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第3章 マルワール帝国のダンジョンマスター

第95話 告白されるときは突然

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「で、なんだ?」
 井原はダンジョン地下の自分の家にいて…二人はそのいつもの席にいた。
「改まって我々、ポアン、モアレ。両名を…。」
「で、なんだ?」
 井原はダンジョン地下の自分の家にいて…二人はそのいつもの席にいた。
「改まって我々、ポアン、モアレ。両名を…。」
「・・・。」
 井原はコップの水を飲み込んだ。
「眷属として迎えて欲しい。」
 じっと強い決意で、井原を見つめていた。
「いいのか?」
「ああ、考えた。最初のうちは人間のほうがいいと思っていた、村も発展してきた。お前がいない所で村で毎晩話あった。そして、もう一人こっちで村長を建てる。でそいつの元にこの村は新しくなる。で、私が将軍として労働力を貸す。妹は…。」
「私も付いていく。お姉ちゃん一人にそんな事はさせたくない。」
 第二軍団に応援に行った際に尊敬される程度には二人は強く、実際軍に誘われたが断っていた。そしてこの案件を持ち出した際も、第二軍団将軍がこの話を後押しして帝国側の承認を得た。ついでに第二軍団は今後、”警備方法支援”から”魔法大隊”となり、攻撃を担当することになった。
「あんたに受けた恩はそれは私一人では返しきれない、村のみんなもそう思ってる。だからこそ…私の身で、返したい。」
「イーハ、それは私も一緒。出来れば、不束者ですが、よろしくお願いします。」
 改めて、井原は水をグイっと飲みこむ。
「いいのか?SNSの報告によると条件は不明だが眷属化すると種族が変わる場合もある。不老化すると、もう人間としての生も、いや、死もない。いつか後悔するぞ。」
「いい。それにあの時…。」
「そう、初めて会った時お姉ちゃんはずっとイーハのこと好きだったんだよ?私もだけど。」
「え?」
「お前の事が気になって…な…。で、獲物を狩って…。」
「最近忙しくて色々して、留守番だったから寂しくて…。」
 井原からしてもそれが意外だった。
「私もイーハが大好きだよ、一緒に居たい。」
「いいのか?」
「いいぞ。私たちは運命だったんだ。そう思ってる、」
 二人の真剣な顔に…井原は気圧された…そんな風に思われたのは、前の妻が自分からプロポーズしたので、一度もなかった。
「分かった。認めよう。」
『では、御唱和ください、ソウルレベル3の場合のみ、宣誓文言がございます。同意がないならば、途中でやめてください。この間に一回でも言葉が詰まれば、これは中断します。』
 結婚みたいな感じだが仕方ない
『私、井原忠弘はダンジョンの機能により二人を従属、眷属化させます。あなたの身の安全を保障する代わりにあなたは我々に忠義の労働を。」
「私、井原忠弘はダンジョンの機能により二人を従属、眷属化させます。あなたの身の安全を保障する代わりにあなたは我々に忠義の労働を。」
『私、二人は あなたに忠義を尽くし、死をも超えて忠義を誓います。その忠義に報いるモノを私に下さい。』
「私、モアレは あなたに忠義を尽くし、死をも超え忠義を誓う。その忠義に報いるモノをください。」
「私、ポアンは あなたに忠義を尽くし、死をも超え忠義を誓う。その忠義に報いるモノをください。」
 何一つ止まらず、一字一句言えた。その瞬間…二人は光に包まれ…え?
『眷属化処理完了。ですがエラー発生。あなた方の種族が変化しました。が、ここであなた方に選択権があります。』
「なんだ?」
 光のまま二人が話す姿は異様だった。
『あなた方の持つ権利により、あなた方に画面を提示、その中から存在を一つ選んでください。』
「え?」
『その存在とのハーフとなる模様です。ただしこの助言に置いてマスターの声は聞こえません。何も見ず何も聞かず、その絵を触り、一つを選んでください。』
 厳しい事になったな。知識がある俺なら助言ができるが…。助言なしか…。が、ここで私は手を出すことはできない…。そこから、じっと、井原は待った。どのくらい待ったか、お互いじっと見ている為…。時間間隔さえなかった。いや、感じなかったんだろう。告白されるのが初めてだった。そしてその恋人が…こうして悩んでいるのを見ているしかない。
「大丈夫よ。彼女たちはきっと乗り越える。」
「ミラージェ。」
「第一選ぶだけでしょ?」
 子犬がぽてっと私の膝の上に落ちてきた。
「まあな…。が、それだから悩む。第一モンスター知識がないのに絵を見て選ぶんだぞ。何がいいのか悪いのか、全然知識がないはずだ。」
「…そうよね…。でも…。可能性はあるわよ。」
「…何が?」
「だって私もだけど、あなたが混ざるのよ、モンスターになった時から、いや、一緒にいると言った時から。だから、信じてあげて。」
「だな…。」
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