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第9章 よそのダンマス求めて300里
第340話 戦闘シーンに何もない事は本当は少ない
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軽口をたたいてみるも、タミさんもあせっていた。実際ステータスは数十倍もうえであろうシングルモンスターとしても上のはずのステータスを持つタミさんでも、相手の剣士の技量は相当うえで、ギリギリ見える範囲をすべてカバーしてようやくガードができるくらいの技量の差があった。
「逆さ払い残月!」
女性が体を低くし、突進すると、それに合わせ隊長が腕を突き出す。
「これで!」
突き出した手が光り閃光が部屋を覆う。そして、その手の動きを見ているうちにタミさんの胴体は薙ぎ払われた…がそれにタミさんが揺らぐことはない。
「んだよ!」
タミさんが払い抜けようとした女性の方を持とうとすると、女性はそのまま腕を捻り、そのままその手を片刃の剣で受ける。
「せい!」
そして踊るように体を相手の勢いを利用し浮かせ、反転すると、そのままの回転を生かしもう一回胴を跳ねる。そしてその勢いのまま体をひねり、上段から打ちおろし2撃を加える。それはあまりに綺麗な連撃と返しだった。が、タミさんは耐えていた。が、焦りはどんどん強くなっていた。
『プロセス第二シーケンス突入。周囲コヒーランス時空セッティング開始。』
「この程度ぉ!」
タミさんは女性を睨むが、その隙を狙い、隊長がタミさんの頭に亜k束の剣を突き刺す…がまだ生きている。
「…お前!」
一応零体であり、本来なら物理の効かないタミさんであるが…この女性の攻撃の一部はダメージが入り、痛みを伴っていた。しかもどう見てもその件は魔法とか付与とかそう言う物はついていない。ありえないはずの一撃だ。
『…0…0…0…第2シーケンス、実行失敗しました…。修理デバッグからの第2シーケンスタイプ”メリリア”実行準備…。』
「貴様!何者だ!」
隊長が吠える。
「んだば!急に切ってきた奴に答えるあれはないべ!」
「仕方ない、ナギサ、お前はそっちの雑魚を担当しろ。私はこいつを抑える、その間にあの子供を救出しろ。」
「分かりました兄上。」
そう言うと女性は黒川たちに向き変える。
『”メリリア”プログラム実行失敗、原因解析プロセス開始。周囲魔素計測開始…。』
「お前たち…。」
「盗賊共!その子を放せ!卑怯者が!」
黒川は懐から武器を出すふりをしてダークマターから武器を作り出し、構える。
「一つ言っていいか?」
『周囲魔素、タイプ識別パターン解析開始。』
「なんだ!」
「…お前ら、あの声は気にならんのか?」
黒川も含め、部屋全体に響く声は機械的でかつ、この世界にありそうもない物だった。
「…どういう意味だ?」
「第一おかしいと思わないのか?あの声も。そして盗賊もいない事に。お前ら!今は手を引け!」
「隊長!」
隊長と思しき男は…じっと全員を睨んだ。
「お前ら…。」
「…お前たち、前もって言っておく、今は剣を引け。”月下の庭園”ども。」
「…お前ら!」
「今は勘違いで済ませてやる。が…次はない。やった場合は潰す。」
黒川も、持ている武器をドスに変更し、睨みつける。
「…お前ら。名を名乗れ。」
「…そっちから名乗れ!ケツも拭けんか!」
『周囲魔素、取得率0.2%』
「…ナギサ、引け。お前たち…。」
隊長の言葉に全員が動きを止める。
「分かった、あえて非礼を詫びよう。私は三日月月光。そちらは…魔人同盟トップ。黒川とお見受けする。この地に何用か?」
「この人が月光…。」
音無も何か衝撃を受けた感じだった。
「まず、ここはたまたま立ち寄っただけだ。それにお前たちが突っ込んできた。死ぬかはともかくその場合は分かっているな。」
ダンジョン外に出たダンジョンマスターは制限さえ解除してあればどっちかが死んでも、もう一方があればいつでも復活する。その為ダンジョンマスターを殺すことは基本不可能に近い。当然黒川が死ねば敵対は魔人連合側に伝わり、戦争になる。最悪”月下の庭園”袋叩きの状況もありえた。
「いずれ滅ぼす…と言いたいが…ここは、休戦しよう。盗賊は見なかったのか?」
「見かけていない。ここも夜露をしのげるかと思って来た。」
「…兄上。」
『周囲魔素取得率0.24%』
「分かった、ここは…引くのか?」
「いや、第一ここについてお前たちはどうして来た?それにこれは?」
無機質な声は流れ、周囲にいきなり響く。が、鳥での探索は途中で何があるのかわからないうちにこいつらが突っ込んできた。
「…我々は近隣の住民に雇われた”傭兵団”だ。ここにいるという盗賊の被害で雇われて討伐に来たんだが…。お前ら、周囲を探索しろ、何があるかわからん!」
『周囲魔素取得失敗。強制的に第3シーケンスに移行します。ミダセル時空展開開始。』
何かわからないが、何かが進行しているようだ。それは理解した。が、それは何なのか、全員が意味不明のまま…とりあえず周囲をお互いで探索することにした。
「逆さ払い残月!」
女性が体を低くし、突進すると、それに合わせ隊長が腕を突き出す。
「これで!」
突き出した手が光り閃光が部屋を覆う。そして、その手の動きを見ているうちにタミさんの胴体は薙ぎ払われた…がそれにタミさんが揺らぐことはない。
「んだよ!」
タミさんが払い抜けようとした女性の方を持とうとすると、女性はそのまま腕を捻り、そのままその手を片刃の剣で受ける。
「せい!」
そして踊るように体を相手の勢いを利用し浮かせ、反転すると、そのままの回転を生かしもう一回胴を跳ねる。そしてその勢いのまま体をひねり、上段から打ちおろし2撃を加える。それはあまりに綺麗な連撃と返しだった。が、タミさんは耐えていた。が、焦りはどんどん強くなっていた。
『プロセス第二シーケンス突入。周囲コヒーランス時空セッティング開始。』
「この程度ぉ!」
タミさんは女性を睨むが、その隙を狙い、隊長がタミさんの頭に亜k束の剣を突き刺す…がまだ生きている。
「…お前!」
一応零体であり、本来なら物理の効かないタミさんであるが…この女性の攻撃の一部はダメージが入り、痛みを伴っていた。しかもどう見てもその件は魔法とか付与とかそう言う物はついていない。ありえないはずの一撃だ。
『…0…0…0…第2シーケンス、実行失敗しました…。修理デバッグからの第2シーケンスタイプ”メリリア”実行準備…。』
「貴様!何者だ!」
隊長が吠える。
「んだば!急に切ってきた奴に答えるあれはないべ!」
「仕方ない、ナギサ、お前はそっちの雑魚を担当しろ。私はこいつを抑える、その間にあの子供を救出しろ。」
「分かりました兄上。」
そう言うと女性は黒川たちに向き変える。
『”メリリア”プログラム実行失敗、原因解析プロセス開始。周囲魔素計測開始…。』
「お前たち…。」
「盗賊共!その子を放せ!卑怯者が!」
黒川は懐から武器を出すふりをしてダークマターから武器を作り出し、構える。
「一つ言っていいか?」
『周囲魔素、タイプ識別パターン解析開始。』
「なんだ!」
「…お前ら、あの声は気にならんのか?」
黒川も含め、部屋全体に響く声は機械的でかつ、この世界にありそうもない物だった。
「…どういう意味だ?」
「第一おかしいと思わないのか?あの声も。そして盗賊もいない事に。お前ら!今は手を引け!」
「隊長!」
隊長と思しき男は…じっと全員を睨んだ。
「お前ら…。」
「…お前たち、前もって言っておく、今は剣を引け。”月下の庭園”ども。」
「…お前ら!」
「今は勘違いで済ませてやる。が…次はない。やった場合は潰す。」
黒川も、持ている武器をドスに変更し、睨みつける。
「…お前ら。名を名乗れ。」
「…そっちから名乗れ!ケツも拭けんか!」
『周囲魔素、取得率0.2%』
「…ナギサ、引け。お前たち…。」
隊長の言葉に全員が動きを止める。
「分かった、あえて非礼を詫びよう。私は三日月月光。そちらは…魔人同盟トップ。黒川とお見受けする。この地に何用か?」
「この人が月光…。」
音無も何か衝撃を受けた感じだった。
「まず、ここはたまたま立ち寄っただけだ。それにお前たちが突っ込んできた。死ぬかはともかくその場合は分かっているな。」
ダンジョン外に出たダンジョンマスターは制限さえ解除してあればどっちかが死んでも、もう一方があればいつでも復活する。その為ダンジョンマスターを殺すことは基本不可能に近い。当然黒川が死ねば敵対は魔人連合側に伝わり、戦争になる。最悪”月下の庭園”袋叩きの状況もありえた。
「いずれ滅ぼす…と言いたいが…ここは、休戦しよう。盗賊は見なかったのか?」
「見かけていない。ここも夜露をしのげるかと思って来た。」
「…兄上。」
『周囲魔素取得率0.24%』
「分かった、ここは…引くのか?」
「いや、第一ここについてお前たちはどうして来た?それにこれは?」
無機質な声は流れ、周囲にいきなり響く。が、鳥での探索は途中で何があるのかわからないうちにこいつらが突っ込んできた。
「…我々は近隣の住民に雇われた”傭兵団”だ。ここにいるという盗賊の被害で雇われて討伐に来たんだが…。お前ら、周囲を探索しろ、何があるかわからん!」
『周囲魔素取得失敗。強制的に第3シーケンスに移行します。ミダセル時空展開開始。』
何かわからないが、何かが進行しているようだ。それは理解した。が、それは何なのか、全員が意味不明のまま…とりあえず周囲をお互いで探索することにした。
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