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第11章 出向社員的ダンジョンマスター

第396話 田舎への赴任は左遷と言われるが、地味にあなたは重要幹部の道を歩いているかもしれない。

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 のどかな、改め何もない村、ココカカ村は見た感じ道路に隣接した村だ。道路があり入り口が一つ、木の壁に囲まれ…私たちはその壁が、2mでそこから超える建物一つないこの村に…期待を感じる事は出来なかった。
「だいじょうぶですかね?」
 ゴーレム車に水木たちを載せ、彼女は赴任してきた”聖女教のシスター役”であり…私は頼まれて載せてきた”行商人”役だ。ついでに村に物資を売りに来ていた。物資自体はザガートン国の大都市ゴールディに寄って購入してきた。いつものハムとか、革製品はこの辺では少なく、火酒、トウガラシ、パッタ芋とか言うものが主力で珍しい料理だとサボテンステーキがあった。というより、この辺荒野なんだよな…ザガートン国も基本森か荒野がメインで草原が少なく、こっちの地方には馬が元々いたらしく騎馬や、馬車も見かけた。が、人のいう事を確実に聞き、魔法を解除すれば元の土くれに戻るゴーレム車はこっちでも非常に人気だ。据え置き型も結構あった。その為、偽装とはいえもう少し珍しい食品とか持ってこればよかった。が目立ちすぎるのはよくないな…。
「行こうか、おどおどすれば逆に目立つぞ、あら捜しされる。」
「そうだよ、胸をピーンと張ればいいんだから。」
 一応護衛にミヨちゃんとウルフェ。私の3人が行商人。そして、前もって話をつけてもらってある聖女教のシスターが水木だ。…聖女教のシスターになるのに要した時間は三日。ついでに説明自体は3分で終わったらしい。
『これ一通り読んでおいて、で、一応次の日に確認とって終わり。』
 というすごーいあっさりした宗教だった。で、やることも
『今ある幸せと聖女に日々感謝を。そして困ったときはシスターに頼ろう。』
 と、教義はこれだけだった。流石に水木も面食らったという。どんな学がない人でも受け入れられるようにできるだけ教義を簡潔化した宗教らしく、南の居る”光の聖女派”は聖典と教義の全て合わせて3枚の紙で収まる簡潔っぷりだ。、もう一つの”ネル教”はもう少し複雑で
『大地の恵みとネル様に感謝を。食べる時はいただきます。食べたらごちそうさまと言おう。自然は有限だから大事に。』
 だそうで主に食事や農業に傾いた宗教だそうだ。ただ、聖典の”ネル様お言葉図鑑”の暗記問題が、非常につらい。6法全書もかくやという厚さを誇っていたため、水木は遠慮したという。確かにこれで天使学校とか言われると…。困る。そして、暗記に成功した水木は入信三日目にして”シスター”になった。ついでにこの上の司祭という扱いでもあるので、もうやることはない。ついでに教皇とか事務方にはハイエルフがいたため、そもそも変更する基準もないそうで。一応部下を数名同じ講義を習わせて認証が成立するか試すという。おかげで、アランと一緒にいる時間が消えた水木は別の意味で涙目だった。
「地形の調査もしているが、ほどほどに森もあるからな。」

 村の中に入った感じ…数件の木の家があるだけで、出入り口が一つ以外は、何もないと思った。門はこっちを確認したのか、空いていた。
「行商人ですよね?」
「この人に頼まれてな。」
 そこには、白の法衣姿となった水木の姿が。あった。
「先日連絡しました。ギルド員及び聖女教のシスターです。」
「おおー!」
 その言葉に家から数人の、結構若いな、男女…大体20名だろう、初期の流れ者の村ほどではないが、結構悲惨だな。
「私は、彼女に頼まれて、送ってきたんだ。護衛もいる。」
 一応娘役としてミヨちゃんと護衛用に皮鎧の軽戦士であるウルフェだ。
「これはこれは…。ささ、こちらに、家も用意してあります。」
 村長らしき先導者の向いた先には、小綺麗なと言った方がいいだろう、ぼろいながらも切った痕跡だけが新しい木の掘立小屋があった。…言っては悪いが、水木の初期の家である”水の巫女診察所”よりショボいぞ、これ。だが、村で歓迎してくれているのは分かる。
「とりあえず荷物を運び入れるぞ。」
「はい、お願いします。」
 村から数人の子供たちもやってくる。が、寄ってこない。親の傍から…離れないな。あまり他の人を見ないのだろうか…。
「運び込んだら、今日は休憩だ。商品も一応持ってきた。」
 その時の村のざわつき方は…人数が少ないが、希望の光だろうな。
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