上 下
400 / 1,264
第11章 出向社員的ダンジョンマスター

第398話 プロテイン飲んで筋肉鍛える、そう聞こえる。

しおりを挟む
 翌日、取りあえず、諸運を並べ、まずは販売を行って、昼のパンと干し肉が入ったやたら塩の濃いスープを貰い…作業に…。
「えっと、この方々は?}
 村の半数の大人がずっとこっちを見ている。
「変わった木工をすると聞いてますのじゃ。気になって寝れませんのじゃ。」
 それは分かるが、緊張するぞ。そして、日本ではめったにやらない。まあログハウス作ったのでなれてはいるが…丸太一本がそこにあった。但し言っておく、これは武器ではないぞ。
「それは分かるが、こっちも視線が気になって作業に集中できないぞ。」
「大丈夫ですじゃ。」
「何が?」
「どうぞ、作業なさってください。」
 そう言うと囲みは一層小さくなる。圧が凄すぎて作業する気に慣れん。
「すまないが、護衛の関係上それ以上寄らないで貰いたい。」
 ありがとうウルフェ。本当は適度に時間を潰した後。木を切りに行ってもらう予定だったが、これだときついだろうな。
「こんなにみられて作業したことがないのでね。手が滑って皆さんを傷つけかねない。この状況が続くなら、制作はやめさせれ貰う。」
「それは…。」
 流石に全員…寂しい顔をしているが、こんな人に見られて、手慰みの趣味なんて誰がやるんだよ。本気で手が滑って傷をつけかねない。大工の仕事の多くは切ったり打ったり様々な人間を傷付つけかねない様々な作業がある。お互い友達でさえ、適度な距離は離すし、技術研修会でも近寄ってみる時は安全に気をつける。それに彼らは大方素人だ。注意を聞くとは思えないし、それで怪我されて、変にいちゃもんつけられるよりは行らない方がいい。
「皆さん準備できましたよー。診療院開業します―。」
 奥の診察所から声が聞こえると、そっちにぞろぞろみんなが歩いていった。聖女教の診察所は基本安くてもお金を取る。ただで治療してもいいが聖女教の診察は常に診察後に食事を出す決まりとなっている。できれば肉がいいという。というのも、聖女教…正確には亜人同盟が言うにはヒールには代償が存在し、それが”骨髄の栄養”だそうだ。傷を直す時に必要な成分を体のどこかから調達して、傷を急速に直す効果があるという。ヒールウォーターだと、そのうち”血の成分”はどうにか出した水から一部吸収するもののその他は体の栄養を使う。人間は食事をしているため、栄養が余っている状態なら傷は簡単に治ることになる。が、農村の多くでは食事は少なく、肉を食べる生活はしていない。なので、ヒールをしたが、謎の死亡事故が起き、その照査したところ、その多くが”栄養失調”だっだそうだ。そこで、聖女教ではお金を取り、ヒール+専用食のセットで販売しヒールを効率化している。基本は炊き出しの野菜や肉、魔物の骨髄等を煮込んだ”骨髄スープ”やテールスープ等を持ちいる。肉として安いというのもある。この材料に聖女教はモンスターや動物の骨をギルドから格安で買い取っている。それをヒール後に飲むことで栄養補充を行い、ヒール後遺症を防ぐんだそうだ。これがダンジョンモンスターで発生しないわけは、サンテが言うに”ダンジョンから不足した栄養をモンスターに補充する機能”があるので、そこで補充されるとの事。なのでスポナーモンスターではこれが発生するんだそうだ。そのスープ代はもらっていくのが聖女教のスタイルだ。献血したおっさんがジュース貰うノリと思ったのは秘密だ。その為、地下室(台所)を作り、その地下で助手のエルフ君が、炊き出しスープを作っている。うちでも大量に骨はあるので、出せる。主に食肉ダンジョンの余りだ。ただしこの話を聞くまでは全部DP変換していたので、特別に用意してもらった。と言っても塩で味つけた格安スープ一杯銅貨5枚。これ治療費だ。安いと思った。ついでに同じ効果のポーションが銀貨3枚というので。いかに安いが
よくわかる。
「お金…取るのか?}
「材料をお売りいただければ安くしますが。そうでないならこの金額です。」
 ついでに格安治療の理由は南が言うには”経験値になる”からだそうで、これが聖女教でのレベリングの一角となっている。レベルが上がれば筋力等が上がり、強い体となり、ヒールも効率化する。そうすれば何をやるにも楽になる。だそうで、身もふたもない。ついでに経典にはちゃんと人間にレベルがあり、上がるとステータスが上がり、力がつく。という事になっていて、それをレベルアップさせて聖女を目指すのが聖女教だそうだ。最終的にこの教義は”ヒールでレベル上げて物理で殴れ”という聖女らしからぬ物だ。とても脳筋に聞こえる。プロテイン飲んで筋肉鍛えると聞き違えそうだった。
「…でも…。」
「これでも、他の薬やとかから苦情が来るため、いつまでこの金額かわかりません。なので、できれば…。」
「頼む。やってくれ。」
 と言っても基本この村でやるのは筋肉疲労や腰の痛み等の日常の疲れだ。そこまでの重傷者は見かけなかった。ついでに現在回復魔法以外では”部位欠損”を治す魔法もポーションもない。病気をある程度直す効果があっても間違えれば促進する効果があるので、病気にはヒール系は”使ってはいけない”ことになっている。ヒールウォーターは
傷薬みたいなものではあるが、浸透しない”病気”には効果がない。飲んだ場合は解毒はする。が腫瘍には効果がない。大治癒水でも一緒で大治癒水では腕とかを切った直後なら縫合できるほどの回復力はあるがそこが限界で外傷以外には効果がない。ヒールライトは殺菌系の光を当てて、ある程度までなら病気も直すが、解毒作用はない。又体内にある良い菌も殺すため、浴びすぎれば抵抗力を下げ、体調を悪くする。森魔法にもブーストヒールがあるが、こっちは菌や体内の抗体を活性化するが”ウィルス性”の病気は悪化させる。など様々な欠点がある、唯一回復魔法の”ヒール”のみがその欠点をすべて克服しているが、今度はこれは”上位魔法”に属するため、取得できるのは一部の”上位職業か上位モンスターのみ”となっている。その為、それらを知っている人がヒールしないといけない。その為、病人にはヒールしない。というのが聖女教のルールとなっている。仕方なくする場合は診断書を書いてから行う事になっている。症状でそのヒールで合っているか診断ができるようにだ。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

新人神様のまったり天界生活

源 玄輝
ファンタジー
死後、異世界の神に召喚された主人公、長田 壮一郎。 「異世界で勇者をやってほしい」 「お断りします」 「じゃあ代わりに神様やって。これ決定事項」 「・・・え?」 神に頼まれ異世界の勇者として生まれ変わるはずが、どういうわけか異世界の神になることに!? 新人神様ソウとして右も左もわからない神様生活が今始まる! ソウより前に異世界転生した人達のおかげで大きな戦争が無い比較的平和な下界にはなったものの信仰が薄れてしまい、実はピンチな状態。 果たしてソウは新人神様として消滅せずに済むのでしょうか。 一方で異世界の人なので人らしい生活を望み、天使達の住む空間で住民達と交流しながら料理をしたり風呂に入ったり、時にはイチャイチャしたりそんなまったりとした天界生活を満喫します。 まったりゆるい、異世界天界スローライフ神様生活開始です!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

そんなにホイホイ転生させんじゃねえ!転生者達のチートスキルを奪う旅〜好き勝手する転生者に四苦八苦する私〜

Open
ファンタジー
就活浪人生に片足を突っ込みかけている大学生、本田望結のもとに怪しげなスカウトメールが届く。やけになっていた望結は指定された教会に行ってみると・・・ 神様の世界でも異世界転生が流行っていて沢山問題が発生しているから解決するために異世界に行って転生者の体の一部を回収してこい?しかも給料も発生する? 月給30万円、昇給あり。衣食住、必要経費は全負担、残業代は別途支給。etc...etc... 新卒の私にとって魅力的な待遇に即決したけど・・・ とにかくやりたい放題の転生者。 何度も聞いた「俺なんかやっちゃいました?」       「俺は静かに暮らしたいのに・・・」       「まさか・・・手加減でもしているのか・・・?」       「これぐらい出来て普通じゃないのか・・・」 そんな転生者を担ぎ上げる異世界の住民達。 そして転生者に秒で惚れていく異世界の女性達によって形成されるハーレムの数々。 もういい加減にしてくれ!!! 小説家になろうでも掲載しております

異世界なんて救ってやらねぇ

千三屋きつね
ファンタジー
勇者として招喚されたおっさんが、折角強くなれたんだから思うまま自由に生きる第二の人生譚(第一部) 想定とは違う形だが、野望を実現しつつある元勇者イタミ・ヒデオ。 結構強くなったし、油断したつもりも無いのだが、ある日……。 色んな意味で変わって行く、元おっさんの異世界人生(第二部) 期せずして、世界を救った元勇者イタミ・ヒデオ。 平和な生活に戻ったものの、魔導士としての知的好奇心に終わりは無く、新たなる未踏の世界、高圧の海の底へと潜る事に。 果たして、そこには意外な存在が待ち受けていて……。 その後、運命の刻を迎えて本当に変わってしまう元おっさんの、ついに終わる異世界人生(第三部) 【小説家になろうへ投稿したものを、アルファポリスとカクヨムに転載。】 【第五巻第三章より、アルファポリスに投稿したものを、小説家になろうとカクヨムに転載。】

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

処理中です...