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第9章 よそのダンマス求めて300里

第339話 ゲームで出てくるピカピカの古城

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 どうしようもないので全員は行ってみる事にした、人の気配も感じないのに隠れているのもおかしいと感じたからだ。小鳥には周囲の探索に出てもらった。盗賊が全員移動中とも考えられたからだ。
「何もないわね。」
 奥原の言葉に陽華も恐る恐る頷く。黒川も入っていくが…。
「ですね。本当、ここが…何があったんでしょう。」
「おかしい。」
「ああ、気をつけろ、異常過ぎる。ここにも何もない。」
 黒川は顔をしかめ…周囲を見渡す。
「どうしてよ、何もないじゃん。」
「何もないからだ。よく考えてみろ、どうして部屋に何もない、砦に普通家具は置く、逃げるにしてもそんな家具まで持って行くか?戦闘があって全滅したのならその傷跡も無いといけないんだぞ。それが何もない?」
「…そうなの?」
「ああ、戦争をしていたからな、逃げる側の気持ちが分かる。こんなきれいな廃墟はおかしい。」
 よく見てみれば、家具一つなく、壁に傷跡一つない。しかも埃もない。廃墟のはずの建物が、又は人がいた形跡があったにしては様子がおかしすぎる。
「領域は?」
 陽華が首を横に振る。
「ねえっぺ。ここは領域誰も取ってないべ。」
「猶更ありえん。第一、この放置された砦をどうやってここまで完膚なき迄綺麗にできる?埃一つないぞ。」
 黒川の疑問も、そう言われてみればそうだという…不気味な感じだった。黒川が近くの壁を指でなぜても…汚れ一つなかった。
 
「タミ様ぁ。こちらに…!」
 捜索隊が、一階を周り終わるころ。偵察部隊の小鳥が…建物の中に飛び込む。
「こちらに近づく一団があるのですぅ。」
「んだば?」
「…やられたか?ここは罠だったという訳か?」
「んだ場?どんな奴らだっぺ?」
「鎧着た6人組だぁ。2人は剣…だったと思うだぁ。」
「はっきりしないな。」
「寄ろうとすると、こっちさ睨むよぉ。寄れん寄れん。」
 小鳥の外見の為、気が付きにくいはずだが…それでも気が付き、警戒されるという事は…かなりの腕が立つという可能性がある。
「できれば、情報を。」
「ん。二人は剣…んで…。」
 その言葉にタミさんが手を挙げ、止める。そして、手で壁に隠れるように合図を送る。
「きたべ。思ったより早いべ。」
 少し…静寂が訪れると…鉄のこすれる音が聞こえる。結構テンポが速いようだ。

「この砦…。あいかわわず盗賊ほいほいだよな。」
「隊長、ここ制圧しちゃいましょうよ。」
 5人男性と一人の女性で編成されたチームは手慣れた感じで砦内に入る。
「…おかしい。」
「どうしました?兄上。」
「さっきから人の気配がしない。聞いた話だとここだよな。ここまで…盗賊がいるはずなのに誰もいないとか…。おかしくないか?大岩。フォーメーションB準備だ。」
「どうしてだよ?」
「待ち伏せの可能性がある。第一、いるはずのない盗賊がいないんだぞ。しかも気配もしない。音もない。おかしくないか?」
 隊長らしき人間はブレストプレート付け、髪の毛は黒く…そして後ろで束ねていた。そして刀は抜いていないもの添えていた。
「分かったぜ。隊長。じゃあ、宮城、後ろ頼んだ。」
 一人周囲よりは一回り大きい古プレートの男が縦を取り出し、先頭を歩く。
「でも相変わらずここはぼろいな。」
 宮城と呼ばれた男は周囲を見渡し、他のメンバーは先攻して歩く。
「言うな、盗賊は住民の邪魔なんだ。これも仕事だ。」
「兄上。流石です。」
 女性が声を上げ、次の言葉と継ごうとした時。隊長らしき男性は手を挙げ、ある部屋を指さす。そして、顎を振り進行方向を示す。全員が大きくうなずくと、侵攻を開始した。
「でもあれだ。盗賊は見当たらないな。」
「はい、兄上。」
「どこにいるんだ?」
 大岩が前を進む。そして標的の部屋の前の資格に隠れる。
「それが分かれば苦はないかと。」
 そして大岩は、腰に下げた愛用のメイスを手に握り、盾をかざし一機に突っ込む。
「どっこいせぇ!」
 が、それはなぞのメイド女性の一言で逆に大岩は吹き飛ばされ、壁に打ち付けられる。
「兄上!」
 その隙間に女性がツッコミ部屋になだれ込む。そこには黒川たち3名、そして音無たち勇者パーティ5名。そしてメイド服のタミさんが…こちらも構えていた。
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