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第7章 魔界慰安旅行一泊二日

第260話 報連相は危機的状況では必須です。

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「という事は。謎があるだわさ?」
「ああ、強制退去で脱出だから、タイムリミットが終われば。」
 宿はそれなりにというか木賃宿だった。どうも食事付きは珍しいうえに基本冒険者は金がない。そこでこういう旅行者向け木賃宿(素泊りのみ)の宿だった。が、ギルド提携だけあってビジネスホテルを思わせる、作りだ。で、そのベットと小さい椅子の上で6人が集まり、…ビジネスホテルの会議みたいな空気の中、一応楽園製の冒険者セットをつまみに飲み食いしている。今度から、魔界で飲むようにショップに”シードル”置いておくべきか…。ランキング対象外なら買われないだろうし、一応売り買いできるサブマスターショップとか、後同盟ショップで買うのもありか…。
「じゃあ、どうやって帰るのの?」
「何かある。と見てる。時間というのはわかっている。」
「時間?」
「ああ、仮定が仮定だから何とも言えない。」
 そう、ヒントは時間だ。が、だから何としか言えない。
「後、さっきの話からすると…。」
「ああ、大方、今日やった連中がパワーアップして。どこかに出る可能性がある。又は別の形でな。」
「そうなるときついぞ、倒すな?か?」
 あの時は絡まれたのを防いだ段階で呼子が使われ、それに反応して、3か所の巨大”対抗組織”全員が集まった。自分たちの部下が襲われたと思って。でそこにいた戦闘中の俺達がターゲットとなり、5対十数万とかいう無双になったわけだ。
「という事は、無限増殖する敵。って事?」
「そういう事らしい、だから、ハーリスさんの仲間が警告に来た。あれ以上やられると”生態系破壊”になりかねないから。」
「凄いだわさ。それならここでは経験値を溜め放題だわさ。」
 そうなる、但し数とか注意しないといけない。場所とかだ。
「でも、そんなに…。」
「後、注意したほうがいい、ここの町民基本…40レベルある、」
「は?」
 実はその話からすると、人間の町は全て寝返る可能性がある。と思った。モンスターの姿出来たら当然個の門番はカットしに来る。そして呼子発動から城の部隊が来る。なら…。強さは?
「一応気になって調べてみた。最低で42レベル歩いている兵士が基本”騎士”の40レベルだ。」
 ギルド職員に至っては冒険者系の職業の基本70レベル越えだ。勝てる気がしない。中位職業の騎士なので、レベル表記+10レベルが正確な値だ。
「下手なことはできないって事ね。」
 奥原さんもうなる。そんな事になっているとは思わないだろう、全員。勇者よりレベルが高い可能性があるのだ。全員。
「そういう事。だから、明日、何も起きないなら、そのままこの王都を観光してみる。この金カードがある限り扱いはいいだろうしね。」
「あれだ、厄介事来るんじゃねえか?」
 シロウが楽園に売っていた”エルフワイン”を飲んでいるが、あんまりいい顔してないな
「だとしても…。」
「あれは基本対処法がまずいだわさ。関わりたくないなら一番いいのは適当に王様の依頼を受けてで、依頼でっち上げて、山にでも籠って家でも作ればいいだわさ。わざわざ利便性とか天秤にしてるからどうにもならなくなるだわさ。国から依頼を受けた後に、知り合いの道具屋でも行って、適当に話聞いて。で、そのまま出て行けばいいだわさ。ついでに暗殺者送るとかいうレベルになるには数回の国家救済が欲しいだわさ。そんなに救う前に田舎でも行けばいいだわさ。」
 身もふたもないな、確かに、政治担当が言うだけあって凄いインパクトだ。
「第一、勇者に頼る国防している時点で負けな上に基本紐付けだから、むしろ危険物を喉元置いて置くが間違えてるだわさ。その国に住んで、忠誠誓わせるまで金が積めない段階でそいつは高根の花って事だわさ。」
 無茶苦茶夢も希望もないな…。
「まあ勇者とか呼ばれるとか思わなくてさ。」
「でもみんなが襲われて不味くないの?」
「それ言い出したら、寿命で死ぬおじいちゃんの代わりに死んでみるだわさ?」
「そんなことできるわけないじゃない!」
「できないならやらないでほしいだわさ。正義感の半分は自分を大きく見積もった…そんな奴途上国にはいくらでもいただわさ。いくら性根が良くてもそれは腐ってるだわさ。」
「ぐ…。」
「でも、頼まれたら?」
「頼まれた分だけやればいいだわさ、人間の手は…。」
 鳥海さんが両手を広げる。思いっきり広げるがそこまで大きくないな・・・。」
「人間一人を抱える程度に狭いだわさ。こぼれないように家族を抱くのが限界だわさ。だから…そっちに考えがいった上で勝手にやればいいだわさ。」
「………発展途上国?……。」
「もともとこの人NGOで救援で途上国を周った支援をしていたんだ。で、いろんなものを見ている、」
「腐った現実もだわさ。それがある限り…いや、もうこの世界にはないはずだわさ。」
 私が聞いたのは技術支援しているのはいいのだが、その技術の素材が”日本でしか作れない”ものだった。その為結局その貧しい村は働いて、それを買わないといけない。がその為に他の労働したくてもその技術は”水”なので、人間は水がないと生きていけない。そして悪循環の中…支援が終わると、村は技術支援した前に戻る。又は他の技術をした時はその技術に欲しいものを略奪された。が、警備は”その国の法”によるので取り返せず。そのまま技術支援が終わる。そう言う、砂をかむような援助の日々だったらしい。いくら援助してもそれが村の為になっていない現実。そして現地での食事のひどさも…。それは十数年続いたがそれは鳥海さんの精神を病ませるに十分だった。その為、根本を変えたくて政治家を目指すが…コネも資金もないので、断念。そこで政治家秘書で、裏から支える事にしたという。だが、初心者政治家ばかりで芽が出る事もない。という話だった。この人は結構ドライに生きてる。
「あんた…。」
「助ける事が助けになるとは考えない方がいいだわさ。助けるって事はこっちの自己満足だわさ。」
 この傭兵ばりのドライ対応も、そのすべてを見てきたからだろう、こっちはアップルジュースをダークマターのコップに次ぎ、
「自己満足?いいじゃない。」
「いいだわさ。むしろ推奨だわさ。」
「?」
「ただし、返ってくるのが賞賛と思わない事だわさ。助けたら、助けた相手が油断してると襲ってくる場合もあるだわさ。」
「そんなことすれば、いずれ助ける人が…。」
「連中はそれくらいやるだわさ。その位のつもりでいるだわさ。今回はたまたま”ありがとう”してくれるってね。それも運だわさ。」
 女性3人組は怒っているが、シロウも、それなりにぶぜんとしているが…。平和でいい人である日本人だからこそ助けに期待ができるが、そうでないなら助けたら襲われることだってあるのだ。ジャンも似た話してたな…。第一短絡的に動く奴がそんな大局を見るはずがない。が、私も甘いのか?
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