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第7章 魔界慰安旅行一泊二日
第251話 勇者待遇されるダンジョンマスター
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散策して、ほどほどに観光して、分かったのはこの町、よっぽど進んでる、魔界と言われる意味が分からない程度に人間であり、みんな優しい。しかも…。
「こういうのも売ってるんだ。」
「まあねえ…どうだい?一つ。」
ちょっと日に焼けた…声の枯れた初老の女性が持ってきたのは現代風の水着だった。男女共々ある。海岸沿いになると風貌としてはビーチ観光+宿屋というものが多くなり、水着や、あと南国アクセサリー屋とかいう…定番編成になる。ここ、異世界だよな?いや、むしろこういうのはゲーム的には結構ある、異世界物で女性キャラの水着姿で恥ずかしーとか言う物だが、実は”水着”は相当化学が進まないと発生しない。第二次世界大戦までは水着なるものもなく、服のまま入ったりする方が多い、そして、ビニールの開拓無くして本来はその水着さえなく、しかも戦後にようやく”肌の露出が多い水着”が出てきたので、銃と同じレベルに実は文明が進まないと出てこないのが”レジャー水着”だ。
「………エッチ……。」
「私、こういうのがあるとは思いませんでした。」
一瞬我に返るが、そう言えばここはどうなってんるんだ?
「あれだな…でも泳いでる奴いるか?」
指差した先は誰もいない海だ。
「ああ、どうもアイランドジェリーフィッシュがいて時々捕食されるらしいんだよ。それに勇者が前に来て…大体一年かな、討伐されてないから出るって話だよ。だから深い所には言っちゃだめだよ。」
「何だ?そのアイランドジェリーフィッシュとは?」
「ああ、モンスターさ。深海の悪魔の異名を持つんだがね。時期によっては海岸際に来るんだよ、だからこの時期には誰も来ない。来るなら、冬とか…後…春も出るからね。連中。」
「ほう?」
「冒険者が来て倒してもらうまでは泳げないのさ、デモ浜で遊んで水が当たる程度なら襲ってこないから。」
「冒険者?」
「ああ、冒険者さ、あの連中がちゃんと来て、遊ぶついでに退治してくれるのさ。だから、運がいいのか悪いのか…。」
冒険者という職業があるのか?
「って事はギルドがあるの?」
「ああ、そこにあるさ。ここは海岸際が多いからねえ…。」
指さした先にはカードにあるギルドと一緒のマークがある。あそこがギルドか…。
「いらっしゃいませー!冒険者ギルド、シオバニラ店にようこそ!」
活気あるあいさつに…。一瞬気を失いそうになるが…ここは私の設計した”サルーンアンド宿屋”の形式に近い。但し、役所に併設されたイートインがある感じだ。
「すまないが…仕事はあるか?」
「あ、はい、あちらのボードを…。」
「いや、これ向けだ。」
取り出したのは金カードだ。
「は!勇者様向けですと…こちらにおいで下さい、」
そう言って指差された先はつい立て付きの相談カウンターだ。少し広い、ここで見ておきたいには勇者と冒険者の実態だ。が、中には獣人もいればエルフもいる、ドワーフもいる、
カウンターはエルフか。
「私はこっちの依頼、交換ボード見てる。」
「分かった。」
奥原たちは、やっぱりあっちが気になったんだろう。シロウはこっちだな。
「ようこそいらっしゃいました。勇者様。」
「このカードは必ず勇者か?」
「…いえ、ダンジョンマスター様と勇者様専用です、ただ、どちらにおいても優遇するよう、ギルドマスターから仰せつかってます、ご安心ください、」
「どういう意味だ?」
「異世界人であるあなた方に優位にすることで、我々は依頼を果たしてもらい、障害を排除します。冒険者ではできない依頼がありますので。」
「という事はこっちは。」
「緊急度はそれほどではないのですが…。根本解決が欲しい案件が多いです。但し、依頼報酬の金額が高いので、変に冒険者が挑んで、悪化させても困りますので、こちらとなります。」
流石にこの辺はわきまえてるな。
「リストを見せてもらえるかな?」
「はい。」
リストには危険地域調査。モンスター討伐、王都の騎士団と訓練。運搬依頼。結構あるな…。
「この運搬依頼とは何だ?」
「シオバニラの塩を運び、王都に届ける作業です。塩工房があるので、そちらの依頼となります。但し最低10トンとなります。」
…えぐい、10t、どこのタンカーだよ!いや大型タンクローリーだ。って話だ。
「じゃあ、こっちの危険地域調査は?」
「実は最近モンスターが活性化してる報告があり、その地域を調査して欲しいものです、依頼時にはマッピングザップ機能が付くので、それが依頼完了になるまで、地図を埋めてもらえれば良いです、その間にあったもので対処が必要な物は、記録に応じ、報酬を追加します。」
流石進んだ文化だな…調査さえカード頼りだが…危険地域って周囲ほぼすべてだぞ、モンスター退治は賞金首”クラウドドラゴン”とか、”アイランドフライングジェリーフィッシュ”、”タービュランス”…これはワイバーンみたいだな…。ドラゴンとか、空飛ぶクラゲとか、いっぱいあるな。
「で、これは何だ?」
「それは、この辺を根城にする”オーガ”ですね。数が4万とかいう巨大集落で、そこのトップの”オーガエンペラー”の討伐依頼となります。」
「そう言うのが三つあるんだが?」
「はい、ゴブリンエンペラー。あと、オークエンペラーもありますね。」
さも普通の事みたく言うが、エンペラ―ってなんだよ。どこぞかだとこいつら魔王扱いだぞ、
「なので、勇者様用の依頼ですね。」
頭痛くなってきた。規模違うだろ…というか、これが魔界の所以か?
「後、依頼自体はカード経由でも見られますので、そちらから受託していただいても構いません。」
そんな機能まであるのか。そりゃあ、カウンターに人が付くよな。説明が必要だから人が来るんだから。
「いや、ありがとう。こっちのレベルは?」
「はい、カウンターに来ていただいた時点で確認済みですが、この個人データは他に公開されません。ご安心ください。」
そういう事か、ここには看破を含む鑑定の強化版がある、カード自身がそう言う意味ではひも付きにさせる。ばれたとして”便利機能”を盾に解約をためらわせるんだ。これは反逆を抑える意味がある、…これは強敵だな…。
「でもダンジョンマスターとかだとこっちにほぼ来ないのでは?」
「逆にこっちに来て雰囲気を味わいたいとか、後、パーティの面接はこちらが多いですね。」
ちらっと見た先には冒険者らしい人間というか、亜人の人たちが飲んでいる。そういう事か…。部下がいても当然足りないがある場合はここで雇って
「そうだ、依頼は出せるのか?」
「はい、可能です。」
「採取依頼も?」
「はい、可能です。完了し次第、ギルドショップの受け取りボックスに配送します。」
「…ここのアイテムでも?」
「依頼料を払っていただければ、ただし、手に入るまでにかかる日数と依頼の受託具合は不明です。受けてもらえない場合は三日後に依頼GPが返還されます。」
でも可能なのか試すか。
「では、この辺の…植物データはあります?」
「あ、それ…この辺が危険地帯でして、調査が進んでいません。」
…だよな。
「こういうのも売ってるんだ。」
「まあねえ…どうだい?一つ。」
ちょっと日に焼けた…声の枯れた初老の女性が持ってきたのは現代風の水着だった。男女共々ある。海岸沿いになると風貌としてはビーチ観光+宿屋というものが多くなり、水着や、あと南国アクセサリー屋とかいう…定番編成になる。ここ、異世界だよな?いや、むしろこういうのはゲーム的には結構ある、異世界物で女性キャラの水着姿で恥ずかしーとか言う物だが、実は”水着”は相当化学が進まないと発生しない。第二次世界大戦までは水着なるものもなく、服のまま入ったりする方が多い、そして、ビニールの開拓無くして本来はその水着さえなく、しかも戦後にようやく”肌の露出が多い水着”が出てきたので、銃と同じレベルに実は文明が進まないと出てこないのが”レジャー水着”だ。
「………エッチ……。」
「私、こういうのがあるとは思いませんでした。」
一瞬我に返るが、そう言えばここはどうなってんるんだ?
「あれだな…でも泳いでる奴いるか?」
指差した先は誰もいない海だ。
「ああ、どうもアイランドジェリーフィッシュがいて時々捕食されるらしいんだよ。それに勇者が前に来て…大体一年かな、討伐されてないから出るって話だよ。だから深い所には言っちゃだめだよ。」
「何だ?そのアイランドジェリーフィッシュとは?」
「ああ、モンスターさ。深海の悪魔の異名を持つんだがね。時期によっては海岸際に来るんだよ、だからこの時期には誰も来ない。来るなら、冬とか…後…春も出るからね。連中。」
「ほう?」
「冒険者が来て倒してもらうまでは泳げないのさ、デモ浜で遊んで水が当たる程度なら襲ってこないから。」
「冒険者?」
「ああ、冒険者さ、あの連中がちゃんと来て、遊ぶついでに退治してくれるのさ。だから、運がいいのか悪いのか…。」
冒険者という職業があるのか?
「って事はギルドがあるの?」
「ああ、そこにあるさ。ここは海岸際が多いからねえ…。」
指さした先にはカードにあるギルドと一緒のマークがある。あそこがギルドか…。
「いらっしゃいませー!冒険者ギルド、シオバニラ店にようこそ!」
活気あるあいさつに…。一瞬気を失いそうになるが…ここは私の設計した”サルーンアンド宿屋”の形式に近い。但し、役所に併設されたイートインがある感じだ。
「すまないが…仕事はあるか?」
「あ、はい、あちらのボードを…。」
「いや、これ向けだ。」
取り出したのは金カードだ。
「は!勇者様向けですと…こちらにおいで下さい、」
そう言って指差された先はつい立て付きの相談カウンターだ。少し広い、ここで見ておきたいには勇者と冒険者の実態だ。が、中には獣人もいればエルフもいる、ドワーフもいる、
カウンターはエルフか。
「私はこっちの依頼、交換ボード見てる。」
「分かった。」
奥原たちは、やっぱりあっちが気になったんだろう。シロウはこっちだな。
「ようこそいらっしゃいました。勇者様。」
「このカードは必ず勇者か?」
「…いえ、ダンジョンマスター様と勇者様専用です、ただ、どちらにおいても優遇するよう、ギルドマスターから仰せつかってます、ご安心ください、」
「どういう意味だ?」
「異世界人であるあなた方に優位にすることで、我々は依頼を果たしてもらい、障害を排除します。冒険者ではできない依頼がありますので。」
「という事はこっちは。」
「緊急度はそれほどではないのですが…。根本解決が欲しい案件が多いです。但し、依頼報酬の金額が高いので、変に冒険者が挑んで、悪化させても困りますので、こちらとなります。」
流石にこの辺はわきまえてるな。
「リストを見せてもらえるかな?」
「はい。」
リストには危険地域調査。モンスター討伐、王都の騎士団と訓練。運搬依頼。結構あるな…。
「この運搬依頼とは何だ?」
「シオバニラの塩を運び、王都に届ける作業です。塩工房があるので、そちらの依頼となります。但し最低10トンとなります。」
…えぐい、10t、どこのタンカーだよ!いや大型タンクローリーだ。って話だ。
「じゃあ、こっちの危険地域調査は?」
「実は最近モンスターが活性化してる報告があり、その地域を調査して欲しいものです、依頼時にはマッピングザップ機能が付くので、それが依頼完了になるまで、地図を埋めてもらえれば良いです、その間にあったもので対処が必要な物は、記録に応じ、報酬を追加します。」
流石進んだ文化だな…調査さえカード頼りだが…危険地域って周囲ほぼすべてだぞ、モンスター退治は賞金首”クラウドドラゴン”とか、”アイランドフライングジェリーフィッシュ”、”タービュランス”…これはワイバーンみたいだな…。ドラゴンとか、空飛ぶクラゲとか、いっぱいあるな。
「で、これは何だ?」
「それは、この辺を根城にする”オーガ”ですね。数が4万とかいう巨大集落で、そこのトップの”オーガエンペラー”の討伐依頼となります。」
「そう言うのが三つあるんだが?」
「はい、ゴブリンエンペラー。あと、オークエンペラーもありますね。」
さも普通の事みたく言うが、エンペラ―ってなんだよ。どこぞかだとこいつら魔王扱いだぞ、
「なので、勇者様用の依頼ですね。」
頭痛くなってきた。規模違うだろ…というか、これが魔界の所以か?
「後、依頼自体はカード経由でも見られますので、そちらから受託していただいても構いません。」
そんな機能まであるのか。そりゃあ、カウンターに人が付くよな。説明が必要だから人が来るんだから。
「いや、ありがとう。こっちのレベルは?」
「はい、カウンターに来ていただいた時点で確認済みですが、この個人データは他に公開されません。ご安心ください。」
そういう事か、ここには看破を含む鑑定の強化版がある、カード自身がそう言う意味ではひも付きにさせる。ばれたとして”便利機能”を盾に解約をためらわせるんだ。これは反逆を抑える意味がある、…これは強敵だな…。
「でもダンジョンマスターとかだとこっちにほぼ来ないのでは?」
「逆にこっちに来て雰囲気を味わいたいとか、後、パーティの面接はこちらが多いですね。」
ちらっと見た先には冒険者らしい人間というか、亜人の人たちが飲んでいる。そういう事か…。部下がいても当然足りないがある場合はここで雇って
「そうだ、依頼は出せるのか?」
「はい、可能です。」
「採取依頼も?」
「はい、可能です。完了し次第、ギルドショップの受け取りボックスに配送します。」
「…ここのアイテムでも?」
「依頼料を払っていただければ、ただし、手に入るまでにかかる日数と依頼の受託具合は不明です。受けてもらえない場合は三日後に依頼GPが返還されます。」
でも可能なのか試すか。
「では、この辺の…植物データはあります?」
「あ、それ…この辺が危険地帯でして、調査が進んでいません。」
…だよな。
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