魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第１１章 出向社員的ダンジョンマスター

第４１５話 失敗を観測し成功につなげる。（R１５系閲覧注意）

　水木たちが、達観した目で、一応彼らを操作できるように置いた族長部屋を除き監視をあきらめる中、私はあえて、その画像に注目した。…ギシアン動画だ。というのも、これがわが千鳥万花に…すごく心苦しいが非常に大きな事柄になると思ったからだ。そのスキルとは”支援”である。元々はわがダンジョン含め、生産系だ。戦闘系ダンマスが少ないチームである。仕事も当然、戦闘はほぼなく経営や生産に傾いている。イケイケスローライフって奴である。そのスローライフで経験値が稼げる”支援”は非常に相性がいいスキルだ。だから、千鳥万花カラーとすべく、適当に付けたのだが。これが繁殖に機能する。しかも劇的に経験値が付く。となると話が違う。田舎の暇な奥さんに付ければ、あっという間に３０レベルでもカンストしそうだ。それで済めばいいのだが、どうもレベルに差がある。最悪繁殖停止用に遊戯とかを族長からばらまき、繁殖を止めさせるべきかもしれん。

「でもこれ…。」
　ミラージェも、画像に顔を背けるふりをしてじっと見ていた。主に指の間から。
「はげしいぃ。」
「だな…。」
　まず、ゴブリンも、オーガの子供も、２日程で、大人並みの活動が行われる。がオーガの子供はそれでもゴブリンの倍の…８歳児みたいな身体をしている。服はないので、最近は木の鎧化、木の皮を使った服が多い、動物の革は狩りに行く大人たちの特権だ。が、彼らも年齢はそう変わらないはずだ。がそれを含め生まれた子たちの多くは
中で、木を加工する仕事を行っている。親方らしい動物の革をつけた語尾リンの支持の元作業を行っていく。大きさはあっても全員が一致団結している。
「この辺でも、少し成長してますね、ちょっと。」
　だが、オーガ達も含めゴブリンたちも、作業を進めるうちに慣れるという言葉はおかしい。徐々に手際が良くなり、気持ち大きくなった気がした。
「だな…。」
　休憩しているときには暇つぶし感覚で、連中はつがいを探し、そして腰をぶつけ合う風習がある。それに外や中は関係ない、カメラを外に向けると農作業を終えたちびっ子たちや　大人が、オープンに繁殖していた。ゴブリンは子供が張り付いた感じで全員あっさり。さっと２０分程度で終わった。これで妊娠率３００％というのだから
、後は膨らんだ腹を見つつ観察すればいい。だが、オーガはそうではなかった。こっちがさらっとす―って感じなら、向こうはワイルドな格闘技だった。が…。
「なんか様子おかしいよねぇ。これ。」
「なんか。」
「確認している。こんなふうだと思わなかった。」
　カップルであろう二人がつがいになっているときはお互い、行為中にどんどん筋肉質になっていった。しかも身長も伸びていく。その様子は一種の…奇跡に見えた。最高相性の二人の場合は好意終了時には１．２倍の身長になり、胸とかもどんどん大きくなっていった。そう、レベルアップで上がったステータスがどんどん反映されていくのだ。そして凄いぶつける音が大きく、一回で２時間は…続いた。当然私たちはサンテから、後の映像を受け取っているので早送りした。が、１０分で終わる、ゴブリンたちも、２時間はつい見てしまった。が行為が終わるころにはもう、それは８祭事ではなく、中学生ぐらいの外見になっている。そして、身長が上がった分力作業を進んでやっていく。男女ともにだ。今の木工はどうも武器の作成らしく、投げ槍の作成を行っていた。弓の知識はなくともこうした作業をしているのは…ちょっと感動するな。
「これ…。」
「ん？」
「この映像をもう一回、全員で見よう。」
　ちょうど映像は、どうも、元は他のつがいだっただろうオーガが、男性に誘われ断り、半分レイプみたいな行為の最中だった。
「これが？」
「どうも、これだと経験値が入ってないのよ。」
「って事は？｝
「支援は”相手が喜んだ”をトリガーとしてる可能性があるわね。」
　その繁殖前の画像と、繁殖後の画像に大きさの差はなかった。という事は、支援は相手が認めないと経験値にならない可能性がある。
「女性の敵になったら成長だと、本気で止められかねないからねぇ。」
　どうも相思相愛でないといけないが、そこも”人の好さ”の関係で出産可能なら基本ＯＫっぽいチョロさがあるみたいだ。が…。
「そうなると…人間に商会もまずいわね。」
　そう、その振られた男性は、近くにいた生まれて一日は経っただろうゴブリンと繁殖した。…繁殖のスキルのおかげか、体格は関係なくお互い満足していた。…なんだ？
「凄い神秘だぁ。」
「混乱してきたよ。」
「繁殖の方が怖いスキルな気がしてきたわ。」
「そう思う、あそこまで体格差があっても、受け入れ可能になるゴブリンも怖い。繁殖は動議をあげて今後、付与する相手を選ばせたり、制限を掛けよう。でないと結構危ない。」
　ついでにオーガとゴブリン（女）の子供はゴブリンの優性因子の関連で、ゴブリンとなったと報告しておく。