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第12章 開発再び

第458話 実際の地方議員パーティは来ている人のグレードでビビる、

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 我々はただひたすらにゲストを待つことになった。今回のメインであるミヨちゃんたちも本番30分前までは自由にうろついて飯を食ってもらう事になっている。警備も兼ねてという事だが、もう一個、辺境公であるモアレその部下ポアンも楽団に混ざっているため、ぎりぎりまであいさつ回りしないと、国王をないがしろにしたと思われかねないのだ。
「いらっしゃいだわさ。」
 ゲートから出てきたのは40数名の男女たち、亜人同盟一行だ。今回は水木もアランとこっそり参加している。亜人同盟側でだ。当然だが…なんかこっち見ているものが多いな。
「久しぶりね、出世したでしょ?」
「びっくりだわさ。あんたが出世するとか、本はどうするだわさ?」
 前も見たとこがあるあれが現在の…慧眼で見ると見れない。レベルも相当さがあるみたいだ。という事はレベル差だけはどうも覆せないらしいが…。何かこの一年であったのだろうか。いや、スキル編成次第では儲けを”強さ”に変換できるのでその辺を持っていたのかもしれん。
「ああ、続けるわよ、外に出れるから、今度から”街かど美少年”とか地方特集もやる予定よ。」
 美少年通信…こんなところにファンが。あの少年だけ写した欲望の塊、まだ出していたのか…。ついでに笑い話でもうちのダンジョンでは買えない(主に情操教育)が相変わらず俗物な聖女様だ。
「でもいいだわさ、ミーア様の下着とかもらえるだわさ?」
 ただ人数も多いがそれ以上に今回はネル殿含め。多数の重鎮もいる。
「とりあえず、今回は亜人同盟融和政策って事で、ネル様以下。みんな来たわよ、」
「ネル様もお久しぶりだわさ。」
「…久しぶり。」
 こうしてみるとたんにエルフの少女で、無気力系だが、クラウドドラゴン戦ではあの強敵相手に足を止めさせるほどの攻撃が可能だ。俗にいう大魔導士ってだ奴だ。
「あの時のあれは今日見せれるだわさ。今日の為にみんな練習しただわさ。でも来るとは思わなかっただわさ。」
「みんな来た。リーメ君とリューネも。」
 あれが…ゴブリン村トップのリーメ君。そしてランキング3位だったリューネ。リーメ君は鬼のマスターとは思えないが、それ以上にパーティ用の衣装がずるい。半ズボンにシャツというどう見ても現代風な衣装だからだ。半ズボンだぞ。冬間際で。その幼い顔につい…やはりうちの女性陣が顔を赤らめている。余りにあざといのだ。そしてチャイナ系の豪華なドレスを着たストレートヘアーが特徴の…お姉さま警備陣。それがリューネだ。但し双方ともさっきから鑑定ができない。慧眼持ちだぞ。流石旧魔王軍だ。それにランク3位の実力者。…威圧感が凄い。が、しばらくして…リューネのステータスが見えたが…なんだこれ。数千万?レベル74?何だこの世界は。確かレベルは30が上限のはずだ。それがなんで…。
「あの時のドラゴンだ…。」
「威圧感がこっちにも来てる。」
「…ダメだ、気絶しそう…。」
 ミヨちゃんの反応が…。胴もリューネの後ろのメイドから感じるらしい…という事はあれがリューネの部下か。黒い髪が特徴で、できるメイドの空気がする。ステータスは…。なんだこれこっちにはぎりぎり鑑定が貫通した。がUR?竜血鬼?数百万のステータスを持つドラゴン。それがこの…コクヨウとか言うメイドらしい。
「数百万のステータス?数十万のステータス?あのメイドよりリューネ・・・リューネハウスがいる限り…。」
 ん?周囲の数人がこっちを見つめる。…つぶやきが漏れたか?
「あれ?あの女性…井原…男?」
「ん?」
 何か引っかかるので、そちらの方を見ると、心臓が止まる気がした。そこにはあの…ハーリスがいた。そしてもう一人はエレノア…。パーティの衣装を着ているものの、あまりに壮絶なゲストに…私は一瞬死を覚悟した。
「…。」
 そして、魔王軍の新たな使徒だろう少年・・・どっかで見た事あるな。それがこっちを見つめている。が主賓としてはあいさつに行かないと、変にビビるとハーリス以下。無礼に映るだろう。
「あなたたちは…始めまして、ミラージェよ、ま、主催の一人よね。」
 少年が顎で促すと、さっと全員が整列した。
「「よろしく。」」
「でも…あなた方は亜人同盟?ではないよね?」
「まあ、付き添いですね、リューネさんの友達という事で、ほら、あっちの少年も。」
 視た先にはジャンと少年が話していた。あの二人、親しいのか? 
「参加者ですか…敵対ではないのですね?」
「…脅し過ぎは敵を生みますよ?」
 やはり驚愕の気が付いているようだ、ここで争う気なはい。。
「…。すいません。勘繰るもので、私の癖ですね。」
「いいのですよ、慎重でなければね、井原さん。」
「…首の一つだと、そちらのお嬢さんと一緒で。」
「分かっていますよ。」
 どうもこちらの警戒が伝わっているらしい。たしかこの態度はまずい。騒動を起こせば私はともかく周囲の特に人間皇帝がまずい。撤退しよう。
「皆様歓迎してますわ。では。」


「…4天王クラス…。」
 去っていくミラージェさんを見てボソッとお姉ちゃんがつぶやく。
「しかも”人”のファクター持ち。後は建設系だけど、9が多い以外ははっきり言って今まで見たダンマスとかで最強だよ。あの人。」
「え?」
「なのです。流石にあいつを…これ以上寄せたくないです。」
 それは警戒するわ。魔王軍4天王クラスって事はリューネさんやお姉ちゃんと同クラスって意味だ。で首って事は”双頭”持ち。世間は広い。ちゃんと対策がいや、神様が、死ぬ気で頑張ってるんだなー。

「ハーリスさんがいて、で、魔王エレノアがいて…で、脇の戦士がそれと同クラス!?」
 ミラージェが引き攣った顔で物陰に隠れると、亜人同盟の行方を遠目で観察していた。
「リューネとか言うドラゴンもあのコクヨウの10倍くらいは行きそうなステータス。あんなのに勝てるのか?」
「マスター?」
 バックヤードで今回のために制作したステージ衣装に身を包んだ部下たちが冷や汗をだらだら流すミラージェを見に来ていた。が、これは
「こっちから確認した”ミラージェ”の見た物の精査をしていたのだが…。層がかなり厚いようだ。エレノアを見て驚いていたが…それを越すぞ、周りは。」
「え?」
「カスタマーが側に控え、エレノアが守り、さらに奥の手が二つ以上ある?層が厚いってものじゃないぞ。さらに強化とか…いや待て…。」
「マスター。深みにはまってる。」
「ホッホッホ。マスターはこうやって考えるのが好きだからの。」
「…イーハ、大丈夫か?」
「お姉ちゃん。いつものだよ?」
「皆さん。そろそろステージですよ。気合い入れてください、」
 楽器をたくさん持ったコンちゃんがみんなを見る、今日の為に半年は練習した…。そんな本番だったのだから。
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