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第8章 勇者プロデューサーへの道

第293話 あれ?勇者の様子が?

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「でもどうするだわさ。」
 周囲は街道沿いの森林で、寝る場所も、何もない、ついでに街道沿いに野宿するときは基本”道路から100m以上離す。”でないと街道を通る兵士や盗賊に襲われかねない。こういう時でも一番怖いのが”人間”だと思う、まだ動物のほうが…楽だ。後こっちには”土変化”がある。なので土壁を作って寝れば基本安全に野営できる。
「今日は休もう。と言ってもここで寝るのは問題がある、」
「だな。」
 周囲を見れば…そうだな。
「あれをやってみる、まあいいだろ…。」
「そう言えば、あれは、寝てるときでも大丈夫だわさ?」
「分からん、やったことない。」
「…ならし…。。」
「実験台にするなよ!}
 シロウが声を荒立てる、
「なら起きてから抱えて突っ込め。それでいい。後…あんまり…。」
「分かってるだわさ。言ってくるだわさ。」
 人がいないと戻るのか…でも…髪の毛を下げて普通になった鳥海さんは…残念女子の思考でないなら、普通に勝ち組だと思うぞ…。

 私は結局影をすぐ近くの木の裏側に貼り付けると、そのまま歩き出しだ。単純な事で影世界で移動させるから彼らをこのまま休ませ。自分一人が先行すればいい。影だけを”変身”から解いた上でさらに影変化で弄って伸ばしてテレポートもできるが…。実は実験場で無茶苦茶微妙なのが分かっている、影は当然地面に張り付く。なので、当然空中に行って”影移動”を使っても自分の影のある所か連携させだ影残しの射程ギリギリまでしかできない。当然。地面に降りるし、しかももっとひどい事に距離の総計は影の長さに比例する。すなわち、影を伸ばせる箇所の限界にしか飛ばせない、なので、俗にいう転移魔法というところまでの便利さはない。一応ブーストで後光に連携影残しを行い、後光で照らされた影を残すことは可能だが…非常に今度はMPの消費が大きくなる、なので…。
「ゴーレム。」
 人間型のゴーレムに背負子を付けた物を召喚する。その上に飛び乗り、パワーを注ぎ込む、このパワーを注ぎ込むのも”土魔法”の効果だ。ついでに効果時間が終わったこの土は”魔素汚染された土”として表示される。そのゴーレムの籠に飛び乗る。
「行け!」
 人間型にしたのは高所を確保するのと。悪路を走破するようにである。意外と石が多い、がパワーは多めに注ぎ込んだので…ただ問題がある。ゴーレムは素材によってパワーを入れる上限がある。中抜きゴーレムは軽いが”空気”も多く、また空気はパワー上限値が0で素材を詰め込まないと、上がらない。…ついでに割れても音がしない。
「…揺れる。耐えれるが…あ・・。」
 なんと余りのゴーレムの揺れにHPがちょっとづつ減っている。、うわ…。またMPも同時に減ってる。これ、変に乗り心地悪い乗り物作ると、HPが減って死ぬとは言わないが…。酔うな。
「風の結界。」
 自分の周囲に風の結界を張り、空気の層を作り、どうにか揺れを軽減する。が感覚としては維持を代償にHPが減らないだけだ。

 ただ、爆走状態を会堂で見られると困るので、途中一回停めて。ゴーレムの体を細く再生成して森林の中を進むことにした。時々降りて、真上に飛ぶことで都市の方向を確認しつつ、夕方まで走ると…。影世界を展開し、合図を送る。
「意外と進んでないだわさ。」
「…。まあな。ゴーレムで森林走るのはだめだ。第一よく考えて…。」
「感知されたいだわさ?」
 …確かに早すぎれば南が感知する。
「なら文句言うな。」
「だからだわさ。」
 そう言う二人は男の方はシロウが、女性2名は会長が抱えていた。
「え?」
「ああ、ちょっといろいろはしょった。」
 3人は唖然とて…いや呆然としていた。それはそうだ。影に飛び込み、いつの間にか外の森林に出ていたのだ。
「あんたらは休んで…と言いたいが…。テントとか持ってるか?」
「いえ、野宿です。毛布はないので、」
「マントだ。」
 飯垣は自分の背中のマントの端をつかむ。
「ギルドでは野営と防御のために、マントを推奨してますね。」
 確かに大きめのマントで厚めに作れば寝具の代わりとなるし、なにしろ”背後ダメージ”の軽減になる。色を派手につけておけば、遠くからの視認率も上がる。それに対して私たちは何もつけてないな。
「そう言うものか?」
「はい。」
 よくファッションにあるケープクラスだと。寝具にはならんな、ある意味実益品だが…。
「…魔法があるのだろ?」
「はい、一応。」
 勇者たちは立ち上がると、背中のリュックから食べ物を出していく。そして、カードを弄り…食事を取り出す。大方これはショップ機能から、楽園の”冒険者セット”を買っているのだろう。
「ん?」
「どうしただわさ?」
「魔法があって勇者がいるのだろ?何でダークボックスを使わないんだ?」
「「え?」」
 勇者たちは気が付いていないようだ。
「貧乏かもしれないだわさ。」
「確かにそうかもしれんが、勇者に特権があるなら、闇魔法の3ぐらい渡すだろ?」
「いや、意外と冒険者だろ?分からないぜ、飯は買えるから、寝具以外いらないってコンセプトだろ?」
「すまない、ダークボックスってなんだ?」
 飯野がフルフルと手を上げる、
「ああ、闇魔法のレベル4だ。そうだな、実演してみるか。」
 そう言うと私はカードで冒険者弁当を買う、お、今日はサンドイッチセットとから揚げか。意外といい組み合わせだな。
「これがあるだろ?」
 そう言うと冒険者セットからサンドイッチを一個取り出す。
「で、これをこうする。」
 そう言うと、影を操り体の前にせり出すと、その中にサンドイッチを落とす。
「あ!」
 一応地面には影があるが、見た感じは地面にサンドイッチを落としている、
「みてみるとわかるが、もうそこには何もない。」
 地面にはサンドイッチはない。
「はい。」
「で…。」
 手を出すと、影自信を操り、肩ぐらいまで伸ばす…そして。
「この通り。」
 ダークボックスからサンドイッチが手の上に乗る。
「「おおー!」」
 勇者たちが驚いているが…サンドイッチにまだマヨネーズが無いせいかパンサンドだな…。まだサンドイッチというまでの洗練された物はないな。
「意外と器用だわさ。」
「だな。」
 いや、これ位やるぞ、特にログハウス組み立てて、釘を落としたときとか。
「これがダークボックスだ。収納できるし、入れている間は道具の時間も止まる、」
 ただこれをサンテに聞いたところ謝られた。実は時間を停めるほうが”低品質”で時間が少しでも経過する方が”高級”らしかった。というのも影に入れっぱなしにして自然発酵させたり、時間が経過するものの方がよりできる事が大いかららしい。ただしこの機能を投入すると文字通り世界は破滅するんだそうで。だから無理だそうだ…。
「すげぇ…。」
「ひえー。」
「アイテムボックスだ―。でもアレですね、アイテムボックスのスキルとは違うんですね。」
「まあなというか、そんなスキルもあるのか。」
「はい、聞いたことがあります、」
 やはり定番スキルがあるんだな…。
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