上 下
152 / 1,232
第4章 始動!千鳥万花

第152話 本当に力が欲しいのか?

しおりを挟む
「でも…。」
「そう、レベルアップは一回ごとにステータスを上げる、だからこそ…足踏みしたほうが最終的に強くなる。これが大方、魔王軍の秘密だ。まあ、限界突破を持っていない場合はって事だが、大方ステータスは”成長ブースト”を大量に積んだんだろう。そして幼いミニゴブリンから全モンスターを丁寧に一体づつ作る。そして出来上がった最強モンスター軍団さ。きっと。」
「凄いわね、そうなると…。」
「が、そこまでの力欲しいか?」
「んーと…。」
「実際、鳥海さんは言っていた、俺達からするとバーストブルは狩りの対象というだけで、たいして強い気がしないが、向こうは瀕死の狩りとなる。」
「だよね。」
「って事は。もうそれなりには強いんだ。全幹部。」
「…。」
 じっとタミさん、ミヨちゃん、サンテもを自分の手を見る。
「が、少し考える事がある。ふと思ったんだ。本当に魔王軍は敵か?」
「どういう意味?」
「一年経とうが、実はもう勇者は進行してもおかしくない。が、来てない。それに楽園の連中も悪人ではない。」
「そう言えば…。」
 実は新年が終わり、…そろそろダンジョンができて激動の一年となる。もう一年経ったのだ。にもかかわらず勇者が来たという報告はSNSに無い。むしろ内乱を誘うだけの余力が全員にある。
「だから、我々には情報が足りない。で、君をその情報を得る活動を頼みたい。」
「具体的には?」
「まずは飛び地作成用にコアを持ち、ダンジョン閉鎖後に適度に人化に近い場所を探してダンジョンを設置。できれば”森”を占拠して欲しい。」
「森?」
「どうもダンマスは人が入りにくい”森”の多いみたいだ。そこで、適度に森を買ってその人化との出入口を占拠する。で隣の大陸とできれば…勇者大陸にも・・・できれば接触不可能ダンマス。スライムのダンジョンマスターと連絡を付けたい。」
「分かった。で、メンバーは?」
「そっちにお前の旧部下の魂と憑依先として、副官に妖狐を付ける。後の部下の生成はそっちに任せた。リストはこっちからすべて使用可能にしておく。」
「は!」
 憑依にはある法則があり、憑依を持つ生命体には憑依できない。お互いの憑依が邪魔し合い、必ず相殺し合うらしい、なので必ず憑依を持つモンスターは憑依を持たないモンスター矢人間とタッグでないといけない。鹿も憑依される側が憑依する側のステータスの1%以下だと激痛が走る。体が引き裂かれるんだそうだ。ポアンで試してみた。
なので現在対策を検討中だ。が妖狐はステータスがそれなりに高いので。大丈夫だろう、職業もある。

「では改めて、妖狐、君をコンちゃん。と命名する。正式にはコンな、」
「ハヒィ!ギャンバリマシュ!」
 思いっきりかんでる少女だった。これで新たな幹部となった。
「いいよ、大丈夫、大体私が何とかするから。で…ルートは?」
 ミヨちゃんも地図を片手に不安そうだ。
「偵察したほうと逆、大森林を西に抜けるルートだ。その為に出発前日までタミさんとDPで北野台山脈を西に掌握、線を引くことに成功した。」
 居合わせた全員が声を上げる。これで、この北と南を私たちが分断することに成功した。
「まずはそこに配置変更後、西に向かってもらう、休憩であると考えると、もう一個の大陸が見えるはず。最悪は水中に設置、領域化した後、帰還するように。」
「は!」
「凄い作戦だわさ、確かに大森林はうちらの領域だわさ。でもあそこは…。」
 そう、確認した地形だと、海岸にも山が多く、人が住めない海岸もすごい多かった。思ったより人間の生息かのう息が少ないのだ、あとダンマス開拓可能地域もだ。ダンマスにとって木は”生命”であり、基本撤去不可能オブジェだ。それこそ木を切り倒して解体しないとDPが少し貰えるだけの人や生命が住めない領地となる。それが大森林というこの大陸の7割を覆う。生存可能地域の薄くない大陸となった。その西側はさらに山脈まであり今度は人さえも住めない。そんな自然の厳しい地域だ。
 中立スポナーでゴブリンでも放置すれば勝手に開拓してくれるだろうが。オーガスポナーや獣人スポナーを本気で検討し始めてる自分がいる。ついでに共和国が大体割合大陸の10%を握っているというが、その30倍以上の大きさが大森林南部にある、そして北部はそれよりさらに大きい。開拓できさえすれば楽園。それが大森林だ。
「でもこれが大森林西部…。私怖い。」
 映像を船員で見ている奥原さんの顔もわかる。何せ太さが数mもある巨木なのだ。大きさの桁も違う。東側はまだ小さく柔らかい木も多いが奥地は巨木もいい所。開拓のための労働力は無尽蔵に吸うレベルの樹木がある。
「これは、すげえな。予想外だ。」
「ああ、予想外だ。そしてもう一個もな。」
 そうその大森林を分断する”大山脈”もまたアルプス映像を見るくらいの険しい山脈で、人が住める地域に見えなかった。都市設置可能領域を探すだけで手いっぱいの上ダンマスがいないなら生存不可能だ。そこまでの自然だった。まず水がない。で険しすぎて滑落の危険性が高すぎて、DP生産地に向かない。基礎工事DPだけで数百億の
試算をコア4名の連名で出したレベルの開拓困難だ。あれなら西部の森林で木を切った方が安上がり、というものだった。が山を見た東側は動物が西と違い多く、”グラップラーエイプ””狒々”等のサル系モンスターを確認。そして中央部には侵攻できていないことが発覚した。が、森の入り口には当然ダンマスの領域があった。
「あっちはあっちで茨だわさ。」
「あっちは厳しい攻撃にさらされる自然か…。こっちでよかった。」
「こっちは飢え死にとの勝負だがな…。」
「じゃ、行ってくる。大陸の様子レポートしてくるよー。後、ピーコックたちも訓練してくるよー!」
「ああ、頼んだミヨちゃん。期待してる!」
 そう言うとミヨちゃんは旅立って行った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

アホ王子が王宮の中心で婚約破棄を叫ぶ! ~もう取り消しできませんよ?断罪させて頂きます!!

アキヨシ
ファンタジー
貴族学院の卒業パーティが開かれた王宮の大広間に、今、第二王子の大声が響いた。 「マリアージェ・レネ=リズボーン! 性悪なおまえとの婚約をこの場で破棄する!」 王子の傍らには小動物系の可愛らしい男爵令嬢が纏わりついていた。……なんてテンプレ。 背後に控える愚か者どもと合わせて『四馬鹿次男ズwithビッチ』が、意気揚々と筆頭公爵家令嬢たるわたしを断罪するという。 受け立ってやろうじゃない。すべては予定調和の茶番劇。断罪返しだ! そしてこの舞台裏では、王位簒奪を企てた派閥の粛清の嵐が吹き荒れていた! すべての真相を知ったと思ったら……えっ、お兄様、なんでそんなに近いかな!? ※設定はゆるいです。暖かい目でお読みください。 ※主人公の心の声は罵詈雑言、口が悪いです。気分を害した方は申し訳ありませんがブラウザバックで。 ※小説家になろう・カクヨム様にも投稿しています。

前回は断頭台で首を落とされましたが、今回はお父様と協力して貴方達を断頭台に招待します。

夢見 歩
ファンタジー
長年、義母と義弟に虐げられた末に無実の罪で断頭台に立たされたステラ。 陛下は父親に「同じ子を持つ親としての最後の温情だ」と断頭台の刃を落とす合図を出すように命令を下した。 「お父様!助けてください! 私は決してネヴィルの名に恥じるような事はしておりません! お父様ッ!!!!!」 ステラが断頭台の上でいくら泣き叫び、手を必死で伸ばしながら助けを求めても父親がステラを見ることは無かった。 ステラは断頭台の窪みに首を押さえつけられ、ステラの父親の上げた手が勢いよく振り下ろされると同時に頭上から鋭い刃によって首がはねられた。 しかし死んだはずのステラが目を開けると十歳まで時間が巻き戻っていて…? 娘と父親による人生のやり直しという名の復讐劇が今ここに始まる。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 全力で執筆中です!お気に入り登録して頂けるとやる気に繋がりますのでぜひよろしくお願いします( * ॑꒳ ॑*)

婚約破棄はいいですが、あなた学院に届け出てる仕事と違いませんか?

来住野つかさ
恋愛
侯爵令嬢オリヴィア・マルティネスの現在の状況を端的に表すならば、絶体絶命と言える。何故なら今は王立学院卒業式の記念パーティの真っ最中。華々しいこの催しの中で、婚約者のシェルドン第三王子殿下に婚約破棄と断罪を言い渡されているからだ。 パン屋で働く苦学生・平民のミナを隣において、シェルドン殿下と側近候補達に断罪される段になって、オリヴィアは先手を打つ。「ミナさん、あなた学院に提出している『就業許可申請書』に書いた勤務内容に偽りがありますわよね?」―― よくある婚約破棄ものです。R15は保険です。あからさまな表現はないはずです。 ※この作品は『カクヨム』『小説家になろう』にも掲載しています。

虐げられた令嬢、ペネロペの場合

キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。 幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。 父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。 まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。 可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。 1話完結のショートショートです。 虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい…… という願望から生まれたお話です。 ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。 R15は念のため。

お飾り公爵夫人の憂鬱

初瀬 叶
恋愛
空は澄み渡った雲1つない快晴。まるで今の私の心のようだわ。空を見上げた私はそう思った。 私の名前はステラ。ステラ・オーネット。夫の名前はディーン・オーネット……いえ、夫だった?と言った方が良いのかしら?だって、その夫だった人はたった今、私の足元に埋葬されようとしているのだから。 やっと!やっと私は自由よ!叫び出したい気分をグッと堪え、私は沈痛な面持ちで、黒い棺を見つめた。 そう自由……自由になるはずだったのに…… ※ 中世ヨーロッパ風ですが、私の頭の中の架空の異世界のお話です ※相変わらずのゆるふわ設定です。細かい事は気にしないよ!という読者の方向けかもしれません ※直接的な描写はありませんが、性的な表現が出てくる可能性があります

「お姉様の赤ちゃん、私にちょうだい?」

サイコちゃん
恋愛
実家に妊娠を知らせた途端、妹からお腹の子をくれと言われた。姉であるイヴェットは自分の持ち物や恋人をいつも妹に奪われてきた。しかし赤ん坊をくれというのはあまりに酷過ぎる。そのことを夫に相談すると、彼は「良かったね! 家族ぐるみで育ててもらえるんだね!」と言い放った。妹と両親が異常であることを伝えても、夫は理解を示してくれない。やがて夫婦は離婚してイヴェットはひとり苦境へ立ち向かうことになったが、“医術と魔術の天才”である治療人アランが彼女に味方して――

私を裏切った相手とは関わるつもりはありません

みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。 未来を変えるために行動をする 1度裏切った相手とは関わらないように過ごす

処理中です...