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第13章 新入社員と改革のススメ

第487話 建築は納期幅で報酬が変更する

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 まず今回のプロジェクトには二つ欲しいものがある。そのうち一つが”資材搬入”だ。魔法を使わない場合、建材を現地に運ぶ必要がある。まずリラシルト側は水木に頼みギルドに依頼。そこから資材を持って運搬してもらう、というのも…実はリラシルト―ザガートン間は危険地帯がある。それが”シライ”と呼ばれるダンジョンマスターの領域だ。この区間および盗賊が多いエリアを突破させるのに…護衛が欲しい。そのついでにギルド側からのパンダ同好会を調べてもらった。そうしたところ、どうもパンダはギルドと提携を結び、スキュラ、ドランとに対等なるつもりのようだった。いや、一歩有利にすると言った所か。ただそこで問題なのが…”ギルド通貨”だ。ギルドは国家に取り入り、通貨発行権を得る代わりに格好の規模に応じた金貨を与え、全世界で使える価値の高い貨幣を渡すのだ。物を売るならその交渉も行い。買取も行う。がここで問題なのがこうした単一交渉だけだと国歌が貧弱に見える。しかもここに来ての貨幣交換となると、相当量にお得にしないと…交換しに来てもらえなくなる。どうも大森林攻略にギルド支部を置き、狩りをさせるなどの案があるらしい。そうなると、欲しいのが”即金”だ。
「今回の必要経費は全部こちらで払う、言い値でだ。しかもちゃんと…。」
 どさっと置いたのは”ギルド金貨”だ。我が国は先んじてギルド通貨に切り替え、これらの交換をしておいた。どうもマルワール帝国でも貨幣の良さが理解できなかったので説得に時間がかかったらしいが。それでもこちらは正式なギル炉金貨を用いている。この金で工事費を支払うって事だ。今回は建物一軒かもしれないが…。
「金は払うぞ。」
 交渉での現金を見せての根切などもあるが、実は地味にそうは言ってられない環境にある。それが月下の庭園の敗北である。スキュラ含め全体が亜人一強ではないのかという疑念の元に様子見をしてきた各組織が、あわただしく動き始めている。ただ、実際私はまだ…亜人とやり合える素地があるとみている、それが領土収益だ。それで上回った額をモンスターに注げばかつ公算があるとみているが…周りはそうではない。その焦りが、スキュラとパンダを動かしているのだろう。
「…好条件すぎて怪しむが?」
「私もが工期が無いなら、もっと絞るぞ。後期がほぼ特化んだからな。無理をさせているんだ。すまない。」
 問題は2週間以内の工期って事だ。これが柳田を頼った理由だ。今回カナン国側で物を運搬させての資材搬入させるには…根本的に無理が多かった。なので、現地のダンマスに頼むほかなかった。それが…スキュラのライバルであるパンダ同好会だって事だ。実は調査してもパンダ同好会以外のダンマスが、フォレスタ北部には…スキュラ以外いなかった。なので無理。スキュラに頼む手もあったが…それは向こう側に拒否された。…相手の手腕が見たいそうだ…。これは嫌われかねないな…。スキュラも意外と武闘派なので。いろいろ調査しておいた方がいい。
「…向こうもいい評判を聞かないからな私も交渉をあきらめたぐらいだ。よっぽどいい餌が無いときついぞ。」
「与えたいか?」
「…与えたくないな、手を組みたいとも思えない…よっぽどのことが無い限りな。」
「ではどうする?」
「受ける、でこれでいいのか?」
「建材の金具とか、後、本当だろうな、北部に”石灰石”があるのは。」
「そう聞いている、それの買い付けか。」
「ああ、いい建築物にはほしいからな。その分も買い付ける。後これだ。」
 金貨と共に手渡したのは”イーハ商会のフラッグ”だ。
「…いいのか?」
「ああ、構わない。」
 今回の案件に対し、イーハ商会のゴーレム車が来て工事を行う事になっている、その資材運び込みも当然”イーハ商会”である。その場所に入り込むためにこのフラッグを掲げればいい事になっている、柳田からすれば、このフラッグを使ったスパイの送り込みが可能になる。それも込みだ。分かった上でやる。今回の件はあまりに突貫で甘くしないと審議の時間を取れば時間が必ず足りなくなるのだ。
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