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第6章 勇者と旅芸人

第230話 あなたの単位、本当に一緒ですか?

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「とりあえず、音階は作っただわさ。向こうのミーアさんがどうにか向こうでも作曲活動をして、向こうは”ミュージックバー”から始めるらしいだわさ。」
「練習しよ、何かいっぱい歌詞のインスピレーションば迸るくらいビッキビキだよ。」
「それ、寝不足なのでは?」
 ミヨちゃんの気合の入りように、ダンジョン管理しながらの仕事であるウルフェは苦い顔だった。
「ちょっとコードの練習と、太鼓3連合奏がきつい、もう少し、楽譜は待って。」
 実は楽譜ができた利点の一つは”音楽の伝承”が簡単になった事だ。こうすることで、他人に伝えやすくなり、音楽が正式に伝承されるのだ。
「でも、音が鳴るだけでここまで必要なのか?」
 流石の皇帝もあまり事の重要性は感じかなったらしい。
「正確には”基準”は常にできるだけ統一したほうがいいだわさ。後で戻す、差し替えるというと、そのコストは使った年数分だけ莫大になるだわさ。昔アチシのいた世界では言語は数十にも分かれ、幾度どなく言語統一の話があっただわさ。だけど、コストが高い。言語名に国名が使われてるので、宗主国と言われるって意味で、いつしか誰も言語統一という話はしなくなっただわさ。利便性は全員理解していても、その使った年数が数百年となると、もう、取り返しがつかないだわさ。」
「そうかな、利点があれば…。」
「いやな言い方すれば、言語が改正され、使えなくなればその次の日から、廃止された言語しか使えない奴は、赤ちゃん以下だわさ。しかもそいつは言語を覚えにくくなるだわさ。
それに自分から頷く奴はいるだわさ?」
 流石に想像してみて、いるとは思えなかった。
「統一規格化…。」
「一応情報は流してもらえるように話はしただわさ。連中はまず通商に一番大事な言語、資金、重さ、長さの単位は統一してあるだわさ。これには先見の明があり過ぎだわさ。」
「資金?重さ?長さ?」
「物の大きさと重さの単位は商売において、価値を保証するだわさ。これがずれていると、商業の枷になるだわさ。単位がない頃は王様の膝の長さとかそう言うあいまいな単位があっただわさ。だけど人によって長さが違うだわさ。そこでごまかしも起きただわさ。ごまかされないように重さ、長さ、この二つは必ず制定する必要があるだわさ。時間もあればさらによし。」
「そう言う物なのか?」
 鳥海の演説に…ミヨちゃんたちの踊りを見学していた。二人もじっと聞き入っていた。
「確かに、建築でも数値で言ってさえ大きさが伝わらない時がある、で、その大きさに余分に物を聞いて寸借を伝える。で、職人は常に測定機器は必須だ。重さ外れればそのまま建物の崩落で人が死んだりもする。主に贅沢をする王宮とかは特に重要だ。建物が重くて耐えれなくなり、崩壊する場合がある。」
「それは大事だな。」
 皇帝が鷹揚に頷く。
「だからこそ、統一基準は国家やわだかまりを無視する必要があっただわさ。それで困ることは国家1000年の禍根だわさ。」
「ということは、。」
「トレードしただわさ、1g分銅と1m物差しだわさ。当然必須であとで法律で正式な法整備を行うだわさ。これを偽った物には当然罰があるだわさ。」
 鳥海も興奮しているようだ。他国と東一基準で、商業緩和か。
「そう言えば向こうの王国は?」
 花木たちのいる国で、現在千鳥万花の領域となっている魔人連合を挟んだ向こうの国家だ。
「ああ、こっちが法改正後に伝えるだわさ、通商条約可決時に提言するだわさ。あの商業連合が統一基準がないなら、好都合だわさ。商人引っこ抜けるだわさ。」
「結構法改正が多いのだな…。」
「そうだわさ。国家というのは本来大変だわさ。その分人々は楽になり、清い国家には清い人が集まるだわさ。人口密度が集まればいくら国土が無かろうが。大国になるだわさ。」
「そこが技術屋の能力だな。」
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