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第7章 魔界慰安旅行一泊二日
第274話 あの村は今
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「モアレがそんな事を…。」
村長でもあるモアレの父と一緒に流れ者の村を歩いている。
「だそうですよ、今ゴルド城で練習中ですよ。」
「確かに部一辺倒でした。生きるに必要ですから、それがこうなるんですか…。」
そう言う気持ちもわかる、ほんの数年前までモアレたちは子供であり、狩人になり、そして村を逃げそして、村長になった。そしていつの間にか将軍になり、この地方を
治めるようになった。
「ですね。」
「そしてこんなに人がいる、そう言えば、村の名前を変えて欲しいとの嘆願が多いんですよ。魔導士様。」
「そうですか…彼女にもその辺を任せてもよかったが。」
「あの子が言うには、あなた様に任せたいと、」
「そうか…。」
そう言えば最近は全く開拓にタッチできていない。書類もすべてモアレでストップするからだ。
「で、どうです、こっちは忙しくて来れなかったんですけどね。」
一応実は、記憶はある、というのも、フェルミィがモアレに頼まれて、いくつもの設計を行っていた。建物、道具等だ。問題を聞けば、その材料を探し、物を作っていく。その為…一応頼まれた物は渡したという感じがしている、がそれがどうなったかの記憶がない。自覚なきチートって奴である、まあ、利用範囲はわかっているし、サンテはいる。だからこそ、信頼はしているんだけどね。
「発展していますな、そろそろ街にも匹敵するでしょうな。隣の町よりも今、ここは人がいますよ。」
「あれ?奥地のほうがいるんじゃなかったですか?」
「ああ、向こうの村はもっといますよ、今は最果ての町という異名で知られていますよ。」
町か、この話もフェルミィから聞いていた。これも去年からの風潮で今帝国では西の地が”美食の地”として人気を博し、まあ、確かに今シロウのいる村ではハムの生産を本格化せていた。メッチャングという塩の産地が近く、且つ獣が”ばらまける”という観点では一番立地がいいのは向こうの村である、ただ、それ位なら畜産に手を出した方
が良いというのが自分の持論だ、こっちでは当然畜産に踏み切っている、味が天然から劣化しても自分で育てさせた方がずっと自然だ、ごまかすにしてもね。ってことで鶏小屋がある、が田舎なんだが…。まあ当然と言えば当然で烏骨鶏も元気だ。
「でもまあ、人口の方は?」
「現在そろそろ3700人を超えそうで、増築も6回は頼みましたな。」
「という事は南側も?」
「はい、そろそろ、間の草原地が消え直接の家という感じですな。」
そうなるとあれだ、外の狩場がなくなってきたぞ、…ダンジョン内は広さを優先して高さがないから、入れる場所が本気でない、これは山脈で背伸びするか?あそこは
…木が多いから遊べない。
「まあ、向こうはもっと多いそうですが、この街道も人通りが多くなり、ここに来る人も増えましたからなあ…。」
「そうなんですか?」
「村人も多くは官職に付いてますからなぁ。それに魔法の訓練の効果も出始めているようで。」
「ふむ、確かに…。」
初期の村人50人はもうほとんどが、何かの長として行動していた。そして、念願だった家具工房も完成、現在はオーダーメイド+時間が余れば既製品の作成となり、ついでに畳の作成も開始させた。小上がりを作るためだ。靴は実は結構監修で問題な事が多い、海外に日本文化を説明した際に結構問題になったのがこの、靴問題だった。ドイツでは靴を履いたまま一生過ごすという話が出るレベルに”靴を脱がない”にもかかわらず、日本家屋は土足厳禁だ。で、そんな人間が靴を脱ぐと基本”臭い”。当然臭い。日本人だと我慢してもらえるが、それが”同種族”だと違う。その為に様々な問題があったと、昔見た建築雑誌で見たことがあった。という事は当然この世界の人間も同じだろう。
「そう言えば、軒下はどれくらい…。」
「ああ、それがほどんと普及しませんでしたね。魔導士様推挙ではあるんですけどね。ベンチでいいという話が多くて。」
この調子では畳の良さの普及は難しいのだろうか。
「仕方ないですが、販売は継続お願いします。」
「はい、でも家具ですか…。」
「こういう技巧が増えて行けば生活が良くなり、うかつに殺せなくなります、村人を狙うにしても職人は作れる”技術”がある限り、価値を知る者は殺さなくなるでしょう。」
「そう言う物ですか、そう言えば革製品の”なめし”も教えてよかったんですか?」
「あれはないと困ります、特に都市部では。」
ダンジョンから毛皮が多く産出され、吸収してもよかったのだが大物である”バイラード”の皮に至っては別の価値が生まれた。”ゴム製品”の代わりだ。あの分厚い革はなめすと衝撃吸収率が高く、且つ厚い。なので、とても高額で買い取られている、最悪貴族の命令があり、金額が提示されれば軍隊が狩りに行くレベルだ。但しうちには
レベリングのついでに大量に余らせてある、DP高いけど。この防具を使った”複層装甲”や”衝撃吸収材”としての価値があり、その為最近取引金額が上がっている。この調子でドラゴンスケイルなんて使った防具が完成したらどうなるんだろうか…。
村長でもあるモアレの父と一緒に流れ者の村を歩いている。
「だそうですよ、今ゴルド城で練習中ですよ。」
「確かに部一辺倒でした。生きるに必要ですから、それがこうなるんですか…。」
そう言う気持ちもわかる、ほんの数年前までモアレたちは子供であり、狩人になり、そして村を逃げそして、村長になった。そしていつの間にか将軍になり、この地方を
治めるようになった。
「ですね。」
「そしてこんなに人がいる、そう言えば、村の名前を変えて欲しいとの嘆願が多いんですよ。魔導士様。」
「そうですか…彼女にもその辺を任せてもよかったが。」
「あの子が言うには、あなた様に任せたいと、」
「そうか…。」
そう言えば最近は全く開拓にタッチできていない。書類もすべてモアレでストップするからだ。
「で、どうです、こっちは忙しくて来れなかったんですけどね。」
一応実は、記憶はある、というのも、フェルミィがモアレに頼まれて、いくつもの設計を行っていた。建物、道具等だ。問題を聞けば、その材料を探し、物を作っていく。その為…一応頼まれた物は渡したという感じがしている、がそれがどうなったかの記憶がない。自覚なきチートって奴である、まあ、利用範囲はわかっているし、サンテはいる。だからこそ、信頼はしているんだけどね。
「発展していますな、そろそろ街にも匹敵するでしょうな。隣の町よりも今、ここは人がいますよ。」
「あれ?奥地のほうがいるんじゃなかったですか?」
「ああ、向こうの村はもっといますよ、今は最果ての町という異名で知られていますよ。」
町か、この話もフェルミィから聞いていた。これも去年からの風潮で今帝国では西の地が”美食の地”として人気を博し、まあ、確かに今シロウのいる村ではハムの生産を本格化せていた。メッチャングという塩の産地が近く、且つ獣が”ばらまける”という観点では一番立地がいいのは向こうの村である、ただ、それ位なら畜産に手を出した方
が良いというのが自分の持論だ、こっちでは当然畜産に踏み切っている、味が天然から劣化しても自分で育てさせた方がずっと自然だ、ごまかすにしてもね。ってことで鶏小屋がある、が田舎なんだが…。まあ当然と言えば当然で烏骨鶏も元気だ。
「でもまあ、人口の方は?」
「現在そろそろ3700人を超えそうで、増築も6回は頼みましたな。」
「という事は南側も?」
「はい、そろそろ、間の草原地が消え直接の家という感じですな。」
そうなるとあれだ、外の狩場がなくなってきたぞ、…ダンジョン内は広さを優先して高さがないから、入れる場所が本気でない、これは山脈で背伸びするか?あそこは
…木が多いから遊べない。
「まあ、向こうはもっと多いそうですが、この街道も人通りが多くなり、ここに来る人も増えましたからなあ…。」
「そうなんですか?」
「村人も多くは官職に付いてますからなぁ。それに魔法の訓練の効果も出始めているようで。」
「ふむ、確かに…。」
初期の村人50人はもうほとんどが、何かの長として行動していた。そして、念願だった家具工房も完成、現在はオーダーメイド+時間が余れば既製品の作成となり、ついでに畳の作成も開始させた。小上がりを作るためだ。靴は実は結構監修で問題な事が多い、海外に日本文化を説明した際に結構問題になったのがこの、靴問題だった。ドイツでは靴を履いたまま一生過ごすという話が出るレベルに”靴を脱がない”にもかかわらず、日本家屋は土足厳禁だ。で、そんな人間が靴を脱ぐと基本”臭い”。当然臭い。日本人だと我慢してもらえるが、それが”同種族”だと違う。その為に様々な問題があったと、昔見た建築雑誌で見たことがあった。という事は当然この世界の人間も同じだろう。
「そう言えば、軒下はどれくらい…。」
「ああ、それがほどんと普及しませんでしたね。魔導士様推挙ではあるんですけどね。ベンチでいいという話が多くて。」
この調子では畳の良さの普及は難しいのだろうか。
「仕方ないですが、販売は継続お願いします。」
「はい、でも家具ですか…。」
「こういう技巧が増えて行けば生活が良くなり、うかつに殺せなくなります、村人を狙うにしても職人は作れる”技術”がある限り、価値を知る者は殺さなくなるでしょう。」
「そう言う物ですか、そう言えば革製品の”なめし”も教えてよかったんですか?」
「あれはないと困ります、特に都市部では。」
ダンジョンから毛皮が多く産出され、吸収してもよかったのだが大物である”バイラード”の皮に至っては別の価値が生まれた。”ゴム製品”の代わりだ。あの分厚い革はなめすと衝撃吸収率が高く、且つ厚い。なので、とても高額で買い取られている、最悪貴族の命令があり、金額が提示されれば軍隊が狩りに行くレベルだ。但しうちには
レベリングのついでに大量に余らせてある、DP高いけど。この防具を使った”複層装甲”や”衝撃吸収材”としての価値があり、その為最近取引金額が上がっている。この調子でドラゴンスケイルなんて使った防具が完成したらどうなるんだろうか…。
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