魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

第5章 決戦！時山田！

第２１７話 幻の愛

「では、私ね、一応機能言われてやってみた。恋のファクターの効果は”スキル；繁殖”、”スキル；融和”、”繁殖確率アップ”、”ダンジョン内での懐妊率アップ"。」
　奥原が、手に持ったメモを見ながら答えていた。徹底的に恋愛、結婚に集約したコスト配分だな。
「で、進化は…愛。効果は”領域内の人の良さ＋1”っていう不明な物よ？で、頼んで4まで上げてみた。”ダンジョン領域内で融和、美形の上限＋2、ヒロイン自動成立”
”スキル；支援”、”ダンジョン内人心安定度アップ”だって。」
「ヒロインは怖いぞ。」
「どういう意味よ？」
「神業系スキルだ。」
「なにそれ？」
「ヒロインは、どっちかというと、微妙だが。スキルレベル10が二つ融合してできるものだ。俗にいう勇者とかが持ちそうな”オリジナルスキル”レベルだ。いるだけで周囲の人間の能力が上がる。」
「えっと、それって？」
「美形にもほどがある様になると、周りが強くなるんだ。士気効果でな。しかも上がった士気は当然威圧とかに対抗できる。で、どうも並ぶと重複する、効果が。それが関係者全員で起こる、ダンジョンに美人を溢れさせるだけで能力がどんどん上がって強くなるシステム化する。しかも＋2だとSPとスキルオーブだけで10になる。後、美形は本体に自動回避率までつくらしい。」
「何？そのヘンテコ効果。」
「ミヨちゃん。」
　せっかくなので来てもらっていた。検証だとたいてい民さんか、ミヨちゃんに来てもらっている、
「すまないが、本当の姿の方に戻ってみてくれる、あとじっとみんなを見て欲しい。」
「いいよー。私の顔に惚れるなよー。」
　と行って戻ったミヨちゃんの大きさは最近レベルアップの影響で。40mになろうとしていた。がそれがみんなを見下ろしても…誰も恐怖に感じない。
「でどの辺が？」
「よくミヨちゃんの周りを見て欲しい、ちょっと、きらきらしてないか？」
「あ！だわさ！」
　そう、ミヨちゃんの周りにアニメでよく見る背景色とかが付くようになっている。気が付いた時は流石に、自分の正気を疑った。
「これが美形レベルアップの効果だ。」
「………キラキラ……。」
「ですね。キラキラしてます。」
「戻ってくれ。」
「はーい、」
　ミヨちゃんはいつもの小鳥に戻っていった。
「無くなった。」
「となる。だからヒロインは怖いな。・・・光海はどうする？」
「ああ、聞いておいたの、せっかくピーちゃんがパワーアップしたから、やってみたんだって。で…。」
　奥原がメモを見ていた。
「幽の効果は、”スキル：隠れる”、”スキル：夜目”、”ダンジョンモンスターの認知率ダウン”、”ダンジョン誘因レベル調整機能LV1"だって。どうよ？」
「その誘因機能調整が怖いな。」
『誘因範囲の編集及び、誘因能力の調整を行います、ただし誘因範囲等変動は維持費を上昇させ、変化ごとにDPをもらいます。』
「で、中位が”幻”になったらしいよ。”変化結晶育成機能可能”という奴、さすがにこれ以上はわからないからやめたって。」
　そう言うと光海はコクコク頷く。
「で、コイン召喚行ってみよー。あ、ついでに恋はやった事があるから…。」
　と言って出てきたのは。愛の方は、普通に変化なし？」
「え、ちょっと待った。幻は”内部を異界型ダンジョンにする”だ！でどの外見にしてもいいみたい。例えば…。」
　と言って出てきたのは…よくわからない不器用な猫の置物だ。が全員が入ってみると、内部はログハウスみたいだ。隠し部屋としては面白いがそれ以上にはならんな。
「扱いが難しいコインだな…。が現実型で異世界型、すなわち”領域”と合わせる必要が無いと考えれば使えるな…。」
　出てくると不器用な猫の置物が…。
「…どうにかならんかこれ？」
「私に言わないでよ！」
「絵心ですね。」
　苦笑いするが、こればかりは仕方ない。
「で、もう一個に入ってみるだわさ。」
　全員で入ってみるが、不明だった。不明だったが正解だ。何も感じないのだ。
「これはこれでわからないわ？」
「で、このまま次の話をするか？」
「いや飯でいいだろ？前作った。」
「…そう…ってっちょっと待っただわさ！」
「何？」
「危険だわさ、出るだわさ。」
　というと入った全員を鳥海さんが引きずり出してしまった。
「どういうことだ？」
「大方効果は”居住率アップ”だわさ。愛のある生活、優しさって奴だわさ。だから、建物に付けれ内部にいる人間とかの性格が優しくなるだわさ。恋と一緒にすると大方、すぐに恋愛中毒になってその場に居続けるだわさ。」
「何それ。」
「………愛がある……。」
「愛ですか、いいですね。」
「ある意味怖いトラップだわさ。そこに住んでしまったら、そのまま住民化するだわさ。但しそのフロアはもう編集不可可能になるだわさ。そのルールが怖いだわさ。」
「確かにな、そこがこえぇな。」
　思想がうなづくが、さすが愛のダンジョンマスターという効果だ。
「という事は重複で恐ろしくなるな。一応しまっておくぞ、」
　井原が言うと二つの建物はしまわれていく、
「何だわさ？」
「ああ、検証で、コインは5枚まで効果がアップし、重複する。で、接頭語が変わる、例えば築だと、築、築く、重築、真なる築、真築という名称になる、から…。」
「………愛の巣……。」
「怖い…愛が重い。」
「待ってよ！なんで私がそんなストーカーみたく見えるのよ！」
　全員が奥原を見る目が…かわいそうな人を見る目になっていた。私はそうとは思わないぞ。
「そうだわさ、愛の巣？愛があれは幸せだわさ。」
「そうだそうだ！」
「ただし、成長は期待できないだわさ。」
「ひっど。」