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第7章 魔界慰安旅行一泊二日

第280話 教授の章 森の賢者

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 ダンジョンに入ってメイズを突き進む、一応二人に見える存在だが実際は4人だ。教授の影にはブラックが隠れ、憑依していて、さらに、MP枯渇でノックダウンしてる
ジャンのゴーレムの横にはオウルが付いている、
「ギギ?」
 現れた不幸なゴブリンの顔を白い光の屋が突き刺さる、
「その魔法は?」
「ああ、マジックアローだのぉ。」
 オウルはこともなげに答える。
「その魔法を見るのは初めてでね。」
「ああ、賢者専用の攻撃魔法での?属性職のない、その代わり消費の低い攻撃魔法。」
 フクロウは動くこともなく、じっと周囲を確認している、
「そんなものがあったのか…我が知人はそんなものは使わないのでね?」
「そうか…。それは残念だな。攻撃魔法は便利。そう言う感じだのぉ。ホッホッホ。」
「ああ、一応こいつは、上何番には強い。身内ではな。」
「ふむ、それを言い出したら、無限大に対象がいるぞ、と言おうと思ったらそうでもないな…勇者たちにしてもまれだ。それに…詠唱もないな。」
「ホッホッホ。賢者の特典でのぉ?が…。後、そこ、左だ。」
「ブラックによる強硬偵察が必要かと思ったが?」
「大丈夫だ。私の感知範囲もそれなりだからのぉ。それに、これ位しないとマスターに悪い、」
「そう言う物か?忠義心が違うな…。」
「飯がもらえなさそうだからのぉ、」
「はあ?あんた普通に狩りに行って飯自分で食うじゃねえか!」
 ジャンの弱弱しい声が響く、
「…まあ確かにの。」
「そう言えば昨日の宿は二人だったが?」
「ああ、ディルは情報収集で、こいつは勝手に外で気に泊って、偵察だ。その方が安心するんだと。で俺が宿に泊まる。で、外見は一人でゴーレム車動かすんだがその方が餌が引っ掛かってちょうどいいんだ。まあ、危険地帯に行くなら、これ位ほしいんだが。」
 のっしのっしと歩き、術者を担ぐゴーレムを指さす。
「そう言うのも便利だな。今度から請求しておくか…。」
「アーシィに頼めばいい。必要ない。」
 ブラックが成就の裏から現れ、肩にしがみつく。が気にしないように教授は歩く。
「ホッホッホ。一応言っておくと、魔法は複数ある方が楽しいのぉ。シナジーって奴だ。」
「どういう意味?」
「一応、やってみるか、こういう事だ。」
 オウルが人なきすると、小さい姿の黒い人形が虚空から現れ、動き始める。
「何これ?」
「ゴーレムの”材料変更”に”ダークマター”を連携させた。シャドウゴーレムってものだの。」
「え?」
「材料がない時の緊急回避用だのぉ。」
 器用に歩く小型人形型の黒いゴーレムを見つめていた。
「ただしダークマターの容量も爆発的に食うので、今は趣味の範囲でしかない。がの?こういうシナジーがいくつも魔法にある。だからこそ。極めがいがある、」
「ふむ、確かに面白いな。」
「消すぞ。維持も大変だからのお。」
「どういうことだ?」
「ああ、ダークマターの維持と、ゴーレム作成の維持が絡むために維持費が莫大でのぉ。維持は難しいのぉ。しかも柔らかくて壊れやすい。だからまだ実用化に至らんからのぉ。」
 そう言うと徐々に小さくなり、人形は消えた。
「むむ。」
「魔法に自信を持ってばかりだと、いずれ掬われる。マスターはそれこそ、何もない所から勝ってきた。だからこそ…。色々な手札は取っておいた方がいいぞ。」
「…分かった…。」
 不満そうにブラックは影に潜っていった。
「いいのか?」
「珍しいぐらいに殊勝で私が考えさせられるほどだ。確かにシナジーはいくつも存在するからな。」
「攻撃魔法とか弱体はないがの。」
「そうなのか?」
「何の反応もない魔法や、効果だけ産む魔法だからのぉ。検証しておる、」
「流石賢者だな。」
「でもまあ…。賢者か…。」
 しばらく歩くと、数人の鎧を着た人間の足音が響く。
「なんだ?」
 その足音はダンジョンに不釣り合いな…金属音を響かせていた。
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