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第13章 新入社員と改革のススメ

第484話 建築家に依頼する…普通に見える依頼

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「どういう意味だわさ?」
「聞いた話だと、かなり大きめの都市を作ったりダンジョンや建物とかに造詣があるらしいだがや。そこで…いくつか建物を…”観光ホテル”の建築を頼みたいだがや。」
「それなら、アチシに聞かなくても受けるだわさ。」
「それが…。」
「なんだわさ?」
「3か所だ。」
「は?」
 流石に3か所のホテル建築?意味が分からんが…。解説を聞くとどうもスキュラはかなり変わった場所を領域にしている、元々海岸沿いの海を見ながらスローペースに行きたかった海川はこの外見にした理由も”誰からもひがまれず、そして親しみやすい”という事を売りにしたかったらしい。ただ、そのスローライフにおいて一番邪魔なのが貴族だった。どうもパンダのいるホワル国という国はかなりの巨大単一国家だ。その西部を領域にしていたがパンダが台頭してくると、早々に争いたくないと開拓をあきらめた。そこで出会ったのが、この”相良”というダンジョンマスターだ。この船というダンジョンマスターの特性は”移動可能な領域”という物で、領域に多額の金額がかかる代わりに相手の領域を上書きする力がある。そして何より海上しか移動できなかった。そして知ったのが…複数の大陸の事だった。どうもここまで半年か一年らしく。相当早かったらしい。そ
 こで考えたのが”海上貿易利益”だった。その為にフォレスタ大陸のカナン国、そして対岸のザガートン大陸の”リラシルト”の双方の政治に食い込むことだ。ただこのままだとはっきり言って貿易は取り上げられ、船のダンジョンマスターと言えど、船が取り上げられる可能性が高かった。その為…彼らはDPを稼ぎ、リラシルト側の港町を”上書き占拠”し、そのDPで”ポルホイ諸島”という島を作り”独立建国”した。一応は属国という形と、商会として…多額のわいろを贈り…。リラシルト、及びカナン国にくさびを打ったところで問題が発生した…パンダによるカナン国掌握である。当然パンダ同好会との交渉も考えたが…ここで間が悪かったのが…その侯爵とかいうオッサンが欲ボケで、交渉自体をつなごうとしないどころか…内乱を画策した。なので領域を貰う事を条件に援助を約束した。
「あほらしいだわさ。」
「それだと、ホテルとつながらん。」
「…ここで出てきたのが、海上貿易の話だがや。」
 海上貿易をするにあたって相手の国を見たい。それが華南国の公爵の言葉だった。ポルホイ諸島とリラシルトに行ってみたい、できれば歓迎されてだ。そしてこの話は…相手リラシルト側からも出た。最低でも”相手住人が歓迎している”状況でないと問題があるただ、そこで問題なのが…その貴人を止めるホテルだ。それ以外は視察でいいのだが…。
「問題は…そこだとダンマスの能力が使えないだがや。」
「俺達は人間って事になってるからな。」
「そういう事だわさ…。確かにそれは…。」
 そう、どうも中世ナーロッパ風味だが、当然土地は購入したがリラシルト側の要請により…商売で使用可能にした上で、大使館の設立及び…わがままは相当な数に上った。船は何とか相良が手を出すので、ダンジョンでもある船に載せればいい。が、陸上は結構目立つ場所にしか土地を買えなかった。が、ダンジョンマスターである彼らが、建築のノウハウなんて知らない上に…衆人環視の下ではダンマスは力をふるえない。これがある意味欠点でもある。ついでにこれは”スポナーモンスターの目”でも一緒である。
「その束だわさ?」
「そうだ。これを満たして欲しい。」
 双方から突き付けられた建物の基準。それが木板で大量に積まれていた。
「…そのためか…。」
「リラシルトの商人で使う建物を、パルムジャの町とポルホイに一件。そしてリラシルト側でも一軒の3県が欲しいだわさ。これがあれば海上貿易ができるだがや。」
「頼む!」
 思いっきり重要案件というより、どこぞかの漫画とかを思い出す展開だな。
「どうする?」
「後で、条約は締結するだわさ。でも…。まずどうやって井原を向こうに向かわせるだわさ?」
「・・・え?」
 その時の俺たち千鳥万花側の方の落ち方は、肩が滑り落ちそうだった。
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