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セブンナイト
企みと罠
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「お父様。お母様。テッドです!入ります!」
自分の住まう城へと戻ったテッドは一目散に王と王妃の寝室へと向かったのだ。だが、何度も通ってきたこの見慣れた廊下を進むにつれて少しずつ違和感を覚えていた。
その違和感の正体にはしばらく気づくことはなかった。だが、扉の前についた頃、ようやくわかったのだ。それは警備をしているはずの騎士が一人も居ない……事だった。
だからこそテッドは慌てるように声かけをした後、中の返事を待たずに扉へと手を掛けた。
扉はゆっくりと開かれる。軋む音がやけに響いているように聞こえるのは回りの静けさからだろう。
その開かれていく扉の隙間から徐々に内部の様子が見えてくる。しかし、その様子もおかしい。灯りが一切使われていないのである。
何がどうなっているかわからずテッドは扉を完全に開けるとその中へ足を踏み入れた。
部屋の中が暗い。カーテンまで締め切られているのだ。それは本来ならあり得ない光景でもある。
「お父様?お母様?」
テッドはそう呼び掛けるが反応はない。どころかこの部屋で人の気配すら感じることがない。
テッドはベッドの近くまで足を運んだ。そこに有るのは今は使用されていない寝床があるだけだった。
何となく予想は出来ていた。が、理解は出来なかった。呪いで苦しんでいるはずの両親が寝ていないのだから……。
「テッド様。お戻りになられたんですね」
「ギルニア。これはどう言うことだ?」
廊下から差し込む光の逆光にさらされながらギルニアはコツコツと靴の音を立てながら部屋へ入ってくる。
「どう……と申されましても。何がお聞きしたいのですかな?」
「ふざけるな。お父様とお母様をどこにやった!?」
この部屋に警備も居なければメイドすら居ない異常な状況だ。しかし、この状況を作り上げることは誰もが出来るわけじゃない。ある程度の権力、そして今の王と王妃の状態を知っていなければ無理だ。つまり……。
「ギルニア。お前がお父様とお母様を移動させたな?何のつもりだ!」
「まだわかりませんか?」
ギルニア公爵の目が怪しく光る。それは企みを孕んだ瞳だ。
「……何をだ?」
その怪しさに飲まれたテッドは一歩後ずさる。しかし、その行動がギルニアの目には滑稽に映り笑みを浮かべさせた。
「こう言うことですよ」
ギルニア公爵は指をパチンと鳴らした。それが合図になり騎士達がぞくぞくと部屋へと入ってくる。その最後には七騎士であるヴァニスがやって来た。
「さぁテッド殿下。大人しく捕まって下さい」
「な、何をふざけたことを!!お前達!そんな事を許すと言うのか!」
テッドを包囲する騎士達へそう言葉を投げ掛けるが誰一人と同様は見せなかった。
「残念ですが今この場に居る騎士達は全員私の息がかかっています。さ、大人しく捕まってください」
剣に多少の覚えがあったところで多勢に無勢の上、七騎士のリーダーが居るこの状況では諦めるしかなかった。
一方、大地達はルーナに助けられた後、そのまま彼女が取っている宿に匿って貰っている。それも移動時は彼女が先頭に切りながら騎士が居ない事を見定めてはこっそりと移動できるように安全を確保までしてくれたのだ。
そうして宿の中でルーナが自信のツインテールを揺らしながら大地へと振り向いた。
「それでダイチさん。いったいどうして追われていたんですか?」
騎士達が血眼になりながら探しているのを見ればさも当然の疑問だ。しかし、それに答えたくても当の大地にはその答えを持っていなかった。
「いや、俺達もさっぱりなんだよ。いきなり目をつけられたとしか言いようがなくてな」
目尻を下げて大地は言う。追いかけられるせいでリリアを探すことも出来ず本当に困った状態なのだ。
「そ、そうなんだ。それでそちらの綺麗な人は?」
月の都に行った時は大地とリリアだけだった。だからこそルーナの目に止まるフルネールやレヴィア、ナルは大地とどういった関係なのか知りもしない。
「ああ。紹介が遅れたな。こっちはフルネールと言って――」
と、大地が説明しているところにフルネールが無理やり横から口を出してくる。
「私は大地さんの奥さムーーー!?」
「お前は変なこと言うんじゃない!」
素早い反応速度によりフルネールの口を両手で塞ぎ何とか防衛に成功した。
「おくさむ?」
「いや、気にしないでくれ。俺の仲間だよ」
少しだけ疲れを見せながら言う大地へルーナは「そうなんだ」と返す。それから大地はレヴィアとナルへ視線を促した。
「この二人はレヴィアとナルだ。二人ともモンスターで俺と契約してる」
するとレヴィアは特にお辞儀することもなく「レヴィアよ」と淡々と返した。
それを見てからナルはペコリとお辞儀しながら「ナルです。こんにちは!」と元気よく挨拶する。
「私はルーナよ。宜しくね」
ニコニコの笑顔で可愛らしくお辞儀するルーナにフルネールが自身の瞳を怪しく光らせていた。それを見逃さなかった大地は釘を刺すように言う。
「頼むから変なことは吹き込まないでくれよな」
それを了承したのかしてないのか、反応しなかったフルネールは口を塞いでいる大地の手を無言でどかした。
「改めまして私はフルネールと申します。宜しくお願いしますね。ルーナさん」
これがフルネールの得意技の一つ。女神の微笑みだ。……まぁそのまんまなんですけどね。
美しい顔立ちに優しいオーラを纏った微笑むその表情は一枚絵になっていてもおかしくないほどの美貌を見せる。しかも、その笑顔からは何故か安心感まで覚えさせて警戒心や緊張を解く効果まで備わっている。
少しだけ美人特有のオーラで気後れしていたルーナは「はい」と和らいだ笑みで答えた。
「ところでダイチさん。今日はリリアさんと一緒じゃないんですね」
「実はな……リリアが今この国の何処かに拐われて居るみたいなんだ」
「え!どうしてそんな事に!?」
驚くルーナへ大地は今までの経緯を話した。この国に居ることの確証が無いことも含めて。
一通り話し終わるとルーナはようやく状況を理解した。
「そ、そっか……でもそれなら確かに怪しいよね。もしかしたらダイチさんが追われた理由もリリアさん絡みかもしれないね……」
その可能性もあり得なくはないが、そうなるとリリアが拐われたのは国絡みと言うことになる。
「よし!」
ルーナが突然、何かを決めたように意気込んだ。
「ウンディーネ」
ルーナの声に反応して何処からともなく一人の女性が姿を表した。と言ってもウンディーネは精霊であり普通の人が見ることも意思の疎通を交わすことも出来ない存在だ。故にレヴィアやナルはルーナが何をしているのかさっぱりである。
「お姉ちゃん達にもうしばらくここに居るって言伝をお願い」
『それは良いけれど……ルーナはどうするつもりですか?』
「うん。ダイチさん達のお手伝いしたい」
『そう。あまり派手には動かないでね。私からシーラに言っておくから。それじゃ行ってくるわね』
ルーナはウンディーネに手を振って別れを告げる。そんなルーナをレヴィアは訝しげな瞳を向けるのだが何も言わなかったのは、まだルーナと言う女の子を警戒しているからだ。
「ダイチさん。精霊達にお願いしてリリアちゃんを探して貰うね。だからそれまでの間は私の取っている宿屋に行きましょ?」
ルーナはそう提案してくれるのだった。
自分の住まう城へと戻ったテッドは一目散に王と王妃の寝室へと向かったのだ。だが、何度も通ってきたこの見慣れた廊下を進むにつれて少しずつ違和感を覚えていた。
その違和感の正体にはしばらく気づくことはなかった。だが、扉の前についた頃、ようやくわかったのだ。それは警備をしているはずの騎士が一人も居ない……事だった。
だからこそテッドは慌てるように声かけをした後、中の返事を待たずに扉へと手を掛けた。
扉はゆっくりと開かれる。軋む音がやけに響いているように聞こえるのは回りの静けさからだろう。
その開かれていく扉の隙間から徐々に内部の様子が見えてくる。しかし、その様子もおかしい。灯りが一切使われていないのである。
何がどうなっているかわからずテッドは扉を完全に開けるとその中へ足を踏み入れた。
部屋の中が暗い。カーテンまで締め切られているのだ。それは本来ならあり得ない光景でもある。
「お父様?お母様?」
テッドはそう呼び掛けるが反応はない。どころかこの部屋で人の気配すら感じることがない。
テッドはベッドの近くまで足を運んだ。そこに有るのは今は使用されていない寝床があるだけだった。
何となく予想は出来ていた。が、理解は出来なかった。呪いで苦しんでいるはずの両親が寝ていないのだから……。
「テッド様。お戻りになられたんですね」
「ギルニア。これはどう言うことだ?」
廊下から差し込む光の逆光にさらされながらギルニアはコツコツと靴の音を立てながら部屋へ入ってくる。
「どう……と申されましても。何がお聞きしたいのですかな?」
「ふざけるな。お父様とお母様をどこにやった!?」
この部屋に警備も居なければメイドすら居ない異常な状況だ。しかし、この状況を作り上げることは誰もが出来るわけじゃない。ある程度の権力、そして今の王と王妃の状態を知っていなければ無理だ。つまり……。
「ギルニア。お前がお父様とお母様を移動させたな?何のつもりだ!」
「まだわかりませんか?」
ギルニア公爵の目が怪しく光る。それは企みを孕んだ瞳だ。
「……何をだ?」
その怪しさに飲まれたテッドは一歩後ずさる。しかし、その行動がギルニアの目には滑稽に映り笑みを浮かべさせた。
「こう言うことですよ」
ギルニア公爵は指をパチンと鳴らした。それが合図になり騎士達がぞくぞくと部屋へと入ってくる。その最後には七騎士であるヴァニスがやって来た。
「さぁテッド殿下。大人しく捕まって下さい」
「な、何をふざけたことを!!お前達!そんな事を許すと言うのか!」
テッドを包囲する騎士達へそう言葉を投げ掛けるが誰一人と同様は見せなかった。
「残念ですが今この場に居る騎士達は全員私の息がかかっています。さ、大人しく捕まってください」
剣に多少の覚えがあったところで多勢に無勢の上、七騎士のリーダーが居るこの状況では諦めるしかなかった。
一方、大地達はルーナに助けられた後、そのまま彼女が取っている宿に匿って貰っている。それも移動時は彼女が先頭に切りながら騎士が居ない事を見定めてはこっそりと移動できるように安全を確保までしてくれたのだ。
そうして宿の中でルーナが自信のツインテールを揺らしながら大地へと振り向いた。
「それでダイチさん。いったいどうして追われていたんですか?」
騎士達が血眼になりながら探しているのを見ればさも当然の疑問だ。しかし、それに答えたくても当の大地にはその答えを持っていなかった。
「いや、俺達もさっぱりなんだよ。いきなり目をつけられたとしか言いようがなくてな」
目尻を下げて大地は言う。追いかけられるせいでリリアを探すことも出来ず本当に困った状態なのだ。
「そ、そうなんだ。それでそちらの綺麗な人は?」
月の都に行った時は大地とリリアだけだった。だからこそルーナの目に止まるフルネールやレヴィア、ナルは大地とどういった関係なのか知りもしない。
「ああ。紹介が遅れたな。こっちはフルネールと言って――」
と、大地が説明しているところにフルネールが無理やり横から口を出してくる。
「私は大地さんの奥さムーーー!?」
「お前は変なこと言うんじゃない!」
素早い反応速度によりフルネールの口を両手で塞ぎ何とか防衛に成功した。
「おくさむ?」
「いや、気にしないでくれ。俺の仲間だよ」
少しだけ疲れを見せながら言う大地へルーナは「そうなんだ」と返す。それから大地はレヴィアとナルへ視線を促した。
「この二人はレヴィアとナルだ。二人ともモンスターで俺と契約してる」
するとレヴィアは特にお辞儀することもなく「レヴィアよ」と淡々と返した。
それを見てからナルはペコリとお辞儀しながら「ナルです。こんにちは!」と元気よく挨拶する。
「私はルーナよ。宜しくね」
ニコニコの笑顔で可愛らしくお辞儀するルーナにフルネールが自身の瞳を怪しく光らせていた。それを見逃さなかった大地は釘を刺すように言う。
「頼むから変なことは吹き込まないでくれよな」
それを了承したのかしてないのか、反応しなかったフルネールは口を塞いでいる大地の手を無言でどかした。
「改めまして私はフルネールと申します。宜しくお願いしますね。ルーナさん」
これがフルネールの得意技の一つ。女神の微笑みだ。……まぁそのまんまなんですけどね。
美しい顔立ちに優しいオーラを纏った微笑むその表情は一枚絵になっていてもおかしくないほどの美貌を見せる。しかも、その笑顔からは何故か安心感まで覚えさせて警戒心や緊張を解く効果まで備わっている。
少しだけ美人特有のオーラで気後れしていたルーナは「はい」と和らいだ笑みで答えた。
「ところでダイチさん。今日はリリアさんと一緒じゃないんですね」
「実はな……リリアが今この国の何処かに拐われて居るみたいなんだ」
「え!どうしてそんな事に!?」
驚くルーナへ大地は今までの経緯を話した。この国に居ることの確証が無いことも含めて。
一通り話し終わるとルーナはようやく状況を理解した。
「そ、そっか……でもそれなら確かに怪しいよね。もしかしたらダイチさんが追われた理由もリリアさん絡みかもしれないね……」
その可能性もあり得なくはないが、そうなるとリリアが拐われたのは国絡みと言うことになる。
「よし!」
ルーナが突然、何かを決めたように意気込んだ。
「ウンディーネ」
ルーナの声に反応して何処からともなく一人の女性が姿を表した。と言ってもウンディーネは精霊であり普通の人が見ることも意思の疎通を交わすことも出来ない存在だ。故にレヴィアやナルはルーナが何をしているのかさっぱりである。
「お姉ちゃん達にもうしばらくここに居るって言伝をお願い」
『それは良いけれど……ルーナはどうするつもりですか?』
「うん。ダイチさん達のお手伝いしたい」
『そう。あまり派手には動かないでね。私からシーラに言っておくから。それじゃ行ってくるわね』
ルーナはウンディーネに手を振って別れを告げる。そんなルーナをレヴィアは訝しげな瞳を向けるのだが何も言わなかったのは、まだルーナと言う女の子を警戒しているからだ。
「ダイチさん。精霊達にお願いしてリリアちゃんを探して貰うね。だからそれまでの間は私の取っている宿屋に行きましょ?」
ルーナはそう提案してくれるのだった。
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