけのゴーレム車の爆走ができれば危機的な陣地への輸送も楽になる。それだけの耐久力が、このゴーレム車にはあった。が、これがDPを払って得るほどかというと悩む。実際はバイラードの革など独自素材も用いられているが。それは理解するに難しかった。それに報酬として提示されたギルド金貨が枯れにとってはギルドマスターの”徳永”的に必須というのもある。彼がこの話を切り出した際に言われたのが。ギルドと同盟を締結した際にリンシュメルトに遊びに行くお金や楽園からの食糧購入等の軍需物資の購入に金がまずほしいのだ。ギルドからの金が入るが、それで万全かというと違う。今回の締結で通貨発行権を維持するためにギルド支援金は相当量減額されている。そうでないと…大森林開拓費用が捻出できないためだ。こうなるとギルドと商売をするための外貨獲得は貴重だったりするそれをふいにしてもゴーレム車を買うというのは…悩ましい判断だった。
「到着までは?」
「そうだな…。数日で着く…。と言っても相当早いから、明日には着くな…。」
「なら…。」
柳田は用意した布を頭にかぶり顔の全体を隠し、泥を顔に塗っていく、こうして…顔ばれを防ぎ、御者に見せかけるためだ。
一気に駆け抜けた30以上の車列になるゴーレム車が、パルミジャの大通りに一気に街中に入ると、流石に、衛兵たちに囲まれる。
「これは?」
「パルミジャ侯からの依頼でここに防衛用の貴人出迎えの建築を依頼された。この旗印の話を知っているだろうが?」
「確かに知っているがここまでとは?」
「…侯の依頼で早く完成しないと我々が殺される。衛兵も侯の命令を邪魔したとあっては処罰されるかもしれんぞ。」
「ただ少し…待っていただきたい。」
「待とう。但し…。」
「分かっている、」
衛兵長が値踏みするように車列の荷物を見るが、どう見ても…変わったキャラバンが来たようにしか見えないかった。
「でも…。」
柳田も含め、全員が息を殺し待機していた。こっそり柳田は目で確認できる情報を得るべく…周囲を見渡していた。
「しばし待て。」
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