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第11章 出向社員的ダンジョンマスター
第423話 砂海渡り 出張にも実は欠点があります。
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その日一日、それなりの歩数は進み移動していたいが。一キロにも及ばず、急に遅くなった。このままだと一か月たってもたどり着くことはないし、このままでは、司令に来た予定日にはつかない。その焦りがあった。それは祭りの最終日”ザガートン祭り”で出来れば勇者たちにせめて武闘大会を観戦させて実戦の励みにしたい。そう考えていた。がこのままでは一か月あっても付かないし、期限まで約ひと月だった。そうなると指令は果たせないが…。現在は全員が披露し、寝ているところをタミさんが一人見つめている。
「どうすっぺ。」
「…何………?」
「陽華さん起きたっぺ。」
「私もよ、これ、まずくない?}
一応、奥原と、陽華が起きてくれたようだ。
「分かってるだよ、ちょっと来るっぺ。」
タミさんは周囲を確認後、手招きし、そっと通路の奥に来て、土でさらに誓いを覆ってから、影に二人を飲み込ませた。タミさんのダンジョンに入るにはこうやって影経由でなくてはならず、影回廊経由で別空間のダンジョンに招かないと、ダンジョンに誰も入れる事ができないのだ。こうすることで、出入り口を偽装することができる。但し影残は最大MPとMAGを削るので。そんなに大きくも、数も置けない。
「できれば、あいつら置いて、帰って欲しいだ。司令が来てるだ。銅も勇者の大会があるんだけんど、リンシュメルトの予選会があと2日だべ。」
影の回廊を歩くと、彼女のダンジョンである”荘園”似やってきていた。命名は井原で、領地内で、舘と住民と農地があるからだ。
「流石にこの環境で、見捨てるのもまずいわよ、主に勇者関係で。」
「………ダメ…。」
「んだべか、でもどうすっぺ。おら一人ならあの連中引きずっていけるだよ。んだども、音無ちゃんや奥原さんたちがいるんは。ちっとキツイっぺ。」
「そうなのよね。今日は役に立ってるけど…。」
言いながら舘に入っていく、普段は管理用のメイディアと、冥土、シルキーが2体いるのだが、それは村民の居る所にいてもらい、この舘は封鎖してある。開けれるのはタミさんだけである。中に入ると…ほどほどに小さな、西洋風の洋館がある。子爵国の建築をそのままコピーした漆喰作りの館だ。中に入ると、テーブルを影から用意し、食事と飲み物、そして、三つの椅子を用意した。
「さすがね。」
「これ位は…んだ場、食べながら話すっぺ。」
砂漠を歩いているときはみんなに合わせ粗食だったが、ここでは普通に新鮮な野菜等が食べれる。出されたのはニンジンのカットしたもので、付け合わせにエルフ味噌を出してあった。
「でも…見捨てるのは彼女ができるかしら。最悪はある程度手札見せてもいいから、高速でいくべきだと思うわ。」
その間に、陽華が人参ステックを味噌に付けて、ちょっとずつかじっている。
「いいんだか?」
「大方、彼らを連れて行ってかき回す方が作戦だと思う。後2日か…。ルートは大丈夫?」
「それはどうにかなるっぺ。んだども…。」
「なら、ウルフェか、ミヨちゃんに来てもらって二人で抱えて走ったら?」
「やっぱそうなるべ?}
「こっちのメイとか使っていいけど…。それでもリスクは変わらないかな。」
「んだべ。」
「で、それ位なら、あ、そうだ、魔人同盟の連中は闇魔法使えるでしょ?あなたに影をはりつけさせていどうしたら?」
「それしかないなら仕方ないっぺ。ただ、移動…。」
「スキルなしで、月下と戦えた時点でもうそこら辺は無理よ。それ位なら…。後、詳しく聞かせてちょうだい。もう少し練ってみる。」
奥原さんがタミさんに今回の”建国祭”の状況を聞くにつれ・・・徐々に顔が青くなっていく
「私も出店側に行けば儲かったのに!」
「んだから急ぎたいっぺ。」
「そうだ、メイに伝えておいて。ニンジン擦ったものを水飴に混ぜて、で氷を薄切りにしてそこにかけて”かき氷”作って置いてって。それで
「それは何だべ。」
「ああ、着色料が無いから、ニンジンすったもので代用した、かき氷よ。」
「んだば、伝えておくっぺ。後は…。」
「伸ばせる範囲でいいから、後続が追い付ける言い訳作っておいて。で、地上走った方がいい。が、後、もう一個、井原に伝えておいて。二日は無理。で、次の次のなんだっけ
モートリアだっけ、そこに合わせて動いてって。伝えておいて。変に早すぎると、手札をいらない分も明けないといけないから。」
「ちょっと待つだ。…サンテ様に伝えておいただよ。んで、メイの方も了解したっぺ。でもかき氷なんて、作るっぺか?」
「検証中。どうも去年がそこまで熱くないから温存したのよ。運がいいなら、祭りの空気で使えそうなレシピでしょ。やってみようかなって思って。」
「んだば、氷は?」
「ああ、鳥海の奴が夏に食べてたから、無理矢理首絞めて、氷室作ったのよ。で、そこで氷を作ってDPでね。」
「盟主の扱いじゃないっぺよ。」
「仕方ないでしょ、作れるのあいつだけだったんだから。」
「どうすっぺ。」
「…何………?」
「陽華さん起きたっぺ。」
「私もよ、これ、まずくない?}
一応、奥原と、陽華が起きてくれたようだ。
「分かってるだよ、ちょっと来るっぺ。」
タミさんは周囲を確認後、手招きし、そっと通路の奥に来て、土でさらに誓いを覆ってから、影に二人を飲み込ませた。タミさんのダンジョンに入るにはこうやって影経由でなくてはならず、影回廊経由で別空間のダンジョンに招かないと、ダンジョンに誰も入れる事ができないのだ。こうすることで、出入り口を偽装することができる。但し影残は最大MPとMAGを削るので。そんなに大きくも、数も置けない。
「できれば、あいつら置いて、帰って欲しいだ。司令が来てるだ。銅も勇者の大会があるんだけんど、リンシュメルトの予選会があと2日だべ。」
影の回廊を歩くと、彼女のダンジョンである”荘園”似やってきていた。命名は井原で、領地内で、舘と住民と農地があるからだ。
「流石にこの環境で、見捨てるのもまずいわよ、主に勇者関係で。」
「………ダメ…。」
「んだべか、でもどうすっぺ。おら一人ならあの連中引きずっていけるだよ。んだども、音無ちゃんや奥原さんたちがいるんは。ちっとキツイっぺ。」
「そうなのよね。今日は役に立ってるけど…。」
言いながら舘に入っていく、普段は管理用のメイディアと、冥土、シルキーが2体いるのだが、それは村民の居る所にいてもらい、この舘は封鎖してある。開けれるのはタミさんだけである。中に入ると…ほどほどに小さな、西洋風の洋館がある。子爵国の建築をそのままコピーした漆喰作りの館だ。中に入ると、テーブルを影から用意し、食事と飲み物、そして、三つの椅子を用意した。
「さすがね。」
「これ位は…んだ場、食べながら話すっぺ。」
砂漠を歩いているときはみんなに合わせ粗食だったが、ここでは普通に新鮮な野菜等が食べれる。出されたのはニンジンのカットしたもので、付け合わせにエルフ味噌を出してあった。
「でも…見捨てるのは彼女ができるかしら。最悪はある程度手札見せてもいいから、高速でいくべきだと思うわ。」
その間に、陽華が人参ステックを味噌に付けて、ちょっとずつかじっている。
「いいんだか?」
「大方、彼らを連れて行ってかき回す方が作戦だと思う。後2日か…。ルートは大丈夫?」
「それはどうにかなるっぺ。んだども…。」
「なら、ウルフェか、ミヨちゃんに来てもらって二人で抱えて走ったら?」
「やっぱそうなるべ?}
「こっちのメイとか使っていいけど…。それでもリスクは変わらないかな。」
「んだべ。」
「で、それ位なら、あ、そうだ、魔人同盟の連中は闇魔法使えるでしょ?あなたに影をはりつけさせていどうしたら?」
「それしかないなら仕方ないっぺ。ただ、移動…。」
「スキルなしで、月下と戦えた時点でもうそこら辺は無理よ。それ位なら…。後、詳しく聞かせてちょうだい。もう少し練ってみる。」
奥原さんがタミさんに今回の”建国祭”の状況を聞くにつれ・・・徐々に顔が青くなっていく
「私も出店側に行けば儲かったのに!」
「んだから急ぎたいっぺ。」
「そうだ、メイに伝えておいて。ニンジン擦ったものを水飴に混ぜて、で氷を薄切りにしてそこにかけて”かき氷”作って置いてって。それで
「それは何だべ。」
「ああ、着色料が無いから、ニンジンすったもので代用した、かき氷よ。」
「んだば、伝えておくっぺ。後は…。」
「伸ばせる範囲でいいから、後続が追い付ける言い訳作っておいて。で、地上走った方がいい。が、後、もう一個、井原に伝えておいて。二日は無理。で、次の次のなんだっけ
モートリアだっけ、そこに合わせて動いてって。伝えておいて。変に早すぎると、手札をいらない分も明けないといけないから。」
「ちょっと待つだ。…サンテ様に伝えておいただよ。んで、メイの方も了解したっぺ。でもかき氷なんて、作るっぺか?」
「検証中。どうも去年がそこまで熱くないから温存したのよ。運がいいなら、祭りの空気で使えそうなレシピでしょ。やってみようかなって思って。」
「んだば、氷は?」
「ああ、鳥海の奴が夏に食べてたから、無理矢理首絞めて、氷室作ったのよ。で、そこで氷を作ってDPでね。」
「盟主の扱いじゃないっぺよ。」
「仕方ないでしょ、作れるのあいつだけだったんだから。」
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