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第9章 よそのダンマス求めて300里

第341話 噂話はファンタジーでの情報源

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「でも大丈夫なの?あれ」
「いえ、大丈夫のはずです。ですがあの方は…。」
 奥原と音無は周囲に少し距離を取り、集団にゆっくりついていくことにした。一応タミさんはこちらに配慮して間に立ってもらっていた。
「知ってるの?」
「勇者ですよ。死んだはずの。」
「は?」
 流石に亡霊…でもないだろうが、彼らを見つめいていた。
「勇者での訓練中に兵士たちによく聞かされました。伝説の勇者”月光部隊”です。その隊長が勇者である三日月月光なのです。」
「そんな奴が何でここにいるのよ!」
「知らない!」
 ハット周囲を見渡すが…周りは捜索で忙しいようだ。
「でもさ、あの有名な月光だよ。魔王倒したっていう。」
「は?」
「…???………。」
「いやほんとに。一度私も魔王討伐記念メダル貰いましたし、祝賀会で、一日訓練が休みになったのは覚えてます。」
 音無の意見に、葉隠がうなづく。
「何それ本当に。第一勇者って魔王倒せば、帰れるんじゃないの?」
「…意味不明………。」
 こっそり、近くの部屋の端による。さぼるのは悪いがここは情報が…。
「有名な勇者で、魔王討伐に成功して、大陸の軍隊や勇者たちに”ロール”と呼ばれる編成法やファランクス。パイク戦術とかそう言うのを導入した初めての勇者で数多くのスタンピードを止め。魔王”黒騎士”を倒した…って聞いてます。」
「聞いてますって、本当?」
「実際、何か聞いたところによると、王様は”金が欲しい”と願って、各国の自分の国への借金が消えたそうです。」
(注:本当は、願い事を聞いて神に依頼され、ネルがモートリアの全部借金を払って返済。この借金の為にその後のギルド運営で金欠となりギルドは様々な改革に乗り出さざる負えなかった。本編でも一切この件は今後も触れないので書いておきます。)
「徳政令かってーの。でも借金ってどれくらい?}
「確か限度額ぎりぎりまで借りていたそうで、大体金貨2億500万枚(2050万DP)とか。そんな大金借りて、更に祝賀会が必要でさらに借りたそうですからね。」
「ありえないわー。信頼がた落ちじゃん。」
「で、その為に遊びに行くと、月光部隊の6人の…特に”斬殺”と。”月光”の二人の並び絵は人気で暇つぶしに私も一枚買いましたね。」
「惨殺って?}
「大方、あのポニテ女性ですよ。特に一騎打ちが強く、下衆な顔して近づくとその男をすべて決闘で”斬殺”したので、その名がついたそうです。めっぽう強く、太刀筋はほぼ見えないとか…。」
 そう言えば、あのステータスのタミさん相手に互角以上の戦いをしていた。しかもこっちは相手が何をしているのか全然わからなかった。
「そしてその兄”月光”は太刀筋に加え、指揮能力も高く魔王と討伐した数少ない勇者として有名ですよ。」
「ん?数少ない?魔王って複数いるの?」 
「そう言う伝説ですね。魔王はまだいて、闇の森奥深くにいるとか。倒した記録は2回。ネル様たち”勇者部隊”と月光さんたちの2回です。」
 ちょうどあのネルが戦ったクラウドドラゴン戦を思い出す。性格はともかくあれだけの魔法が使えるなら勝てるだろう。
「じゃあ、あいつそんなに強い?」
「聞いた感じ、最強の勇者の一角とか。」
「やっば。」
 奥原も震える。そんな強い奴なら、自分たちは即死しかねない。実際あの戦闘では戦って勝てる気はしない。ネル並…となるとあいつらは相当腕に自信があるはず。
「…でも斬殺………。」
 陽華は思い出し笑いしていた。確かに女性では聞かない二つ名だ。
「分かるけど、あれはガチに、話が通じるかわからんわ。」
「ついでにあれで…剣だけで、400対1で勝つそうです。訓練でそうなったそうです。」
 葉隠はさらに声を小さくして耳打ちした。
「は?」
「そのくらい強くて、一軍に匹敵するとか。」
「ありえんわー。」
「でも最低でもあの人たち…霊体切れてましたよね。」
「あ…さらにありえんわ。普通に。」
 零体が多い子のパーティで。零体が切れるあの二人は最低でも要注意しなくてはならなかった。
「おーい!こっちに地下への入り口が見つかったぞ!」
「はーい!」
 慌てて追いかけるが、それでも二人が狩りで、手加減したタミさんがぎりぎりなら…と考えてしまった。
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