上 下
443 / 1,264
第12章 開発再び

第440話 スキル万能説崩壊。

しおりを挟む
 村の様子の確認の次は、バラン城に赴く、同盟ゲート経由ですぐで着くのだが…。こちらではやっとフルメンバーになれたついでに、ホールではダンス淘汰の練習が行われていた。
「いい感じだな。」
「ふむ、こういう活動もしておったのかの?」
 見学は城内の気になったであろう官僚の皆様とドランだ。
「ああ、ダンジョンマスターを招いてアイドル活動もさせるつもりだ。」
 その向こうでは音無たちが何故かダンスの指導をしていて、それに従いミヨちゃんたちが踊っている。このプロジェクトにドランのドラゴンバスターみたいな様々な動画コンテンツを不労収益にしたい考えもあった。
「にしては、音が足りないのお。」
「楽器がほぼ打楽器でな。それが欠点だ。弦楽器もあるが…。あれだろ。」
 後ろではコンちゃんが相変わらず必死に手、足、複数ある尻尾を使い頑張って楽器の演奏をしている、
「ふむ、少し助言じゃのお。ダークマターと影を使って、楽器を弾けないかのお?」
「どういう事だ?」
「ちょっと待っておれ。」
 ドランが、周囲の演奏を止め、楽器を影でつかむと、そのまま影で演奏を開始した。
「これだと怖くないか?」
「これをこうするのじゃ。」
 ドランは影の中に楽器を弾き込むが、楽器の音は影の中から聞こえる。
「何だこれ?}
「影残とか、ダークボックス内部で演奏してその空気を出しておるのじゃよ。まあこれは光魔法が無い時に明りを持って撮影をするためにやったテクニックじゃのお。明りを影で持って。その日をダークボックス内に入れて、明りだけを出しだのじゃ。」
 このセンスこそが、ドランを戦闘系に育てたと言っていい。
「内部ではどうなるんだ?」
「明りや音を出しているときはその物質は当然燃えたり、叩かれているので劣化するのじゃ。と言いたいが少し実験してあってな。不思議な事に一部の食べ物だけは腐ったのじゃ。ただ、早めに出しておけば腐らんじゃろうが、腐る食べ物、腐らん食べ物の差が何にもわからんのじゃよ。」
 そう言いつつもドランは闇の矢を物が壊れない程度に打ち出し、部屋の隅に影を飛ばす。
「こうするとこうじゃ。」
 部屋の四隅から音が響く。楽器の音だ。それに全員が拍手する。但し…。
「楽器を叩いているだけだな。」
「うん、まあ…それはそうなのじゃ。仕方なかろう、音楽は苦手なのじゃ。映像にも音楽はなかったじゃろ。」
 確かに。
「だからのぉ、こういうのを見て覚えれればと思ったのじゃ。」
「スキルオーブはだめなのか?」
「それがの、どうもスキルオーブの反応も限界があるようでの、儂とかドラゴン系はそう言う”芸術系”のスキル関連は非常に覚えにくいみたいなのじゃ。」
「どういう事だ?}
「儂も最初、スキルオーブがあるんだから、自分で演奏した伴奏を付けるとか考えたのじゃ。…がの、オーブが反応せん。で、試しに部下に使わせようとしたところ、ゴブリンやオーガは付けれたのじゃが…。どうも…打楽器でしかも武器とかを叩くまでしか発展しなかったのじゃ。」
 あれか、技術水準の問題だろう。確かにこれは壁があるな。
「で、音楽はあきらめたのじゃ、」
「切ないな。あ、あそう言えば鳥海は?」
「あいつは今書類と格闘中じゃぞ、根っからも事務職らしくての。この国の財政収支のチェックをしておるんじゃよ、ついでにこれで新年の集いで出せる食料を計算しておるんじゃよ。」
 それでか、いつもは言えば会えるのに、今日は会えなかった理由は。
「ん?じゃ、皇帝は?」
「あいつ等と大臣はここにおらんじゃろ。鳥海に捕まって会議じゃよ。難民に支給できる食料とか、様々会議しておる。」
 ・・・面倒だな。でもこういう事ができないと、出せる資産の量が決まらないからな…現場監督で予算と格闘したあの頃を思い出すな。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

異世界なんて救ってやらねぇ

千三屋きつね
ファンタジー
勇者として招喚されたおっさんが、折角強くなれたんだから思うまま自由に生きる第二の人生譚(第一部) 想定とは違う形だが、野望を実現しつつある元勇者イタミ・ヒデオ。 結構強くなったし、油断したつもりも無いのだが、ある日……。 色んな意味で変わって行く、元おっさんの異世界人生(第二部) 期せずして、世界を救った元勇者イタミ・ヒデオ。 平和な生活に戻ったものの、魔導士としての知的好奇心に終わりは無く、新たなる未踏の世界、高圧の海の底へと潜る事に。 果たして、そこには意外な存在が待ち受けていて……。 その後、運命の刻を迎えて本当に変わってしまう元おっさんの、ついに終わる異世界人生(第三部) 【小説家になろうへ投稿したものを、アルファポリスとカクヨムに転載。】 【第五巻第三章より、アルファポリスに投稿したものを、小説家になろうとカクヨムに転載。】

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

魔力0の俺は王家から追放された挙句なぜか体にドラゴンが棲みついた~伝説のドラゴンの魔力を手に入れた俺はちょっと王家を懲らしめようと思います~

きょろ
ファンタジー
この異世界には人間、動物を始め様々な種族が存在している。 ドラゴン、エルフ、ドワーフにゴブリン…多岐に渡る生物が棲むここは異世界「ソウルエンド」。 この世界で一番権力を持っていると言われる王族の“ロックロス家”は、その千年以上続く歴史の中で過去最大のピンチにぶつかっていた。 「――このロックロス家からこんな奴が生まれるとは…!!この歳まで本当に魔力0とは…貴様なんぞ一族の恥だ!出ていけッ!」 ソウルエンドの王でもある父親にそう言われた青年“レイ・ロックロス”。 十六歳の彼はロックロス家の歴史上……いや、人類が初めて魔力を生み出してから初の“魔力0”の人間だった―。 森羅万象、命ある全てのものに魔力が流れている。その魔力の大きさや強さに変化はあれど魔力0はあり得なかったのだ。 庶民ならいざ知らず、王族の、それもこの異世界トップのロックロス家にとってはあってはならない事態。 レイの父親は、面子も権力も失ってはならぬと極秘に“養子”を迎えた―。 成績優秀、魔力レベルも高い。見捨てた我が子よりも優秀な養子を存分に可愛がった父。 そして――。 魔力“0”と名前の“レイ”を掛けて魔法学校でも馬鹿にされ成績も一番下の“本当の息子”だったはずのレイ・ロックロスは十六歳になったこの日……遂に家から追放された―。 絶望と悲しみに打ちひしがれる……… 事はなく、レイ・ロックロスは清々しい顔で家を出て行った。 「ああ~~~めちゃくちゃいい天気!やっと自由を手に入れたぜ俺は!」 十六年の人生の中で一番解放感を得たこの日。 実はレイには昔から一つ気になっていたことがあった。その真実を探る為レイはある場所へと向かっていたのだが、道中お腹が減ったレイは子供の頃から仲が良い近くの農場でご飯を貰った。 「うめぇ~~!ここの卵かけご飯は最高だぜ!」 しかし、レイが食べたその卵は何と“伝説の古代竜の卵”だった――。 レイの気になっている事とは―? 食べた卵のせいでドラゴンが棲みついた―⁉ 縁を切ったはずのロックロス家に隠された秘密とは―。 全ての真相に辿り着く為、レイとドラゴンはほのぼのダンジョンを攻略するつもりがどんどん仲間が増えて力も手にし異世界を脅かす程の最強パーティになっちゃいました。 あまりに強大な力を手にしたレイ達の前に、最高権力のロックロス家が次々と刺客を送り込む。 様々な展開が繰り広げられるファンタジー物語。

幼少期に溜め込んだ魔力で、一生のんびり暮らしたいと思います。~こう見えて、迷宮育ちの村人です~

月並 瑠花
ファンタジー
※ファンタジー大賞に微力ながら参加させていただいております。応援のほど、よろしくお願いします。 「出て行けっ! この家にお前の居場所はない!」――父にそう告げられ、家を追い出された澪は、一人途方に暮れていた。 そんな時、幻聴が頭の中に聞こえてくる。 『秋篠澪。お前は人生をリセットしたいか?』。澪は迷いを一切見せることなく、答えてしまった――「やり直したい」と。 その瞬間、トラックに引かれた澪は異世界へと飛ばされることになった。 スキル『倉庫(アイテムボックス)』を与えられた澪は、一人でのんびり二度目の人生を過ごすことにした。だが転生直後、レイは騎士によって迷宮へ落とされる。 ※2018.10.31 hotランキング一位をいただきました。(11/1と11/2、続けて一位でした。ありがとうございます。) ※2018.11.12 ブクマ3800達成。ありがとうございます。

転生者は冒険者となって教会と国に復讐する!

克全
ファンタジー
東洋医学従事者でアマチュア作家でもあった男が異世界に転生した。リアムと名付けられた赤子は、生まれて直ぐに極貧の両親に捨てられてしまう。捨てられたのはメタトロン教の孤児院だったが、この世界の教会孤児院は神官達が劣情のはけ口にしていた。神官達に襲われるのを嫌ったリアムは、3歳にして孤児院を脱走して大魔境に逃げ込んだ。前世の知識と創造力を駆使したリアムは、スライムを従魔とした。スライムを知識と創造力、魔力を総動員して最強魔獣に育てたリアムは、前世での唯一の後悔、子供を作ろうと10歳にして魔境を出て冒険者ギルドを訪ねた。 アルファポリスオンリー

3521回目の異世界転生 〜無双人生にも飽き飽きしてきたので目立たぬように生きていきます〜

I.G
ファンタジー
神様と名乗るおじいさんに転生させられること3521回。 レベル、ステータス、その他もろもろ 最強の力を身につけてきた服部隼人いう名の転生者がいた。 彼の役目は異世界の危機を救うこと。 異世界の危機を救っては、また別の異世界へと転生を繰り返す日々を送っていた。 彼はそんな人生で何よりも 人との別れの連続が辛かった。 だから彼は誰とも仲良くならないように、目立たない回復職で、ほそぼそと異世界を救おうと決意する。 しかし、彼は自分の強さを強すぎる が故に、隠しきることができない。 そしてまた、この異世界でも、 服部隼人の強さが人々にばれていく のだった。

処理中です...