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セブンナイト
新能力!狸寝入り
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この世界に来て大地は一つの能力を開花させていた。もちろんそれは、フルネールから授かった能力の話ではないがフルネールとは全くの無関係と言うことでもない。
むしろ彼女がいたからこそ開花したとも言える。更に言うなればレヴィアも能力開花に貢献している。だが、二人は大地がそんな能力を得たことなんて知るよしもないのだ。
能力の発動方法は自動型だ。大地の意思関係なく発動される。そう言うと危険なのではないかと思えてくるだろうが危ない能力ではない。言うなれば非戦闘系能力だ。
ただ、戦闘向きではないけれど大地自身は意外にも気に入っている能力だ。便利かどうかは人によるとしか言えないが、この能力自体は素質があれば誰でも使えてしまうものだ。
その能力とは……目をつむりながら目覚める事が出来ることだ。つまり、起き抜けは狸寝入りが出来ることである。
これは普段からフルネールとレヴィアに両腕を枕にされてきた事で起き抜けの時、腕に頭を乗せられている感触が際立ってきたことで開花したのだ。
もちろんこの能力で出来ることなんて無いだろう。だが、この起き方をすると寝ぼけないという副次効果まである。
更に言うと狸寝入り中に誰かが近づいてくることもわかってしまう。今のように……。
「ダイチさん。今日は大丈夫そうですね。お腹に乗ってるのはモンスター姿のナルちゃんですし……?」
公共の場で女性と女の子がくっついて居ることに問題視することが出来なくなる程、ユーナはこの状況を見慣れてしまっていた。ただそんな自分の発言にも少しだけ違和感があった。何かを忘れているような。
「ユーナ……さん?」
いかにも今起きましたと言わんばかりの台詞を呟いたのは大地だ。
少し狸寝入りしたのはユーナのご危険度はを計るためだ。この前は人型ナルを乗せている状態だったから怒ったのかもしれない。なれば今回はモンスターの姿……つまり狐の姿で寝てもらっていることで反応を見ていたのだ。
「あら、ダイチさん起きたのですね。昨日はお疲れさまでした。モンスターの強さや……敵についてもアーデルハイド様から聞いてますよ」
敵とはホワイキングダムを襲っている組織の事だろう。
「俺はそんなに……頑張ったのはレヴィアやナルですよ」
「ふふ。それでもお二人を連れているのはダイチさんですからね。こんなに可愛らしい寝顔と姿なのに強いなんて不思議ですね」
ユーナが大地の腕枕で寝ているレヴィアに近づく。その視線はレヴィアとナルを交互に彷徨わせ、今にも手を伸ばして撫でてしまいそうにしている。
「あれ?ダイチさん。どうしてフルネールさんの方向を見てるのですか?」
「いや……ユーナさんはもう少し自分の服装を考えて行動してくれ…」
ユーナはギルドの職員だ。ギルドとは国が街の困り事を解決するために建てた施設だ。何が言いたいかと言うと……ギルドの職員は国から支給された制服に身を包む必要がある……だ。
そして、ユーナの制服はスカートの丈が短く、大地の頭近くで膝を曲げて中腰になっている。この状況下で大地がユーナの方向を向けば見えてしまうのだ。
「えーっと……あ!そ、そうですね!」
ようやく気づいたユーナはそそくさと手でスカートの裾を押さえながら立ち上がる。
「そ、それじゃあダイチさん。ごゆっくり……」
と急ぎ足でユーナがギルドに入っていくのだが、何をどうゆっくりすればいいのだろうか……。そんなことを頭の片隅に思いながら我に返ると目の前のフルネールは目を開けていた。
「大地さん。そんなに見つめられると照れちゃいますね。私の寝顔は可愛かったですか?」
「あ、いや、ま、そうだな。可愛かったな」
……ん?あれ、今俺何て言った?
睡眠から覚醒してるはずなのに寝ぼけているのだろうかと思うような一言を滑らしたことに気づいて大地は徐々に顔を紅くする。
「そうですか?それならもう近くで少し見ますか?」
「え?」
フルネールは言うや否や目をつむる。そしてゆっくりと顔を近づけてくるのだ。それは大地から見てもキスの予備動作にしか見えず、焦った大地はレヴィアとナルがいることを忘れてガバッと起き上がる。
「きゃぁっ!?」
「きゅー!?」
「きゃっ」
レヴィアとナルはいきなり体が浮き上がるほどの勢いで動かされた為、起き上がりと同時に驚きの声をあげた。ただフルネールは驚くと言うよりは楽しそうな声ではしゃぐように声をあげていた。
かろうじてレヴィアとフルネールは背中へ手を回して胸の内に抱き締めるように、ナルは膝の上に乗るようにして地面との接触は避けることに成功させたのはほめて欲しいところだ。
「もう、何なのよ~」
不満の声をあげているレヴィアは指で目を軽く擦る。
「いや、すまん。ちょっとな……」
「ところで大地さん。寝起きに抱き締めるのは人目がありますからやめたほうが良いですよ?」
あんなおふざけをしておいてどの口が言うのか……。そう思うのをぐっと堪え――。
「お前がふざけなかったらこんなことしてねぇよ!」
堪えられなかった。
「えー?」
「えー?じゃねぇよ。ったく……」
「それで、まだ抱き締めているのは何故ですか?」
ずっと抱き締めたままの状態である。せめてフルネールもレヴィアを抵抗なりなんなりしてくれればすぐに気づいたと思いながら大地はあわてて抱きよせる力を緩めるのだった。
そんな朝からの一幕を終わらせると何時ものように滝業……もとい水浴びである。ただ、フルネールの黒と光の魔法により読者サービスは破壊されるが致し方ない。
この間、レヴィアとナルは慣れたもので既に氷の生け簀に水を張った状態で作り、ナルが魚をいれていた。
でも、氷の生け簀じゃ冷たすぎで魚は死ぬんじゃなかろうか?とも思うが新鮮なのは変わらないだろうから……ヨシ!
こうして何時ものルーティンを終わらせてホワイトキングダムへ戻っている時に一人の騎士と出会った。
何故騎士と思ったかって?まず格好がそれっぽいからだ。上下の真っ白な鎧は聖騎士感があり、特別な騎士に見えることからアルメルスを連想させられる。
ただ、アルメルスとの違いは兜をつけていない事だ。短い髪にその素顔は整っていてクルス王子のようイケメンなのである。
「あの、道に迷っていて……ホワイトキングダムはこちらを進めばつけるかな?」
爽やかに言ってくる奴はイケメン力を遺憾なく発揮してきている。
大地さんと比べれると月とスッポンかもしれませんね。
ちょっと辛辣過ぎない?
どちらが、とは言っていませんよ?
いや、結局辛辣だろ……。
「まぁそうだな……俺達もホワイトキングダムに戻るから一緒に行くか?」
何にせよ悪意を感じる事もなく、レヴィアやナルを見ても敵意すら示して来ない為、無害と判断した大地はそう提案した。
「いいのかい?助かるよ!」
目の前の騎士は本当に困っていたのか満面の笑みを向けてお礼を言ってきた。その姿からわりと人懐こい性格なのかもしれない。
「そう言えば、今のホワイトキングダムにはあの不殺の英雄がいるんだよね!?戦争で誰も殺さず1000の敵を倒したんだよね!すごいよね!会えるかなー?」
大地の隣に並びながら楽しそうに騎士は話す。それも憧れに似た何かを胸に秘めているように。
「あ、あー。そうだな会えると思うぞ」
「本当かい!?」
背中越しでフルネールがクスクス笑っている気がする……いや、笑ってる!しかし、隣の騎士を無視して反応することが出来ない。
「その英雄にあってどうするんだ?」
「いや、どうするとかはないんだ。ただ一目見てみたいだけでね」
「そう言うものか。ま、ホワイトキングダムはすぐそこだし行こうぜ」
むしろ彼女がいたからこそ開花したとも言える。更に言うなればレヴィアも能力開花に貢献している。だが、二人は大地がそんな能力を得たことなんて知るよしもないのだ。
能力の発動方法は自動型だ。大地の意思関係なく発動される。そう言うと危険なのではないかと思えてくるだろうが危ない能力ではない。言うなれば非戦闘系能力だ。
ただ、戦闘向きではないけれど大地自身は意外にも気に入っている能力だ。便利かどうかは人によるとしか言えないが、この能力自体は素質があれば誰でも使えてしまうものだ。
その能力とは……目をつむりながら目覚める事が出来ることだ。つまり、起き抜けは狸寝入りが出来ることである。
これは普段からフルネールとレヴィアに両腕を枕にされてきた事で起き抜けの時、腕に頭を乗せられている感触が際立ってきたことで開花したのだ。
もちろんこの能力で出来ることなんて無いだろう。だが、この起き方をすると寝ぼけないという副次効果まである。
更に言うと狸寝入り中に誰かが近づいてくることもわかってしまう。今のように……。
「ダイチさん。今日は大丈夫そうですね。お腹に乗ってるのはモンスター姿のナルちゃんですし……?」
公共の場で女性と女の子がくっついて居ることに問題視することが出来なくなる程、ユーナはこの状況を見慣れてしまっていた。ただそんな自分の発言にも少しだけ違和感があった。何かを忘れているような。
「ユーナ……さん?」
いかにも今起きましたと言わんばかりの台詞を呟いたのは大地だ。
少し狸寝入りしたのはユーナのご危険度はを計るためだ。この前は人型ナルを乗せている状態だったから怒ったのかもしれない。なれば今回はモンスターの姿……つまり狐の姿で寝てもらっていることで反応を見ていたのだ。
「あら、ダイチさん起きたのですね。昨日はお疲れさまでした。モンスターの強さや……敵についてもアーデルハイド様から聞いてますよ」
敵とはホワイキングダムを襲っている組織の事だろう。
「俺はそんなに……頑張ったのはレヴィアやナルですよ」
「ふふ。それでもお二人を連れているのはダイチさんですからね。こんなに可愛らしい寝顔と姿なのに強いなんて不思議ですね」
ユーナが大地の腕枕で寝ているレヴィアに近づく。その視線はレヴィアとナルを交互に彷徨わせ、今にも手を伸ばして撫でてしまいそうにしている。
「あれ?ダイチさん。どうしてフルネールさんの方向を見てるのですか?」
「いや……ユーナさんはもう少し自分の服装を考えて行動してくれ…」
ユーナはギルドの職員だ。ギルドとは国が街の困り事を解決するために建てた施設だ。何が言いたいかと言うと……ギルドの職員は国から支給された制服に身を包む必要がある……だ。
そして、ユーナの制服はスカートの丈が短く、大地の頭近くで膝を曲げて中腰になっている。この状況下で大地がユーナの方向を向けば見えてしまうのだ。
「えーっと……あ!そ、そうですね!」
ようやく気づいたユーナはそそくさと手でスカートの裾を押さえながら立ち上がる。
「そ、それじゃあダイチさん。ごゆっくり……」
と急ぎ足でユーナがギルドに入っていくのだが、何をどうゆっくりすればいいのだろうか……。そんなことを頭の片隅に思いながら我に返ると目の前のフルネールは目を開けていた。
「大地さん。そんなに見つめられると照れちゃいますね。私の寝顔は可愛かったですか?」
「あ、いや、ま、そうだな。可愛かったな」
……ん?あれ、今俺何て言った?
睡眠から覚醒してるはずなのに寝ぼけているのだろうかと思うような一言を滑らしたことに気づいて大地は徐々に顔を紅くする。
「そうですか?それならもう近くで少し見ますか?」
「え?」
フルネールは言うや否や目をつむる。そしてゆっくりと顔を近づけてくるのだ。それは大地から見てもキスの予備動作にしか見えず、焦った大地はレヴィアとナルがいることを忘れてガバッと起き上がる。
「きゃぁっ!?」
「きゅー!?」
「きゃっ」
レヴィアとナルはいきなり体が浮き上がるほどの勢いで動かされた為、起き上がりと同時に驚きの声をあげた。ただフルネールは驚くと言うよりは楽しそうな声ではしゃぐように声をあげていた。
かろうじてレヴィアとフルネールは背中へ手を回して胸の内に抱き締めるように、ナルは膝の上に乗るようにして地面との接触は避けることに成功させたのはほめて欲しいところだ。
「もう、何なのよ~」
不満の声をあげているレヴィアは指で目を軽く擦る。
「いや、すまん。ちょっとな……」
「ところで大地さん。寝起きに抱き締めるのは人目がありますからやめたほうが良いですよ?」
あんなおふざけをしておいてどの口が言うのか……。そう思うのをぐっと堪え――。
「お前がふざけなかったらこんなことしてねぇよ!」
堪えられなかった。
「えー?」
「えー?じゃねぇよ。ったく……」
「それで、まだ抱き締めているのは何故ですか?」
ずっと抱き締めたままの状態である。せめてフルネールもレヴィアを抵抗なりなんなりしてくれればすぐに気づいたと思いながら大地はあわてて抱きよせる力を緩めるのだった。
そんな朝からの一幕を終わらせると何時ものように滝業……もとい水浴びである。ただ、フルネールの黒と光の魔法により読者サービスは破壊されるが致し方ない。
この間、レヴィアとナルは慣れたもので既に氷の生け簀に水を張った状態で作り、ナルが魚をいれていた。
でも、氷の生け簀じゃ冷たすぎで魚は死ぬんじゃなかろうか?とも思うが新鮮なのは変わらないだろうから……ヨシ!
こうして何時ものルーティンを終わらせてホワイトキングダムへ戻っている時に一人の騎士と出会った。
何故騎士と思ったかって?まず格好がそれっぽいからだ。上下の真っ白な鎧は聖騎士感があり、特別な騎士に見えることからアルメルスを連想させられる。
ただ、アルメルスとの違いは兜をつけていない事だ。短い髪にその素顔は整っていてクルス王子のようイケメンなのである。
「あの、道に迷っていて……ホワイトキングダムはこちらを進めばつけるかな?」
爽やかに言ってくる奴はイケメン力を遺憾なく発揮してきている。
大地さんと比べれると月とスッポンかもしれませんね。
ちょっと辛辣過ぎない?
どちらが、とは言っていませんよ?
いや、結局辛辣だろ……。
「まぁそうだな……俺達もホワイトキングダムに戻るから一緒に行くか?」
何にせよ悪意を感じる事もなく、レヴィアやナルを見ても敵意すら示して来ない為、無害と判断した大地はそう提案した。
「いいのかい?助かるよ!」
目の前の騎士は本当に困っていたのか満面の笑みを向けてお礼を言ってきた。その姿からわりと人懐こい性格なのかもしれない。
「そう言えば、今のホワイトキングダムにはあの不殺の英雄がいるんだよね!?戦争で誰も殺さず1000の敵を倒したんだよね!すごいよね!会えるかなー?」
大地の隣に並びながら楽しそうに騎士は話す。それも憧れに似た何かを胸に秘めているように。
「あ、あー。そうだな会えると思うぞ」
「本当かい!?」
背中越しでフルネールがクスクス笑っている気がする……いや、笑ってる!しかし、隣の騎士を無視して反応することが出来ない。
「その英雄にあってどうするんだ?」
「いや、どうするとかはないんだ。ただ一目見てみたいだけでね」
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