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迷って腐って浄化して
戦いの中で生まれる誤算
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後光――。ここ最近は殆ど使うことが無かった【女神との契約】の能力の一つだ。体を光らせることができるのに加え、この光で呪いを解く事もできる。
それ事態は何回か奴隷の紋様……人を奴隷として操る呪いの解呪をしていることで実証済みである。だが、呪われた道具どころかモンスターの解呪などやったこともない。
呪いの解呪はフルネールも当然出来るがモンスターが関わっているのであれば手は出さない方がいいだろう。だからこそ大地は自分がやるべきだと気合いをいれる。
「やり方は……奴隷の紋様を解呪するときと同じでいいんだよな!?」
敵と対峙しながらフルネールへと聞くと「はい!どんな方法であれ大地さんの光を流せば呪いを祓うことができます!」と返ってきた。
それならシンプルに行こう。敵の攻撃を防ぎながら光を流し込む。
「よし!全力で行くぜ!」
大地は自分の体から発する光を強めた。その光に警戒するようにモンスターは手をだしあぐねているようだったが、大地が飛び込んでくるのに反応して攻撃を仕掛けてきた。
「攻撃方法がワンパターンだな!」
大地の胸に伸びる白く尖った手を大地は剣の腹で受け止める。そして少しだけ傾けて敵の攻撃を受け流していった。
「くらえ!」
そのままモンスターの懐に飛び込んだ大地は空いている掌をモンスターへと押し当てた。勢いと力強く動かした手は突きのような鋭さがあり、大地の気分は体内をズタズタにする中国拳法の発勁である。
もっともそんな高等技術を持っているわけではないので気分的なもので終わったが、触れた掌から後光を流し込むことには成功した。
大地の触れた手を中心にモンスターの白い体が弾け飛ぶ。その際に黒い物体が見えた……のだが、視認できた時間は本の一瞬だった。物凄い早さで白い体が再生されたのだ。
「今のは……?」
「それが呪いの核ですよ!それを切れば倒せますよ大地さん」
カイを治療しながらフルネールは教えてくれた。倒す方法がわかればこっちのもんだ。大地は剣を振るう。先程あった核の場所を正確に捉えながら縦に真っ二つするように刃が通る。
「これで終わりだろ?」
ニヤリと勝利を確信して笑みを浮かべる大地。だが、その胸元に白い腕が伸びてきた。
「うわっ!?」
もう一瞬判断が遅ければ突き刺さっていたかもしれないが、それをギリギリのところで防ぐことに成功した。
「もう!だから呪いを祓わないとダメなんですよー!呪いに攻撃が防がれちゃうんです!」
「やっぱ楽することは出来ないか」
相手の攻撃を剣で防ぎ、再び指先でモンスターへと触れる。またもや一瞬だけモンスターの姿を形成する白い体が弾けて呪いの核が見える。
その一瞬を狙って大地は剣を振るうがモンスターの呪いの再生の方が早く、大地の刃が核に届くことはない。
「くそ、再生が早い。だが今度こそ斬る!」
そう言って距離を積めて三度手を伸ばす大地だが、モンスターはその指への警戒を強めた事で触れることも出来なかった。
「器用に避けんな!」
モンスターの攻撃を防ぎつつ近寄るがどうしても手で触れることは出来ない。
「これなら……どうだ!」
大地はモンスターの攻撃を剣で受けずに体捌きだけで避けるとモンスターの体を真横に切り裂いた。
刃が敵の体を通りぬけると風船が破裂したように白い呪いが霧散した。しかし、その時間は一瞬。見えた呪いの核に対して何もすることは出来なかった。
「大地さん。剣に後光を流して直接祓ってるんですね。発想は良いんですけど……」
「なぁ……大地のおっさんは何で呪いの解呪が出来るんだ?」
治療が終わったカイはフルネールの横に並びながら聞く。
「大地さんは特別ですからね。ただ、どのみち決め手に欠けているので倒すのは難しいですけど」
フルネールの言わんとしていることはわかる。大地が祓った呪いのあとに見える黒い物体。あれを斬ることが出来なければじり貧なのだろう。
「なら……俺がその決め手になる」
カイは剣を持つ手にグッと力を込めながら一歩前へ踏み出した。それをフルネールが止める。
「カイさん。傷は治していますが、魔法で体力は戻りません。人間は痛みを負うだけでも疲労する生き物なのですから、今無茶してモンスターの攻撃をまともに受ければ死にますよ」
それは冷たく言うような声だったが、それでもカイは怯まずにまた一歩前へ踏み出す。
「それでも……今動きたい。俺の仲間は俺が護るんだ」
言っても聞かなそうだと考えたフルネールは小さく頷く。
「そうですか……。それなら一つだけ言っておきます」
その言葉から何を言うのか気になったカイはフルネールへと顔を向けた。
「大地さんは確かに特別ですが、貴方も少し特別な存在だと覚えておいてください。なにせ貴方は海と空と大地に愛された人の子孫なのですから。世界をもっと感じなさい」
「世界を?……うーん、よくわからないけど気にしてみるよ」
ピンと来てなさそうに頭を掻いたカイは今も戦っている大地の元へと向かう。
「おっさん!俺も一緒に戦うぜ!」
意気込んで大地の隣に立ったカイは剣先をモンスターに少しだけ向ける。それに対して大地はカイにたった一言だけ言う。
「……危険だぞ?」
「承知の上だ。俺はパーティーのリーダーだからな。護ってもらうばかりじゃダメなんだ」
その声からははっきりと戦う意思が聞き取れる。だからこそ大地は少しだけ笑みを浮かべた。
「そうか……チャンスは一度、それ以上は特に警戒されるか逃げられる。とどめは頼んだぞ!」
「任せてくれ!」
二人は同時に剣を構える。大地の剣は後光が纏っていて輝いている。カイの剣は魔力が集まっていき淡い光に包まれていった。
「合わせろ!」
そう言って大地が飛び出した。だが、モンスターもそれと同タイミングで手を伸ばす。その腕の狙いは大地ではなくカイだ。
それも手を鋭利に尖らせている。先程までも先細りで尖っていなかったわけではないが、先端が少しの丸みになっていた。
だが、今では丸みはなく貫くのに特化しているような腕だ。それが今まさにカイの胸へとものすごい早さで伸びていっている。
斬りかかっている体勢の大地ではそれを防ぐことは出来ない。
魔力を溜めて大地の攻撃に合わせようとしているカイも咄嗟に動くことは出来ない。
ものの1秒も満たない時間でカイの胸は刺し貫かれてしまう。だが……細く尖った腕はカイの胸の手前で音を立てて止まった。
その結果に大地はニヤリと笑みを浮かべた。
「大地。護るのはこんな感じで良いのかしら?」
レヴィアの氷の魔法だ。限りなく透明に、それでいて小さく圧縮して作られた氷の壁は細い腕を通さない。
「十分だ!カイ!仕留めるぞ!!」
大地が素早くモンスターの懐に入り込むと剣を振るいながら通り抜ける。刃は確実にモンスターの腹を裂くようにすり抜け、何度目かの呪いが四散した。
そしてそれに合わせるようにカイは剣を振るっていた。だが、誤算が生じた。先ほどのモンスターの攻撃に少しだけ臆してしまった。結果、刃がギリギリで黒い核に届かない。
「くそっ……!!諦めてたまるか!!」
魔力を帯びた光の剣。光の魔法を宿しているからこそ目の前のモンスターが放った協力な攻撃を切り裂く事が出来た。それは紛れもなく魔技と呼ばれる技である。でも刃が当たらなければ意味はない……はずだった。
ほんの1センチ程度だろうか。光の刃が伸びたのだ。それはカイとしても不思議な……誤算であった。光の刃は黒い核へ触れると綺麗に真っ二つにしていった。
黒い核が切れると集まっていた白い呪いは全て霧散した。
それ事態は何回か奴隷の紋様……人を奴隷として操る呪いの解呪をしていることで実証済みである。だが、呪われた道具どころかモンスターの解呪などやったこともない。
呪いの解呪はフルネールも当然出来るがモンスターが関わっているのであれば手は出さない方がいいだろう。だからこそ大地は自分がやるべきだと気合いをいれる。
「やり方は……奴隷の紋様を解呪するときと同じでいいんだよな!?」
敵と対峙しながらフルネールへと聞くと「はい!どんな方法であれ大地さんの光を流せば呪いを祓うことができます!」と返ってきた。
それならシンプルに行こう。敵の攻撃を防ぎながら光を流し込む。
「よし!全力で行くぜ!」
大地は自分の体から発する光を強めた。その光に警戒するようにモンスターは手をだしあぐねているようだったが、大地が飛び込んでくるのに反応して攻撃を仕掛けてきた。
「攻撃方法がワンパターンだな!」
大地の胸に伸びる白く尖った手を大地は剣の腹で受け止める。そして少しだけ傾けて敵の攻撃を受け流していった。
「くらえ!」
そのままモンスターの懐に飛び込んだ大地は空いている掌をモンスターへと押し当てた。勢いと力強く動かした手は突きのような鋭さがあり、大地の気分は体内をズタズタにする中国拳法の発勁である。
もっともそんな高等技術を持っているわけではないので気分的なもので終わったが、触れた掌から後光を流し込むことには成功した。
大地の触れた手を中心にモンスターの白い体が弾け飛ぶ。その際に黒い物体が見えた……のだが、視認できた時間は本の一瞬だった。物凄い早さで白い体が再生されたのだ。
「今のは……?」
「それが呪いの核ですよ!それを切れば倒せますよ大地さん」
カイを治療しながらフルネールは教えてくれた。倒す方法がわかればこっちのもんだ。大地は剣を振るう。先程あった核の場所を正確に捉えながら縦に真っ二つするように刃が通る。
「これで終わりだろ?」
ニヤリと勝利を確信して笑みを浮かべる大地。だが、その胸元に白い腕が伸びてきた。
「うわっ!?」
もう一瞬判断が遅ければ突き刺さっていたかもしれないが、それをギリギリのところで防ぐことに成功した。
「もう!だから呪いを祓わないとダメなんですよー!呪いに攻撃が防がれちゃうんです!」
「やっぱ楽することは出来ないか」
相手の攻撃を剣で防ぎ、再び指先でモンスターへと触れる。またもや一瞬だけモンスターの姿を形成する白い体が弾けて呪いの核が見える。
その一瞬を狙って大地は剣を振るうがモンスターの呪いの再生の方が早く、大地の刃が核に届くことはない。
「くそ、再生が早い。だが今度こそ斬る!」
そう言って距離を積めて三度手を伸ばす大地だが、モンスターはその指への警戒を強めた事で触れることも出来なかった。
「器用に避けんな!」
モンスターの攻撃を防ぎつつ近寄るがどうしても手で触れることは出来ない。
「これなら……どうだ!」
大地はモンスターの攻撃を剣で受けずに体捌きだけで避けるとモンスターの体を真横に切り裂いた。
刃が敵の体を通りぬけると風船が破裂したように白い呪いが霧散した。しかし、その時間は一瞬。見えた呪いの核に対して何もすることは出来なかった。
「大地さん。剣に後光を流して直接祓ってるんですね。発想は良いんですけど……」
「なぁ……大地のおっさんは何で呪いの解呪が出来るんだ?」
治療が終わったカイはフルネールの横に並びながら聞く。
「大地さんは特別ですからね。ただ、どのみち決め手に欠けているので倒すのは難しいですけど」
フルネールの言わんとしていることはわかる。大地が祓った呪いのあとに見える黒い物体。あれを斬ることが出来なければじり貧なのだろう。
「なら……俺がその決め手になる」
カイは剣を持つ手にグッと力を込めながら一歩前へ踏み出した。それをフルネールが止める。
「カイさん。傷は治していますが、魔法で体力は戻りません。人間は痛みを負うだけでも疲労する生き物なのですから、今無茶してモンスターの攻撃をまともに受ければ死にますよ」
それは冷たく言うような声だったが、それでもカイは怯まずにまた一歩前へ踏み出す。
「それでも……今動きたい。俺の仲間は俺が護るんだ」
言っても聞かなそうだと考えたフルネールは小さく頷く。
「そうですか……。それなら一つだけ言っておきます」
その言葉から何を言うのか気になったカイはフルネールへと顔を向けた。
「大地さんは確かに特別ですが、貴方も少し特別な存在だと覚えておいてください。なにせ貴方は海と空と大地に愛された人の子孫なのですから。世界をもっと感じなさい」
「世界を?……うーん、よくわからないけど気にしてみるよ」
ピンと来てなさそうに頭を掻いたカイは今も戦っている大地の元へと向かう。
「おっさん!俺も一緒に戦うぜ!」
意気込んで大地の隣に立ったカイは剣先をモンスターに少しだけ向ける。それに対して大地はカイにたった一言だけ言う。
「……危険だぞ?」
「承知の上だ。俺はパーティーのリーダーだからな。護ってもらうばかりじゃダメなんだ」
その声からははっきりと戦う意思が聞き取れる。だからこそ大地は少しだけ笑みを浮かべた。
「そうか……チャンスは一度、それ以上は特に警戒されるか逃げられる。とどめは頼んだぞ!」
「任せてくれ!」
二人は同時に剣を構える。大地の剣は後光が纏っていて輝いている。カイの剣は魔力が集まっていき淡い光に包まれていった。
「合わせろ!」
そう言って大地が飛び出した。だが、モンスターもそれと同タイミングで手を伸ばす。その腕の狙いは大地ではなくカイだ。
それも手を鋭利に尖らせている。先程までも先細りで尖っていなかったわけではないが、先端が少しの丸みになっていた。
だが、今では丸みはなく貫くのに特化しているような腕だ。それが今まさにカイの胸へとものすごい早さで伸びていっている。
斬りかかっている体勢の大地ではそれを防ぐことは出来ない。
魔力を溜めて大地の攻撃に合わせようとしているカイも咄嗟に動くことは出来ない。
ものの1秒も満たない時間でカイの胸は刺し貫かれてしまう。だが……細く尖った腕はカイの胸の手前で音を立てて止まった。
その結果に大地はニヤリと笑みを浮かべた。
「大地。護るのはこんな感じで良いのかしら?」
レヴィアの氷の魔法だ。限りなく透明に、それでいて小さく圧縮して作られた氷の壁は細い腕を通さない。
「十分だ!カイ!仕留めるぞ!!」
大地が素早くモンスターの懐に入り込むと剣を振るいながら通り抜ける。刃は確実にモンスターの腹を裂くようにすり抜け、何度目かの呪いが四散した。
そしてそれに合わせるようにカイは剣を振るっていた。だが、誤算が生じた。先ほどのモンスターの攻撃に少しだけ臆してしまった。結果、刃がギリギリで黒い核に届かない。
「くそっ……!!諦めてたまるか!!」
魔力を帯びた光の剣。光の魔法を宿しているからこそ目の前のモンスターが放った協力な攻撃を切り裂く事が出来た。それは紛れもなく魔技と呼ばれる技である。でも刃が当たらなければ意味はない……はずだった。
ほんの1センチ程度だろうか。光の刃が伸びたのだ。それはカイとしても不思議な……誤算であった。光の刃は黒い核へ触れると綺麗に真っ二つにしていった。
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